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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* バナモコモコの採点結果は?
奈良県生駒に住む新興宗教家・バナイランから、極楽スペースに居候しているブツブツはんにバナモコモコの採点結果を聞いてくれないかというメールが、「縄通」ネットで届いた。
例の「かか喜ばせの術」はもう使っていないから、お鼻ぺんぺんの刑は勘弁してくれる筈なのだが、それでも過去の罪でも罪に変わりはないので、あの人がどう判定を下しているか是非とも知りたいという。
私なんかに聞かずに直接問い合わせばいいのに、やはり中に人を挟みたがる、悪い癖だ。私にしたって、唐招提寺の観女センティか、地獄と極楽の境界のガードマン・カンダタジャケンネに問い合せるだけだというのに、手間のかかる話だこと。
頼まれれば断りきれない性分なので、カンダタジャケンネにメールを送っておいた。それにしても、こいつの名前は長すぎる。手がだるくてかなわん。少し縮めてカンちゃんと呼ぶことにしよう。そのカンちゃんによると、
ブツブツはんは、いま極楽の泥沼池に咲く蓮の花が開く時、音がするのかどうか、また音がするのならどんな音がするのか、観察中だという。西から陽が昇る大分前から、蓮の前に座り込んで、じっと見入っているらしい。そして、昼間は相も変わらず地獄に蜘蛛の糸を垂れては、少しましな極悪人を釣り上げようとして失敗ばかりしているという。未だに一人も釣り上げた例しがないらしい。
そのブツブツはんから、採点結果を教えて欲しくば、クイズを出すから、うまく答えたら教えてやろう、と言っているという返信メールが入ってきた。
(クイズ)
1・芥川龍之介「蜘蛛の糸」で使った糸は、縦糸か? 横糸か? 理由を付けて答えなさい。
2・荻野アンナ「鼻と蜘蛛の糸」(文ガク界・平成3年9月号)では どちらでしょうか?
3・芥川龍之介「羅生門」に出てくる蟋蟀(キリギリス)をもう1匹 蟋蟀を使って、雄か、雌か判定する方法を答えなさい。
また、暇にまかせて、厄介なクイズを出しやがって、と思うが、人の未来を左右する大事な事柄、そう簡単には教えられないのだろう。もう一度作品をじっくり読み、百科辞典図鑑など総動員して調べてみた。
蟋蟀は、この前「羅城門」の近くで知り合った下人の下ピーが、お土産のお返しにと言ってくれたものだから、次男のドン次郎に持って帰ってやった。
「平安時代のキリギリスだよ」と言って、彼に手渡すと、
「平安時代? それに、これキリギリスとは違うよ。コオロギだよ」と軽くいなされてしまった。
本の中では蟋蟀にキリギリスとルビがふってあったので、私はキリギリスだと言いはったのだが、小学生のドン次郎も譲らなかった。旺文社の学芸百科辞典で調べてみると、平安時代にキリギリスといったのは、コオロギのことで、キリギリスは「機(はた)織る虫」「機織女(はたおりめ)」といわれていた、とあった。
ドン次郎の方が正しかったのだが、私もキリギリスと言い張った手前、格好がつかなかったので、これはコロギスというのだと折衷案で誤魔化してやった。コロギスはコオロギとキリギリスの両方に似ているのでドン次郎の顔も私の顔も立つと思ったのだが、彼には大人のそんな綾は伝わらないようだった。
彼は、今でもあれはコオロギだったと思っているようだ。下ピーのお返しの虫はほどなく死んでしまったのだが、平安時代の生きものなので、標本にして大事にとってある。その時、コオロギのことはかなり調べていたので、答はすぐにわかった。これは、ドン次郎様々である。
さあ、あなたにはわかったでしょうか?
次は蜘蛛の糸の番である。百科辞典によると、蜘蛛でも種類により、網を張るものと張らないものがあるようだ。蜘蛛の網のたて糸はねばつかないが、よこ糸は粘液の粒がついていて、べとつくらしい。他の昆虫は、その縦のねばつく糸にひっかかるが、蜘蛛自身は足の裏から油を出してひっかからないようにしているという。
龍はんの「蜘蛛の糸」から、クイズを解くことにした。蜘蛛の糸に関する記述を羅列してみた。
美しい銀色の糸
そっと御手に御取りになって、・・・まっすぐにそれを御下しなさいまし。
銀色の蜘蛛の糸が、・・・一すぢ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて・・
この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、・・・
蜘蛛の糸を両手でしつかりとつかみながら、・・・上へ上へとたぐりのぼり・・・
一たぐりも・・・
糸の中途にぶら下がりながら、・・・
両手を蜘蛛の糸にからみながら・・・
蜘蛛の糸の下の方には、・・・上へ上へと一心によぢのぼって来る・・・
自分一人でさへ断れさうな、この細い蜘蛛の糸が、・・・重みに堪へる事が出来ませう 途中で断れたと・・・
細く光っている蜘蛛の糸を・・・のぼって・・・
糸はまん中から二つに断れて、・・・
この蜘蛛の糸は己のものだぞ。
蜘蛛の糸が、・・・ぷつりと音を立てて断れました。
蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、・・・短く垂れている・・・
ウーン・・・・・
そうか! わかった! みなさんは、どうですか?
