入院直後の検温は自分で体温を確かめる暇がなかったのですが(すぐ取り上げられるので)、
ベッドから起き上がれるようになって自分で検温をするようになって、
ようやく自分の体温を確認することができたのですが、
なんと38.8度もありました
風邪ではないので頭痛や寒気などの症状はありません。
実はこれは吸収熱で、手術でおなかの中にたまった血を
体が吸収して出ている熱なんだそうです。
この吸収熱が下がったら、入院4日目=月曜日に退院できるとのことでした。
個室料のこともあるし、ベッドも硬いし夜もうるさくて眠れないので
月曜日に絶対退院してやると気合を入れて日曜日を迎えます。
この日の午後は母と一緒に妹がお見舞いに来てくれました。
しかしこのペアがかなりの曲者で、
二人でアホみたいなやり取りをするのでついつい笑わされるのですが
笑うとお腹がものすごく痛むのです
お腹が痛いから笑わせないでと頼みますが、天然+ちょっと故意が入って
しょっちゅう笑わされました
でもまあこの痛みのおかげで、「くしゃみをしたら絶対激痛が走る」と予想できたので
くしゃみが出そうになったら鼻をつまんで対処できたので、多少収穫はありました。
妹に「花粉症の時期じゃなくて良かったね」と言われましたがまさにその通りでした
お尻の痛みを母に訴えて「明日旅行用のエアークッションを持ってきて」
と頼んだところ、ふと車の中にネックピローがあったことを思い出して
すぐに持ってきてもらってお尻に据えてみると、大分痛みが緩和されました。
ネックピローなのでお尻全体はカバーされませんが、ないよりマシでした。
検温では相変わらず38.8度の状態が続き、解熱鎮痛剤(カロナール)を飲みました。
身体を動かすときの痛みも和らぐし、熱も37度台まで下がるので一石二鳥です
氷枕も持ってきてもらって、これで明日までに熱も下がるだろうと思って
廊下の外の騒音に耐えてなんとか睡眠を確保します
翌朝。運命の月曜日。
薬の効果が切れた状態で検温をすると、38.8度に戻っていました
傷の痛みの方は、手すりに頼らなくてもゆっくり歩けるほどには回復していましたが
この熱ではちょっと様子を見たほうがいいということで
術後5日の抜針(お腹の傷は糸ではなくホッチキスで留めてありました)まで退院が延びてしまいました
さらに、ちょっと貧血の検査もしてみましょうということで、
朝から血を抜かれてしまいましたが、ちゃんと血管に刺さっているのに
どういうわけか血が出てこなくて、結局3回も針を刺されました
この一週間で身体に開いた針の穴は・・・9個
貧血検査の結果、鉄欠乏性の貧血だったので、
食事が鉄分強化メニューになりました。
熱のせいか、それとも味のせいか、また食欲がなくなっていたので
飲み物中心の鉄分強化メニューになりました。
ラ・フランスジュースとか、コーヒー牛乳(ノンカフェイン)とか
プルーン味の飲むヨーグルトとか、いろんな種類がありましたが、
大抵通常メニューのデザート(フルーツ)に置き換えられてしまい、
「フルーツなら食べられるのに~」とかなり悔しい思いをしました。
この日は母に旅行用のエアークッションを持ってきてもらって、
ベストな状態に膨らませてもらったので一番ぐっすりと眠れました。
お腹の痛みも結構引いてきたので軽く寝返りも打てるようになりました
入院5日目の火曜日。相変わらず熱との格闘が続きましたが、
もう一つ別の敵が現れました。それは髪の毛のクサさです
母曰く「オードリーの春日みたい」なベッタリした髪の毛になっていました
お風呂に入っていないので身体も同様に汚いですが、
一応毎日蒸しタオルでゴシゴシ拭いていたのでかゆみなどはありませんでしたが、
頭だけはどうにもいかず、段々とフケも出始めてしまいました
そこで登場したのが拭くだけのシャンプー
ウェットティッシュのような紙タオルで髪の毛を拭くとシャンプーの代わりになる
というもので、母が探して買ってきてくれました。
これで毎日髪の毛をゴシゴシ拭いてブラッシングをしてもらい、
最悪の状態は免れましたがやっぱりべっちゃりのままで早く帰りたかったです
熱さえ下がれば病院内でシャワーも浴びれるという話でしたが。。。
回診のときに、「明日は抜針ですよ」と言われ、
「まだ熱があるので退院は抜針後に様子を見て決めましょう」と言われ、
「様子を見て」という言葉に引っかかりましたが、
まあ明日問題がなければ退院できるんだろうなと思い、
やっと家に帰れるとルンルン気分で夜を迎えました。
