見事な出足、
鮮やかな引き足
サッと行い、サッと終えると、
効率は上がり、仕事も早い。
切れのいい仕事が、明日への活力を呼ぶ。
イチローのつぶやき part20
「命とは君たちが持っている時間である」
日野原重明(聖路加国際病院名誉院長)
僕はいま人生において最も大切だと思うことを、次の世代の人に伝えていく活動を続けているんです。
その一つとして僕は二年前から二週間に一回は小学校に出向いて、十歳の子どもを相手に四十五分間の授業をやっています。(中略)
僕が一貫してテーマとしているのは命の尊さです。
難しい問題だからなかなか分からないけれどもね。
でも「自分が生きていると思っている人は手を挙げてごらん」
と言ったら、全員が挙げるんです。
「では命はどこにあるの」って質問すると、心臓に手を当てて「ここにあります」と答える子がいます。
僕は聴診器を渡して隣同士で心臓の音を聞いてもらって、このように話を続けるんです。
「心臓は確かに大切な臓器だけれども、これは頭や手足に血液を送るポンプであり、命ではない。
命とは感じるもので、目には見えないんだ。君たちね。目には見えないけれども大切なものを考えてごらん。空気見えるの? 酸素は? 風が見えるの?
でもその空気があるから僕たちは生きている。
このように本当に大切なものは目には見えないんだよ」と。
それから僕が言うのは
「命はなぜ目に見えないか。それは命とは君たちが持っている時間だからなんだよ。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう。どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい」ということです。
僕の授業を聞いた小学生からある時、手紙が届きましてね。
そこには「寿命という大きな空間の中に、自分の瞬間瞬間をどう入れるかが私たちの仕事ですね」と書かれていた。
十歳の子どもというのは、もう大人なんですよ。
あらゆることをピーンと感じる感性を持っているんです。
僕自身のことを振り返っても、十歳の時におばあちゃんの死に接して、人間の死というものが分かりました。
子どもたちに命の大切さを語り続けたいと思うのもそのためです。