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横山秀夫著/クライマーズ・ハイ
先日のミッドナイト・イーグルに引き続き、山が舞台の本を読みたくなって購入しました
日航ジャンボ機墜落事故と、谷川岳衝立岩登攀を絡めた作品。
最初からグッと引き込まれたミッドナイト・イーグルとは違い、
こちらはなかなか作品の世界に入り込めませんでした。
主人公の悠木を取り巻くドロドロとした人間関係。
そして悠木や他の登場人物たちの人間的弱さ。
読んでいてスカッとするような流れではないのです
でも。
日航墜落事故の報道が架橋に入っていくに従い、
また、悠木と一緒に衝立岩に登る予定だった安西が倒れた状況が判明するに従い、
自然とこの本の世界に引き込まれていきました。
クライマーズ・ハイ。
極限の興奮状態で恐怖感が麻痺するという状態。
私はクライマーではなくトレッカーなので、
登山中にそうそう極限状態は訪れませんが、
落ちたら間違いなくあの世行きの危険なスポットを通過することはあるし、
実際に崖から落ちかけたことも何度かあります。
そんなときに恐怖で体が動かなくなったことはないので、
もしかしたら一種のクライマーズ・ハイ状態になっているのかも?
悠木がクライマーズ・ハイから醒めて恐怖に陥ったとき、
それを救ってくれたのは家族の絆でした。
この辺でちょっとジーンときてしまいました
何のために山に登るのか。
山岳小説の永遠のテーマですね。
安西は「下りるために登る」といっています。
その真意を悠木なりに探っていき、とうとう答えが出るのですが、
それはかなり深い内容でした。
私が山に登る理由は・・・
美しい景色をこの目で見て、それを写真に収めるのが楽しいから、です。
あとは青空に少しでも近づくのがなんか嬉しいから、ですかね
映画版やNHKのドラマ版もあるようなので機会があったら見てみたいと思いますが、
主人公の悠木は堤真一とか佐藤浩市ほどかっこいいイメージじゃないので、
自分が描いたイメージとのギャップにとまどいそうです
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