相変わらず夜の病院はうるさかったですが、家に帰ってからぐっすり眠ればいいや
とあまり無理して眠ろうとはしないで、廊下で繰り広げられるやり取り
(入院36週目の妊婦さんが緊急入院になったり、
お産中のママを「待ってるぅーー」と叫び続ける子供がいたり、
赤ちゃんが産まれてパパやジジババが「かわいいね~」と感動したり、
陣痛に耐え切れず「イヤ~」とか「アーー」とか叫び続ける妊婦さんがいたり)
をひそかに聞いて人間模様を観察していました。
入院6日目の水曜日。この日は術後5日目にあたるので、いよいよ抜針の日です。
そして待ちに待った退院の日
まずは、ずっと熱が下がらないので感染症がないか血液検査をして、
針を抜くときは処置室に連れて行かれるのかな?と思ったら
病室のベッドの上でハサミのようなもので一本一本抜いて
消毒で傷口を洗うという思ったよりもずっと簡単な処置でした。
なので、主治医(因みに4人いました)ではなく研修医の女の子が抜きました。
おへそと左側の傷は殆ど痛みを感じませんでしたが、
腫瘍摘出のために一番大きな穴を開けられた右側は
針の数も多くてかなり痛かったです
処置が終わって主治医の先生に「もういつでも好きなときに退院できますよ」
と言われ、「じゃあ今日でお願いします」と言ってみたところ、
「手続きの関係で当日はちょっと無理です」と言われてしまいました
今日退院できると思っていたのにかなりショックを受けました
気を取り直して最速で明日の午前中退院ということでお願いしました。
すぐに母に電話して(個室なので思う存分携帯が使えました。最も産婦人科病棟なので皆普通に使ってましたが)
退院が明日に延びたと連絡して、もう1日分タオルや下着を持ってきてもらいました。
夕方になって、あまりにも熱が下がらないのでエコー検査を受けました。
車椅子で運ばれて産婦人科外来まで向かいます。
すぐに検査室に入れてもらい、ベッドに横になって検査を受けます。
針を抜いたばかりの傷口の上からグリグリ押されるのでかなり痛かったです
主治医の女性の先生二人で診察してくれましたが、
4cm×4cmくらいでお腹に血がたまっているらしく、
特に発熱が続く原因が見当たらないのでもう一人の男性の主治医
が登場し、一緒になって画面を見ましたが
「もう痛みもないみたいだし心配ないでしょ」と、感染症の疑い等も否定されました。
また車椅子で病室まで戻りましたが、
ちょっと寒気を感じて、熱を測ってみたらまた熱が37.8度まで上がってしまい
担当看護師のNさんに「も~すぐに熱出すんだから~」と呆れられましたが
(でもお昼食べた後に37.5度に上がったので、薬をくださいと頼んだのに
忘れて持ってきてくれなかったNさんにも多少の責任はあると思うんですが・苦笑)
退院は決定したので熱があろうが痛みがあろうが明日にはようやく家に帰れます
この日の夜は、またお尻の痛みが再発して、
エアークッションを据えていても尾骶骨が痛くて散々な夜でした
入院7日目の木曜日(4/30)。前日の夕食後に薬を飲んで
氷枕が解けるたびにナースコールをして新しいものに取り替えてもらって
万全の解熱体制をとったものの、あまりよく眠れなかったのでまた熱が37度になりりました。
でももう退院は決まっているので心は晴れやかです
朝食まではいつもと同じ流れでしたが、
朝食後にまず薬剤師さんが来て薬(解熱鎮痛剤と貧血用の鉄剤)をくれて、
次に事務員の方が来て請求書を手渡されました。
恐る恐る中身を見てみると・・・総額約23万円でした
覚悟はしていましたが実際に目にするとズシンと来る金額です。。。
今年はボーナスでパソコンを買い換えようと思っていたのに・・・
(まあこれじゃやり切れないので、来年の海外旅行を我慢してパソコンは買います・涙)
自分は絶対に大きな病気なんかしないと思い込んでいたので
保険にも入っていなかったので全額自腹です
母に迎えに来てもらい、蒸しタオルを頼んで身体を拭いてから洋服に着替え、
会計で治療&入院費を支払い(カードで2回払いにしました)、
ナースステーションで入院中に着けられていた腕輪
(生年月日・名前・ID番号・バーコードがついたもの。因みに手術前にバーコードを読み取られました。)
をハサミで切ってもらい、Nさんを始め、お世話になった看護師さん
たちに見送られながらエレベーターに乗り、病院の外へ。
いつの間にか初夏の日差しになっていて浦島太郎気分を味わいました
1週間ぶりに帰宅して、すぐにお風呂場に直行
