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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
以下、その本を読んだオレの覚え書きである。
ヤハヤハは、{天と地とをつくった。} 彼は、天からつくったのか? それとも、天と地とを同時につくったのか、どうもこれだけでは、はっきりしない。設計図はあったのだろうか?
道具は何を使ったのだろう? きっとものすごいマシンを使ったに違いない。また、この地上の大量の土は何処から掠め取ってきたのか。神の国の何処かの山でも削り取ってきたのだろうか。恐らく他の神々から環境破壊をするなという猛反対に遭ったはずだ。そんな抵抗運動を退けてまで、この地球にテコ入れした彼の真意はどこにあったのか?
今となっては知る術もないが、大変な仕事をたった一日で仕上げるなんて、神技に近い。{地には底知れぬ暗い水がいちめんにあふれていた} ヤハヤハは{光あれと声をかける。すると、まっくらやみの中に光が生まれた} これが、どうも釈然としない。光を一番最初に作れば明るくて工事や作業もしやすいのにと思うのだが、彼の考えることは変わっている。
やっぱり多くの人間から神と呼ばれるだけのことはある。凡人のオレとは発想からして違う。それに声一つで、素粒子から原子、分子までを動かし、その上、生物の遺伝子までをも支配して思い通りに制御するのだから脱帽ものだ。彼は、素晴らしい科学の発明者でもあるのだろう。人間も彼の段階にまで到達するのには、まだまだの時間と科学の発展を必要とするだろう。大したものだ。それに、人間を土から作る術も見事なものだ。人間は死んで土葬すれば土に帰るのだから、逆に土から人間を作るのも不可能な事ではないだろう。着想がいい。感服!
その最初の人間アラマーを男に作った意図が、オレにはどうも解らない。人間は女の人から生まれるのに、男が先に生まれている。それにヤハヤハは、どうも一人ぽっちの寂しがり屋さんみたいだ。寂しがり屋はオレの同類。親近感を覚える。
アラマーは、ヤハヤハの寂しさを紛らわせる為のオモチャ変わりの慰みものだったのか? その後、12対+1本の男の肋骨から一本を抜き取り、女のエーバァをつくった。女にバァがつくのはあちらの国もこの国も同じこと。所詮、女はババァになる運命を背負っているのを自覚させるための緩衝剤なのか? いっぺんに老いを知らせると、デリケートな女性も多いのでショックを軟らげる為に、徐々に納得させようとヤハヤハの奴が仕組んだことに違いない。女の操縦も巧みなものだ。ご立派、ご立派!
それにしても、アラマーのあばら骨の抜き取り、さぞかし痛かったことだろう。生体移植のやり始めだ。これこれしかじかでと一言、説明してやっていれば根がド助ベーのアラマーのこと、美人の女と聞けば痛さもさほど感じなかったに違いない。患者を納得させてこそ医は仁術となるのにヤハヤハも思いやりが足りない。
いいことをすれば、過程など、どうでもいいというのは、このオレの発想そのもの。人の迷惑などろくに考えもしない。結果が、とびきりの美人で良かったようなものの小野小町のような現代ではドブスに属する女が出てきていたら、一体どう言い訳をするのか! お互い反省しないといけないな。
アラマーとエーバァは蛇に遇うまではアホだった。ああ、蛇の奴が、やっと登場してきた。ヤハヤハがつくった野のけもののうちで、いちばんわるがしこい、ひがみやとある。でも元はと言えば、ヤハヤハが作っているではないか! 作り損なったのか、わざとそうおつくりになったのか、それとも自然とそう成長したのか、何にしろヤハヤハの思惑を乗り越えた存在だったことは確かだ。
蛇は「エーデェの園」のまん中に生えている「よしあしを知るちえの木」を食べることを勧めた。この木の実は、ヤハヤハが、アラマーとエーバァに絶対食べるなと言い聞かせておいたものだ。食べると死ぬと脅してもいる。それにしても、アホに何々するなと言ってノホホンと構えているのは、一体どういうことなんだ? オレにはわからん! 善し悪しも解らぬ者に、何々するな! が通じるはずがないのに、何を考えていたのだろう。これは明らかにヤハヤハのドちょんぼだ。
蛇は、エーバァに食べることを勧める。エーバァは誘惑に負けて食べる。ホントに古今東西を問わず女は食い意地が張っている。それにしても、愛するアラマーを放っておいて死ぬ覚悟で禁断の木の実を鬼食いする女の図太さは見上げたものだ。子供を生み落とすだけのことはある。性根がすわっている。オレなど、これを食うと死ぬぞと脅されたら絶対食いはしない。
でも、所詮は気の小さい面も強い女族のこと。きっとどこかで、ヤハヤハが木の実を旨そうに摘み食いをしている姿を見かけたに違いない。そうでもなければ、ヤハヤハの言葉と蛇の言葉とを比べて、蛇の言葉などを単純に信じたりはしないだろう。ヤハヤハの鋭い追求にあって、エーバァは「盗み食い」の罪を蛇に擦りつけた。確かに扇動する者も悪い。悪いがそれに乗るような状況が出来上がっていることは見逃せない。
とにかく蛇は無罪に近い。彼の罪は軽い。彼には、犯罪をそそのかした罪もあるかも知れないが、即、「死」に結びつくような大事な事柄だ。いくらアホとはいえ信用も置けないような者の勧めに乗り実行に移すだろうか? もし、蛇がヤハヤハより信用が置けるものならその信用出来る者を裏切りヤハヤハに情報を売ったエーバァの罪は大きい。
人間としては欠陥品だ。また、信用が出来ないのなら、それは明らかに蛇に罪を転化するエーバァの意図した隠れ蓑作戦だ。どちらにしてもエーバァ、アラマーの犯した罪は蛇の何倍もの罪に相当する。
不当だ。冤罪だ!
それにしても、ヤハヤハも、ヤハヤハだ。蛇に落し穴を作っておいて落ちるのを待っているような行為をしている。意地が悪い。それが神と呼ばれる者のすることか? どう考えても、蛇の地位は不当のような気がする。ヤハヤハの処置にも納得出来ない。アラマーやエーバァにしても、アホから引き上げてくれた恩人でこそあれ憎むべき対象ではない。
そんなわけで、「聖書物語」での蛇の地位は不当に低過ぎると断定を下す。
流ドン作
だが、これぐらいではオレの蛇嫌いは治まらない。
まず、あの眼つき何とかならないのか?
眉毛と睫をつけて、二重目蓋にしたらどうだろう。
それに尻尾、せめて鰻のようにならへんか?
それとも毛でも生やしてもらうか?
また、くねくねした歩き方、ムカデのように沢山足をつけて足歩きをしてくれないものか?
最後に猛毒の武器。あれはもう時代遅れだ。人間と共存する平和な時代に入っているのに一噛みでコロリと倒す猛毒の時代ではないはずだ。ほんの数分ショックを与えるだけで十分ではないか?
オレは、「縄通」ネットに蛇族への提案と題して、蛇の整形案を打ち込んでおいた。
数日して、キヨヒメから{私、整形してみるから、オッさん整形医、紹介して!}とメールが入ってきた。
ワッ、どうしょう!
つづく