「ガラパゴス」 相場英雄
警視庁捜査一課の田川刑事は、自殺したとされる身元不明者の男が他殺だったことを看破する。
調べを進めるうちに、その男性が沖縄宮古島出身の派遣労働者だと判り、かつて勤務していた各地を訪れるのだがそこで目にしたものは、国際競争に取り残され、島国で独自の進化を遂げる国内主要産業の実態だった。
正規と非正規、搾取する者とされる者・・・
一度歯車が狂うと二度と這い上がれない現実。
こんなに残酷で哀しい殺人動機があったであろうか。
現代の生き地獄を暴露する、とても切なく、そして考えさせられる傑作。
「震える牛」に続く必読の書です。