copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
平成の初めの頃。
* イニシャル・セット
御み頭のクリアー、謹んでお願い申しあげます。
* 時限純愛ゲーム
オレは、3才の時から、妻のOさんに恋してる。
だから、もう40年以上も恋してることになる。
これは、もう異常だ。
普通の頭ではない。
人生の中間点?
これがまたクセものである。
トータルの寿命など誰にもわからないのに、
何で40が真中なのか?
80まで、このオレが生きると、どこのどなたが
保証してくれると言うのか!
だが、いちいちゴネていると話が進まないので、
やっぱり80ぐらいで手を打とう。
すぐに妥協するくせに、反対意見を述べないと
気がすまない、コノ悪癖。
40過ぎても治らないのか!
その中間点を越えるというのに、{3つ子の魂}を
いつまでも持ち続けるのは、進歩がない。
この調子でいけば、100才までも持ちかねない。
何という固定観念!
何というド石頭!
また最近では、Oさんとの仲もマンネリ化してしまっている。
愛とか、恋とかには、ほど遠い世界に落ち込んでしまった。
3人も子供が生まれ、朝から晩まで、月曜から日曜まで、
ばっちりと家族の世話と内職に明け暮れるOさんには、
心の余裕など無くなってしまっている。
朝の戦場をてきぱきと取り仕切るOさんは、まさに女傑そのもの。
髪を振り乱し、家族の為に身を粉にして働いている。
毎朝6時前に起きて、高校生の長女のマイカと
長男のドン太郎の弁当作り、朝ご飯の用意、
次男のドン次郎の時間割りの確認に着替えの手伝い、
マイカの髪のセットの手伝い、学校の連絡事項の記入に、
アイロンがけ、3台の自転車の用意に、
と数えあげたらきりがない。
あれでは目が回るはずだ。
小さい時から、子供の世話を焼いてきたことを
いつまでも持ち越して来ている。
適当な所で、頭の切り替えをしなければならないのに、
中々出来ないでいるのだろう。
それが余計に自分の首を絞めているのに直そうとはしない。
そういう点は頑固ちゃん丸出しの性格をしている。
皆を送り出した後は、食事の後片付けをして4.5kgの
洗濯機を2回は回す洗濯物の山に、皆の部屋の掃除。
終われば、これまた買物の洪水。
その上皆からの頼まれごとが色々とある。
買物から帰って、昨晩の残り物で昼飯を軽く済ませ、
夕食の下準備。
そうこうしているうちに、内職の時間になる。
その合間を縫って洗濯物の取り込みに、夕食の支度。
内職は,大体8時までは続く。
少し遅目の夕飯を食べ、後片付けをし、風呂に入れば、
10時に近い。
弁当の下づくりをし、1日を終えれば、もうクタクタに疲れている。
当然不機嫌な日が多い。ぷっつんもよくする。
相手はもちろんこのオレ。
子供には、あまりぶつけないが、オレには容赦をしない。
オレには何を言ってもかまわないという
暗黙の了解があるからだ。
若い頃はよく病気をし寝込むことも度々あったものだが、
最近では丈夫そのもの。
元気いっぱいの主婦をこなしている。
そんなOさんに、恋だの愛だの通じるはずがない。
そんな言の葉を吐こうものなら、
「中年の色気違い」扱いをされるのが落ちだ。
でもオレはいつまで経っても、
3才の頃の恋心をOさんに対して抱き続けている。
この何たるミスマッチ!
そこで、日頃のマンネリを打破し、
Oさんから若い頃の情熱を引き出し、
オレに関心を抱かせ、嫉妬の炎を燃やさせるために、
ある事を思いついた。
それは、ワープロ(=パソコン)通信を通して
「純愛」ごっこをするのだ。
ワープロの画面の前で特定の相手を選んで
言葉だけで恋愛ごっこをする。
そして、その通信内容をプリントアウトし
Oさんに見せつける。
メラッ、メラメラメラ!
Oさんが嫉妬する。
子供たちの為に、1/4に削られた、
オレへのメモリー領域が、拡がる。
Oさんの吐き出す嫉妬の炎。
オレが全然もてなく、浮気など出来るような人間でないのを
知っているから、嫉妬(やきもち)など焼いたことはない。
その嫉妬を焼く姿が見られるぞ。
その炎で大福餅を焼いて食べてやろう。
きっと、旨いぞ!
考えただけでも涎が出てくる。
ヤルゾー!
オレは、早速、ワープロ通信「縄通」ネットの主催者も兼ねている、
屋久島に住む樹齢2,500年という縄文杉のジョジィに、
許可願いのメールを送っておいた。
別に、1対1の関係なので、許可などは要らないのだろうが、
主催者に連絡するのが、一応の礼儀だろう。
それにジョジィに盗み見されて、飼い犬のコロを通して、
Oさんに変な伝わり方をしても困る。
Oさんを怒らせると後が恐い。
これは、あくまでも、お遊びなのだから、公開でゆこう。
ジョジィから、詳細を知らせろとの返信が入ってきた。
ヤレヤレ、いつもながら、うるさいジィさん。
お遊びなのに、そんな堅苦しいこと抜きにしようぜ、
と言ってもやりたいでも仕方ない。
考えるとするか。
つづく
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
平成の初めの頃。
* イニシャル・セット
御み頭のクリアー、謹んでお願い申しあげます。
* 時限純愛ゲーム
オレは、3才の時から、妻のOさんに恋してる。
だから、もう40年以上も恋してることになる。
これは、もう異常だ。
普通の頭ではない。
人生の中間点?
