『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

3月10日(日)モンレアーレーパレルモーアグリジェント

2024-03-20 17:03:33 | 旅行
窓もなく、2段ベッドが二つ向かい合っているという小さな二等船室だったのに、その囲まれた狭さが良かったのか、程よい揺れ具合が良かったのか、二人共、ぐっすりと熟睡できた船旅でした。
ナイルクルーズの時の様に優雅ではなかったけれど、船内のカフェでコーヒーやジェラートを楽しんだり、ショッピングをしたりして、色々楽しめ、思いのほか良い船旅となりました。

朝8時頃にパレルモ到着後はすぐにバスで近くのモンレアーレに。

シチリアに着いた途端、空気感と色彩がフワっと変わったような気がしたのは気のせいか?

道中、見たことのない街路樹があり、話題に。コッペパンの様な形状の緑の実で、木にはトゲトゲが。




モンレアーレの大聖堂の中庭の回廊が素晴らしかった。
全て異なるデザインで、細かな彫刻。
アラブ、イスラムの影響を受けた様々な意匠は、18年にポルトガルで見たものとも似ていた。



そして、金色のモザイクで有名な大聖堂内部。なんと当初はここも「下車観光」で見られない予定だったそう。実際他のツアーの方たちは中は入れなかったとうかがった。(酷い!)。

でも、ラッキーなことに15分限定ということで、中に入ることができました。
日曜日でミサの真っ最中にも関わらず、入場を許してくださった現地の関係者皆様に感謝です。

一歩入って、その見事さに心打たれました。今回の旅で、圧巻、という言葉が一番ふさわしかったのは、この場所ではないかしら。

ポカンと口を開けてただただ見入る。

意味はわからずとも。高い天井の空間に静かに響く司祭の声がありがたかった。




パレルモもナポリ同様、みな下車観光。
マッシモ劇場もとても楽しみにしていたのに外から見るだけ・・( ;∀;)
クワトロカンティ、ノルマン王宮、などみてバスに乗り、アグリジェントに。





途中レストランで遅めの昼食。
昼食はイワシをそぼろにしてまぶし、パン粉を振りかけたパスタ。
衝撃的だったのは、パスタの太さと茹で具合。
ウドンくらいの太さがあり、おまけに、とても柔らかい。
これはもう、ほぼウドン。
中々個性的で、特に美味しい、という感じではないけれど、面白かった。
ウドンで真似して作ると良いかも?




南イタリア名物のミートソースの入ったライスコロッケと付け合わせは固めのレタスサラダは気に入った。
こちらの野菜はみな硬めで、苦手な方もいたけれど、私はむしろ好き。




デザートはアーモンドパウダーの入った、ほぼ杏仁豆腐フレーバーのジェラート?ブラマンジェ?(うろ覚え)で、美味しかった。アグリジェントはアーモンドの産地でもあったことを思い出す。


オリジナルのハウスワインも美味しく、夫とシェアして赤白、いただきました。
どこのお店でも、大きなグラスにたっぷりと注いでくれるのが嬉しい。

アグリジェントの神殿の谷も素晴らしかった。



アーモンドの花は今年は早くに盛りを迎えたとのことでしたが、それでも沢山、ピンクの小さな花を見ることができた。木は梅に、花は梅と桜を混ぜたような感じで可愛い。日本で通常みかけるものよりも、幅広で平べったい実も実っていました。


オリーブの古木も素晴らしかった。
1000年以上のものもあるのだそう。



アグリジェントのホテルは、従業員がみな笑顔で迎えてくれて、初日のローマとは大違い。
ホテルでの夕食はカボチャとピスタチオとモッツァレッラチーズのリゾット、豚肉に茄子とチーズを載せて焼いたものにインゲンのソテーがたっぷり。

テーブルワインも赤白共に美味しかった。
今回の旅で一番ワインが美味しくて、一番感じの良いホテルだったかも?
部屋も清潔感があって広く、よく眠れました。
良いところの名前は書いておこう。

