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絵じゃないかぐるーぷ
平成初めの頃です。
題名変更版
* ジョジィのながーい話
昔の昔、そのまたドドーンと昔のことであります。
その頃は、
この世界はバンカカチッチと言っておりました。
それは、ちょうど目を閉じた時に
感じられるような世界であったそうな。
暗いのやら黒いのやら、
何かがあるのやら無いのやら、
時間があるのやら無いのやら。
とにかく基準にするものが何一つ確定しない、
そんな世界であったそうな。
そんな状態が、
ずっとずっと、ずっーと何々兆年も続いていたある日のこと、
バンカカチッチは、ふとしたことを思いつきました。
それは、ある一つの基準点を定め、
そこに2つの方向から、
この世に溢れているエネルギーを集めて注ぎ込んでみたら、
一体どうなるのだろうかということであったそうな。
これは点の発見でもありました。
これが、ハッ! 点の大原則であるそうです。
しかし、これは暇に任せた思いつき以外の
何物でもありません。
暇とか余裕とか言うものは、
思いつきの母でもあるのでしょう。
その定点に対して、それはそれは
永い時間とエネルギーを注入した結果、
1次元の線分がちょっぴりと出来上がりました。
どちらかのエネルギーの力が、
ほんの少しばかり強かった所為でしょう。
定点が、弱いエネルギーの方へ、
わずかに移動したのであります。
それでもなお飽きもせず、
時間をかけ多量のエネルギーを
両側から注いでおりますと、
その線分がシミが拡がるように、
丸い2次元の円に変わってきました。
その線分が、何かの手違いで
回転したようであります。
そのように変わっていく姿を見ていると、
彼女には、期待や楽しみの心が
芽生えてきたそうです。
目的も希望も持ち得なかった生活に
光明が射し始めたであります。
これは、先が楽しみだわと、
ますます熱心にその作業に執着していきました。
しかしながら、円はいつまで経っても、
円に変りはなかったのであります。
ここで、エエーンと泣いても状況に変わりはありません。
そこでまた思いつきを思いついたのであります。
それは、エネルギーをあちらこちらから、
その円にあててみると、
どうなるだろうかということであったそうです。
それを実行に移してみますと、
何とその円がぷっくりと脹らんできて、
3次元の球に育ったのであります。
心が、キューン。
ああ、よかったあ。
ちょうどお餅を焼いたようにぷっくりこん。
そうして、ついに小さな小さな卵が、
出来上がりました。
その卵の大きさは、MBGボール(パチンコ玉のこと)より、
ほんのわずかだけ小さかったのです。
MBGボールは、とある規則により、
直径1.1cmと定められておりますから、
1cm足らずの大きさだったのでしょう。
彼女は、物を食べたり、何かをして遊ぶなどと
いうことは何も知らず、
他に何物も居なかったので、
自分が一人だとか、
寂しいとか言うような感情も
持あわせていなかったようです。
しかし、卵が出来上がってみますと、
これが、いとおしくて堪らなくなったそうです。
暇に任せた思いつきと永い時間と
莫大なエネルギーを
注ぎ込んだ所産でもありましたから、
そういう感情が培われたのでしょう。
所産は、初産でもありました。
彼女は、その卵にビッグバン卵と名付けて、
それはそれは愛情を注いだそうです。
もちろん、エネルギーは、もうバンバンと今までに増して
呉れてやったのであります。
時を置かず、
{大きくなーれ、大きくなーれ}と、
ますますもってエネルギーをねじ込みました。
小さな卵に対して4方8方16方32方と、
もうありとあらゆる方角から、
エネルギーというエネルギーを注ぎこんだものですから、
注ぎ込まれた方は堪ったもんではありません。
その結果は、目に見えております。
今の時代に例えて言ったなら、
ぷっつんとなってしまったとでも呼べるのでしょう。
つまりは、ついにとうとうある日のこと、
突然バババーンと、音があまりにも大きすぎて、
耳にも聞こえないような大きな音を立てて、
卵が大爆発を起こし、
この世界の大本になっている
ビッグバンダーが生まれたそうです。
そのビッグバンダーから
無数に飛び散った卵殻の一カケラこそ、
何を隠そう、
いま我々が宇宙と呼んでいる代物なのだそうです。
これが、この宇宙の出来始めだと
いうことらしいそうです。
私たちは、彼の卵殻の一カケラ、
数えきれないほど散らばった殻塵の
一つを借りて生活している、
ということでもあります。
一部どこかで聞いたことのあるような話。
ジョジィのヤツ、誰かさんの盗作では無いのかい!
まあ、私が問いかけたのが悪いのだから、
最後まで聞くことにしましょう。
銀河系が出来、太陽系が出来、
ここ(地球)が出来と次から次へと、話が続きます。
ああ、しんど! 聞くのではなかった!
つづく