そう言えば、あちこちからブツブツはんへの苦情・苦言の投書が「縄通」ネットに寄せられていた。ここで奈良県上北山村に住む土の子、土ッチンからのものを紹介してみよう土の子、土っちんは土地族の代弁者でもある。
蓮の花は、泥沼に咲くスイレン科の多年生水草のクセに、自分ばかりがいい子ぶっている。
「ハスは泥中から汚れのない花を開くので、俗塵に染まない君子の花」などと呼ばれて優遇されてもいる。それに比べて泥は汚い、汚れているなどと不当な扱いを受けているが、蓮の花も泥も切り離し出来ない一体のものだ。泥なくして、ハスの存在はありえないし、また泥だけでは泥以上のものになり得ない。
両者をもっとシステム的にとらえて泥の見直しもして欲しいし、そういう認識も新たにして欲しい、ということであった。指摘されてみると、まさにその通りだ。土ッチンの言い分もよくわかる。カンちゃんを通して、ブツブツはんに伝えて貰うことにしよう。
もう一つ紹介しておこう。等活地獄の幹部、かってのオレの飼い牛、ンモ坊からのものである。もちろん匿名希望とあった。ブツブツはんは、暇にまかせて、蜘蛛糸釣りをするものだから、その切れ端が地獄に落ちてきて公害問題になっている。何しろ、相手はエライはん、私らに口出しは許されていない。
誰かいい知恵ないですか、というものである。これも指摘されてみると、まさにその通り。それにしても、今だに自由にモノが言えぬ世界が現実に存在しているのかと思うと、はなはだ残念である。もっともっと民主化を進める必要性があるように思う。そうは言っても、私は部外者だから、冷ややかに眺めているだけの存在にすぎないのだが・・・
これもちらっとカンちゃんを通して言うことに決めた。
残りは、アンナOさんの蜘蛛の糸のクイズ解きである。こちらの方 は、
ほしいままに蓮のうてなに巣をかけまくっていた、とあった。
うん、そうか!
クイズの答ができたので、早速カンちゃんを通して、ブツブツはんへのメールを送ることにした。
つづく
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* バナモコモコの採点結果は?
奈良県生駒に住む新興宗教家・バナイランから、極楽スペースに居候しているブツブツはんにバナモコモコの採点結果を聞いてくれないかというメールが、「縄通」ネットで届いた。
例の「かか喜ばせの術」はもう使っていないから、お鼻ぺんぺんの刑は勘弁してくれる筈なのだが、それでも過去の罪でも罪に変わりはないので、あの人がどう判定を下しているか是非とも知りたいという。
私なんかに聞かずに直接問い合わせばいいのに、やはり中に人を挟みたがる、悪い癖だ。私にしたって、唐招提寺の観女センティか、地獄と極楽の境界のガードマン・カンダタジャケンネに問い合せるだけだというのに、手間のかかる話だこと。
頼まれれば断りきれない性分なので、カンダタジャケンネにメールを送っておいた。それにしても、こいつの名前は長すぎる。手がだるくてかなわん。少し縮めてカンちゃんと呼ぶことにしよう。そのカンちゃんによると、
ブツブツはんは、いま極楽の泥沼池に咲く蓮の花が開く時、音がするのかどうか、また音がするのならどんな音がするのか、観察中だという。西から陽が昇る大分前から、蓮の前に座り込んで、じっと見入っているらしい。そして、昼間は相も変わらず地獄に蜘蛛の糸を垂れては、少しましな極悪人を釣り上げようとして失敗ばかりしているという。未だに一人も釣り上げた例しがないらしい。
そのブツブツはんから、採点結果を教えて欲しくば、クイズを出すから、うまく答えたら教えてやろう、と言っているという返信メールが入ってきた。
(クイズ)
1・芥川龍之介「蜘蛛の糸」で使った糸は、縦糸か? 横糸か? 理由を付けて答えなさい。
2・荻野アンナ「鼻と蜘蛛の糸」(文ガク界・平成3年9月号)では どちらでしょうか?