これがまたクセものである。
トータルの寿命など誰にもわからないのに、
何で40が真中なのか?
80まで、このオレが生きると、どこのどなたが
保証してくれると言うのか!
だが、いちいちゴネていると話が進まないので、
やっぱり80ぐらいで手を打とう。
すぐに妥協するくせに、反対意見を述べないと
気がすまない、コノ悪癖。
40過ぎても治らないのか!
その中間点を越えるというのに、{3つ子の魂}を
いつまでも持ち続けるのは、進歩がない。
この調子でいけば、100才までも持ちかねない。
何という固定観念!
何というド石頭!
また最近では、Oさんとの仲もマンネリ化してしまっている。
愛とか、恋とかには、ほど遠い世界に落ち込んでしまった。
3人も子供が生まれ、朝から晩まで、月曜から日曜まで、
ばっちりと家族の世話と内職に明け暮れるOさんには、
心の余裕など無くなってしまっている。
朝の戦場をてきぱきと取り仕切るOさんは、まさに女傑そのもの。
髪を振り乱し、家族の為に身を粉にして働いている。
毎朝6時前に起きて、高校生の長女のマイカと
長男のドン太郎の弁当作り、朝ご飯の用意、
次男のドン次郎の時間割りの確認に着替えの手伝い、
マイカの髪のセットの手伝い、学校の連絡事項の記入に、
アイロンがけ、3台の自転車の用意に、
と数えあげたらきりがない。
あれでは目が回るはずだ。
小さい時から、子供の世話を焼いてきたことを
いつまでも持ち越して来ている。
適当な所で、頭の切り替えをしなければならないのに、
中々出来ないでいるのだろう。
それが余計に自分の首を絞めているのに直そうとはしない。
そういう点は頑固ちゃん丸出しの性格をしている。
皆を送り出した後は、食事の後片付けをして4.5kgの
洗濯機を2回は回す洗濯物の山に、皆の部屋の掃除。
終われば、これまた買物の洪水。
その上皆からの頼まれごとが色々とある。
買物から帰って、昨晩の残り物で昼飯を軽く済ませ、
夕食の下準備。
そうこうしているうちに、内職の時間になる。
その合間を縫って洗濯物の取り込みに、夕食の支度。
内職は,大体8時までは続く。
少し遅目の夕飯を食べ、後片付けをし、風呂に入れば、
10時に近い。
弁当の下づくりをし、1日を終えれば、もうクタクタに疲れている。
当然不機嫌な日が多い。ぷっつんもよくする。
相手はもちろんこのオレ。
子供には、あまりぶつけないが、オレには容赦をしない。
オレには何を言ってもかまわないという
暗黙の了解があるからだ。
若い頃はよく病気をし寝込むことも度々あったものだが、
最近では丈夫そのもの。
元気いっぱいの主婦をこなしている。
そんなOさんに、恋だの愛だの通じるはずがない。
そんな言の葉を吐こうものなら、
「中年の色気違い」扱いをされるのが落ちだ。
でもオレはいつまで経っても、
3才の頃の恋心をOさんに対して抱き続けている。
この何たるミスマッチ!
そこで、日頃のマンネリを打破し、
Oさんから若い頃の情熱を引き出し、
オレに関心を抱かせ、嫉妬の炎を燃やさせるために、
ある事を思いついた。
それは、ワープロ(=パソコン)通信を通して
「純愛」ごっこをするのだ。
ワープロの画面の前で特定の相手を選んで
言葉だけで恋愛ごっこをする。
そして、その通信内容をプリントアウトし
Oさんに見せつける。
メラッ、メラメラメラ!
Oさんが嫉妬する。
子供たちの為に、1/4に削られた、
オレへのメモリー領域が、拡がる。
Oさんの吐き出す嫉妬の炎。
オレが全然もてなく、浮気など出来るような人間でないのを
知っているから、嫉妬(やきもち)など焼いたことはない。
その嫉妬を焼く姿が見られるぞ。
その炎で大福餅を焼いて食べてやろう。
きっと、旨いぞ!
考えただけでも涎が出てくる。
ヤルゾー!
オレは、早速、ワープロ通信「縄通」ネットの主催者も兼ねている、
屋久島に住む樹齢2,500年という縄文杉のジョジィに、
許可願いのメールを送っておいた。
別に、1対1の関係なので、許可などは要らないのだろうが、
主催者に連絡するのが、一応の礼儀だろう。
それにジョジィに盗み見されて、飼い犬のコロを通して、
Oさんに変な伝わり方をしても困る。
Oさんを怒らせると後が恐い。
これは、あくまでも、お遊びなのだから、公開でゆこう。
ジョジィから、詳細を知らせろとの返信が入ってきた。
ヤレヤレ、いつもながら、うるさいジィさん。
お遊びなのに、そんな堅苦しいこと抜きにしようぜ、
と言ってもやりたいでも仕方ない。
考えるとするか。
つづく