誉田哲也著 「ヒトリシズカ」。。。
同じ警察小説の「姫川玲子」シリーズとも「ジウ」シリーズともまた違う傑作連作小説。
主人公はあるひとりの女性。
しかしこの主人公がほとんど顔を見せない。
各章ごとの事件の背後にチラっと見え隠れする程度。
しかしこのチラリズムが絶妙でぐいぐい物語に引き込まれてしまう。
最初はまったく別々のものに思えた事件が少しずつ繋がりを見せ、それまで見えなかった主人公の全体像が見えてくる。
そのまるでジグソーパズルを完成していくかのような過程がぞくぞくする。
ひっそりと野山に咲く小さな花‘ヒトリシズカ’。
重く哀しくて、そして切ない物語です。