065:城

城跡に降る雨の音しみていく迷い続ける胸の亀裂に . . . 本文を読む

064:科学

あてもなく心が迷走するわけを実証可能か人間科学 . . . 本文を読む

063:鬼

鬼菅（おにすげ）のツンツン尖った棘の先柔らかすぎる心を隠す . . . 本文を読む

062:風邪

風邪ひくと二分だけ高く熱を出し死んでしまうと先に寝る君 . . . 本文を読む

061:じゃがいも

ソラニンで死んでしまえるはずもなくじゃがいもの芽を穿つ真夜中 . . . 本文を読む

060:影

帰り路あなたの影を踏んでみる掴まえられるはずもないのに . . . 本文を読む

059:十字

十字路の上に巨大なバツひとつ私のことかと見上げている雲 . . . 本文を読む

058:剣

私とて言葉の剣で刺すことがあるかもしれず返せぬメール . . . 本文を読む

057:制服

日曜日制服姿のペンギンは隊列組んで雪乞いをする . . . 本文を読む

056:松

夏の庭日差しに笑う松葉菊降り注ぐ青受けとめている . . . 本文を読む