『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

上野散策

2021-12-10 22:33:43 | 日常
久々に朝の混んだ電車で東京に出ました。

目指したのは上野の奏楽堂。




昔、フルートフェスティバルだったか、何かのアンサンブルだったか・・
最早うろ覚えですが、演奏したことがある。

日本で最初に出来た伝統ある音楽ホールで、本当に素晴らしいところです。

見学料は300円。
コンサートホール、そして日本の音楽界を牽引してきた、様々な作曲家、演奏家の自筆譜や写真、当時のプログラムを見ることもできます。

三浦環とプッチーニのツーショットもありました。

小さなパイプオルガンの部分的な仕組みを展示していて、弾くことが出来、ドレミファソの音が出せる。

中々、見ごたえがありました。

その後は、国立博物館でやっているイスラムの展示に。


この写真は会場を出て撮ったもので、この正面にある会場で開催されていました。

こちらも、総ダイヤのネックレスなどもあり、もう欲しいものだらけ・・

イスラムがヨーロッパに与えた影響というのは、トルコ行進曲やコーヒーだけでなく本当に大きなものだったのだ、と再認識。

外は良いお天気で、黄色くなった銀杏が美しかったです。





午前中の3時間弱程で、こんなに充実したひと時を過ごせるなんて・・

思いがけない良い散歩ができました。

・・・でも本当は・・

リサイタルやCDでお世話になったチェロの山本徹さんからご案内いただいていて、彼のソロコンサートに行くはずでした。

その名も「徹の部屋」。

どこかで聞いたことがあるようなタイトルですが、中身は濃い。

11時から12時までのミニコンサート。

バッハの5番も演奏する、ということで楽しみにしていました。

2019年のリサイタルの時に、私のロットの音に触発されたそうで、その後良い出会いがあったヴィンテージの楽器を購入され、CD録音はそのチェロで演奏してくださっています。

ロットもそうですが、ヴィンテージ楽器は、丁寧に付き合うことで、日々刻々と育ってくれる。師・植村泰一先生は「だんだんと、眠っていたのが起きてくるんだよ」と表現されていたけれど、本当にこの頃、その言葉を実感しています。

山本さんも同様のことを仰っていて、そのさらに進化された響きもとても聴いてみたかった・・

10時35分に奏楽堂に到着・・・

でも、受付で訊ねると、そんな予定はないとのこと。
じゃあ、芸大の中にある奏楽堂かしら?とそちらにも行ったところ、やはり予定はない。

おかしいなあ・・?と彼のHPを見て発見したのは・・

「近江楽堂」の文字。

もう完全に最初から奏楽堂と思い込んでしまっていたのね・・

「楽堂」が一緒とはいえ、何やっているんだか!

こんなことをやらかしてしまったのは初めてで、これも年齢のせいか・とちょっと愕然。

あわててすぐにごめんなさいメールをしたところ、本番直前なのに、すぐに返信があり、これまたびっくり。

1時間の短い本番なので、上野から初台には順調に行けたとしても、アンコールくらい・・
それに何より場所を間違えてしまったショックで気持ちが挫けてしまって初台まで必死で行く気力はなかったのでした。ああ・・

でも、そこは前向きに切り替えて・・ということで、

上野散策と相成ったのでした。

我ながら、切り替えが早いのは取柄だと思う。