熱いシャワーを浴びて念入りに髪の毛を洗い(ようやく春日を卒業してサラサラヘアに)
傷口を避けて身体も洗って1週間ぶりの垢を落とし、ようやくサッパリしました
昼食には、入院中に届いていた花畑牧場の
カチョカヴァロピッツァと生キャラメルピッツァを食べて至福を味わいます
その後、自分の柔らかいベッド(病院と比べたらヘブンリーベッドそのもの)で
一寝入りしたら、買い物帰りに母が退院祝いにケーキ屋で
桃のムースを買ってきてくれて、天にも昇る気分になりました
夕飯は予めリクエストしておいた豚のしょうが焼き
でも昼間に食べ過ぎてしまったので3分の1ほど残してしまいました
食後すぐに鉄剤を飲みますが、薬剤師さんに言われたとおり、
飲みなれていないのでちょっと気持ちが悪くなり、
2週間前の悪夢再びかと思われましたがしばらくすると落ち着いて
ぐっすりと眠ることができました
自宅のベッドの唯一の難点は柵がなくてつかまれないことですが、
帰宅翌日には手すりがなくても起き上がれるようになり、
傷の痛みは飛躍的に解消されました。
今回急な手術&入院を体験して、
健康の重要性を痛感しましたが、そのほかにも気付いたことがあります。
まずは家族のありがたさ。
手術の当日には父も仕事帰りに駆けつけてくれて、
弟も心配してネットで卵巣嚢腫について色々検索したり、
お見舞いに来ようとしてくれて(婦人科なのでいいよと母が止めました)、
妹もお見舞いに来て腹が痛いというのに「病気には笑ったほうがいいよ」
と笑わせてくれて、皆が色々と気遣ってくれました。
そして母は毎日お見舞いに来てくれて、春日のような髪の毛を
一生懸命ブラッシングしてくれて、麻酔の後遺症で
肩が痛いときにはずっとさすってくれたり、
食事のフルーツを取り上げられて鉄分ジュースにされたと訴えたら
自宅から苺やオレンジを持ってきてくれて、色々と面倒を見てくれました。
家族と離れて一人暮らしをしていたらこんなことは無理だったので、
これからも愛すべき家族と一緒に実家暮らしを続けたいと思います
そして友人達の気遣いも大きな元気をくれました。
手術&入院ということを知って、皆が私の大好きなディズニーの電報を送ってくれました。
我が家で私の帰りを待っていたのは・・・
両手に花のミッキーでした
ミニーが2体だけど意外とバランスが取れて気に入ってます
その他にもお見舞いに来ようとしてくれたり(臭いのでやめてもらいましたが)
何か必要なものがあったら届けると言ってくれたり。
そして、このブログにもたくさんコメントをいただいて、
いろんな人に心配してもらって自分は本当に幸せだと痛感しました。
今後も健康第一で家族と友情を大事にしていきたいと思います
今回心配してくれた人&お世話になった人全てに感謝の気持ちを送ります。
本当にどうもありがとうございました
元気になって本当に良かったです。
早く完全に回復して、山登りを楽しんでください。
私事ですが、GWの鳳凰三山の感想を簡単に述べたいと思います。
鳳凰三山へは、夜叉神峠登山口から入山し、南御室小屋に宿泊、
2日目は、薬師岳、観音岳に登り、夜叉神峠登山口に下山という工程でした。
山火事跡を過ぎて苺平への登りになると雪が急激に増えてきました。
苺平では積雪1mくらいあったと思います。
薬師岳小屋は完全に埋まっていました(笑)
稜線は雪がありましたが、危険なとこはなかったです。
天候にも恵まれ、白根三山、富士山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、八ヶ岳が見えました。
特に白根三山は手が届きそうなくらいでした。
今年は白根三山を縦走したいと考えています。
入院中もいつもどおりメールの返信がすばやかったから、こんな大変なことになっていたとは想像できず、、しかしみなさんも言っているとおりその記憶力には本当に脱帽です!ここまで詳細な入院リポートって初めて読みました。そして私の病院恐怖症に拍車がかかりました。。ふぇぇぇ。。
しばらくゆっくりしておいしいもの食べてね
私は今日術後検査を受けてきて、痛みが引くまで1~2ヶ月かかるといわれ、今年の夏はちゃんと山に登れるかどうかかなり不安です
なんだか手術終わって昔より若干食欲が落ちた気がしますが、まあ今までは食べすぎなくらいだったからこれからは美味しいものを腹八分目くらいで満喫したいです
本当に実家暮らしでよかったです!mameさんは実家が近いからもし都会で入院しても大丈夫そうですね。