一個の写真機械でも
その性能を完全に知って、
その写真機のもっているすべての能力を
完全に駆使するためには、
滅多矢鱈(めったやたら)に写してみるだけでは足りないのである。
同じ名前のカメラでも
すべて一つ一つに
それ自身の癖とか片寄りとかというものがあって、
それを巧(たく)みに使いこなせば、
その癖が美点となり、
そのカメラならでは撮影し得ないような立派な作画を
得ることができるのである。
それと同じく人間には、同じ人間であっても、
その体質には色々あり、
甲の人に適するものが、必ずしも乙の人に適しないこともある。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年三月号
「 完全なる生活設計 」 二十三日の法語 谷口雅春先生