3・芥川龍之介「羅生門」に出てくる蟋蟀(キリギリス)をもう1匹 蟋蟀を使って、雄か、雌か判定する方法を答えなさい。
また、暇にまかせて、厄介なクイズを出しやがって、と思うが、人の未来を左右する大事な事柄、そう簡単には教えられないのだろう。もう一度作品をじっくり読み、百科辞典図鑑など総動員して調べてみた。
蟋蟀は、この前「羅城門」の近くで知り合った下人の下ピーが、お土産のお返しにと言ってくれたものだから、次男のドン次郎に持って帰ってやった。
「平安時代のキリギリスだよ」と言って、彼に手渡すと、
「平安時代? それに、これキリギリスとは違うよ。コオロギだよ」と軽くいなされてしまった。
本の中では蟋蟀にキリギリスとルビがふってあったので、私はキリギリスだと言いはったのだが、小学生のドン次郎も譲らなかった。旺文社の学芸百科辞典で調べてみると、平安時代にキリギリスといったのは、コオロギのことで、キリギリスは「機(はた)織る虫」「機織女(はたおりめ)」といわれていた、とあった。
ドン次郎の方が正しかったのだが、私もキリギリスと言い張った手前、格好がつかなかったので、これはコロギスというのだと折衷案で誤魔化してやった。コロギスはコオロギとキリギリスの両方に似ているのでドン次郎の顔も私の顔も立つと思ったのだが、彼には大人のそんな綾は伝わらないようだった。
彼は、今でもあれはコオロギだったと思っているようだ。下ピーのお返しの虫はほどなく死んでしまったのだが、平安時代の生きものなので、標本にして大事にとってある。その時、コオロギのことはかなり調べていたので、答はすぐにわかった。これは、ドン次郎様々である。
さあ、あなたにはわかったでしょうか?
次は蜘蛛の糸の番である。百科辞典によると、蜘蛛でも種類により、網を張るものと張らないものがあるようだ。蜘蛛の網のたて糸はねばつかないが、よこ糸は粘液の粒がついていて、べとつくらしい。他の昆虫は、その縦のねばつく糸にひっかかるが、蜘蛛自身は足の裏から油を出してひっかからないようにしているという。
龍はんの「蜘蛛の糸」から、クイズを解くことにした。蜘蛛の糸に関する記述を羅列してみた。
美しい銀色の糸
そっと御手に御取りになって、・・・まっすぐにそれを御下しなさいまし。
銀色の蜘蛛の糸が、・・・一すぢ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて・・
この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、・・・
蜘蛛の糸を両手でしつかりとつかみながら、・・・上へ上へとたぐりのぼり・・・
一たぐりも・・・
糸の中途にぶら下がりながら、・・・
両手を蜘蛛の糸にからみながら・・・
蜘蛛の糸の下の方には、・・・上へ上へと一心によぢのぼって来る・・・
自分一人でさへ断れさうな、この細い蜘蛛の糸が、・・・重みに堪へる事が出来ませう 途中で断れたと・・・
細く光っている蜘蛛の糸を・・・のぼって・・・
糸はまん中から二つに断れて、・・・
この蜘蛛の糸は己のものだぞ。
蜘蛛の糸が、・・・ぷつりと音を立てて断れました。
蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、・・・短く垂れている・・・
ウーン・・・・・
そうか! わかった! みなさんは、どうですか?
そう言えば、あちこちからブツブツはんへの苦情・苦言の投書が「縄通」ネットに寄せられていた。ここで奈良県上北山村に住む土の子、土ッチンからのものを紹介してみよう土の子、土っちんは土地族の代弁者でもある。
蓮の花は、泥沼に咲くスイレン科の多年生水草のクセに、自分ばかりがいい子ぶっている。
「ハスは泥中から汚れのない花を開くので、俗塵に染まない君子の花」などと呼ばれて優遇されてもいる。それに比べて泥は汚い、汚れているなどと不当な扱いを受けているが、蓮の花も泥も切り離し出来ない一体のものだ。泥なくして、ハスの存在はありえないし、また泥だけでは泥以上のものになり得ない。
両者をもっとシステム的にとらえて泥の見直しもして欲しいし、そういう認識も新たにして欲しい、ということであった。指摘されてみると、まさにその通りだ。土ッチンの言い分もよくわかる。カンちゃんを通して、ブツブツはんに伝えて貰うことにしよう。
もう一つ紹介しておこう。等活地獄の幹部、かってのオレの飼い牛、ンモ坊からのものである。もちろん匿名希望とあった。ブツブツはんは、暇にまかせて、蜘蛛糸釣りをするものだから、その切れ端が地獄に落ちてきて公害問題になっている。何しろ、相手はエライはん、私らに口出しは許されていない。
誰かいい知恵ないですか、というものである。これも指摘されてみると、まさにその通り。それにしても、今だに自由にモノが言えぬ世界が現実に存在しているのかと思うと、はなはだ残念である。もっともっと民主化を進める必要性があるように思う。そうは言っても、私は部外者だから、冷ややかに眺めているだけの存在にすぎないのだが・・・
これもちらっとカンちゃんを通して言うことに決めた。
残りは、アンナOさんの蜘蛛の糸のクイズ解きである。こちらの方 は、
ほしいままに蓮のうてなに巣をかけまくっていた、とあった。
うん、そうか!
クイズの答ができたので、早速カンちゃんを通して、ブツブツはんへのメールを送ることにした。
つづく