アグリジェント デラバッレ   DELLA VALLE



3月9日(土)ポンペイーナポリ

2024-03-20 00:04:59 | 旅行
バスを降りて遺跡近くのレストランでランチ。
シーフードパスタもフライも、まあまあ、だったけれど、テーブルワインが、あの「ラクリマ・クリスティ(キリストの涙)」なのが嬉しかった。
白を飲みましたがとても美味しかったです。

ワインで上機嫌となり足取りも軽く遺跡へ。


一番来たかったポンペイ遺跡。

かのゲーテも3月に訪れていて「・・小さい::」と言ったとか言わなかったとか。

でも、そんなことは全くなく、多分、ゲーテの時代より、今の方がより発掘も進んで広くなっているのだろう。

子供の頃本で読んで受けた衝撃が蘇る。

子供の頃は、明日もし自分がそうなったらどうしよう?と考えて、とても怖かったけれど、大人になった今は、むしろ、そうした「まさか」の事態はいつ来てもおかしくないということを知っているので、考えない様にしよう、としているのかな、とも思う。

天候のせいで、海がやや荒れていて、そのため、夕刻にシチリア島に出発するフェリーの出向時刻が1時間早まった、とのことで、滞在時間が半分となってしまい、本当の「駆け足」観光となってしまい残念だけれど、やはりこの地に立つことを想像した子供時代、そして4年前の旅行準備の時の気持ちが思い出される。

ガイドブックの写真は晴天ばかりで、思い描いていた景色も青天だったけれど、雨のポンペイというのも風情があって中々良かった。

そういえば、19年のギザのピラミッドの時も、霧雨が降っていた。
甲野先生お墨付きの「雨女」の本領発揮である。

秘儀荘の壁画の鮮やかな色彩、筆致を直に見ることが出来たのも嬉しかった。









ナポリ

バスの中から少しだけ見えた下町の様子はやはりちょっと怖かった。
路上生活者も多く、何よりも、建物が古いまま、放置されていたり、壊れたまま修繕されずに使われていたり。




サンカルロ劇場もコースにあって楽しみにしていたのに、出発1週間前に初めて「下車観光」という言葉を知る。





つまり、建物の前には行くけれど、入場はしない、というとんでもないもの。
あり得ない!?とびっくりしたけれど、今回は料金安めだったせいか、特にナポリではこの「下車観光」がやたら多く、残念。

もし、次回があるとしたら、この「下車観光」だけはちゃんと事前にチェックして避けたいと思いました。

目の前にあるのに、中に入れないなんて、個人旅行ではあり得ない。

同行した海外旅行数十回の強者の若い女性も「ナポリ観光が薄かった」とアンケートに書いたそう。

とはいっても、もちろん、それなりには楽しめたのだけれど。



プレビシート広場、ウンベルト1世のガレリア、ヌオーヴォ城、ポジリポの丘など「下車観光」。
このあたりの歴史地区はナポリとはいっても、他の観光地と変わることなく、特に怖いという感じはなかった。






でも、夜などはまだまだ用心した方が良いらしい。



ポジリポの丘からはナポリ湾が見下ろせて、下町とは別世界。
やや曇りで残念ではあったけれど、ベスビオ山も見えた。
お金持ちの別荘が並ぶ、界隈だそうで、建物も工夫を凝らしたお洒落なものが多い。



小さなエリアに貧困の下町と富裕層の別荘地が隣在しているというのも特殊な気もする。

日本にももちろん格差はあるけれど、これほどあからさまではない気がする。

夕刻はフェリー。

結局出港は遅れ、船の中で過す。
夕食は急遽用意されたケータリングだったけれど、これが思いのほか美味しかった。
新鮮な野菜に大きなレモンが添えられていて、それに塩、コショウ、オリーブオイルをかけて食べるイタリア風サラダ。
パスタは餃子の皮で挟んだ様な形状のラザニアで、まあまあ。

デッキから見る夜景がとても美しく、

ゲーテの
「ナポリを見てから死ね」という言葉が思い出されました。