「風の中のマリア」百田尚樹
日本最強の昆虫、オオスズメバチの生態とその帝国の栄枯盛衰を描いた傑作小説。
主人公のマリアはオオスズメバチの帝国に生まれた戦士(ワーカー)。
わずか30日足らずの命を恋もせず、子も産まず、帝国の繁栄のためにひたすら燃やし続ける。
帰還、未帰還とか偵察、戦闘隊形とか「永遠の0」の零戦とだぶってみえるのも百田さんならでは(笑)
持って生まれた宿命、命のはかなさ、子孫繁栄の執念・・・
人間に置き換えられる部分も多く、なかなか考えさせられる作品です。
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オオスズメバチ
学名Vespa mandarinia(ヴェスパ・マンダリニア)
スズメバチ亜科の中で最大のスズメバチ。日本、中国など東アジアに分布。
体長は女王バチが45~50ミリ、ワーカー(ハタラキバチ)が25~40ミリ、オスバチが30~45ミリ。
非常に獰猛で攻撃性も攻撃力も極めて高い。
他の昆虫を襲って幼虫のエサにする。
大顎の力は強力で、固い甲虫類の甲殻をも噛み砕くことができる。
また太い針から噴出される毒液は大型の哺乳動物をも殺傷する力がある。
秋の繁殖期にはミツバチや他のスズメバチの巣を集団で襲い、サナギと幼虫を奪い取る。