牡丹に蝶のブログ

政治・経営・宗教的な話に興味があります。過去から現在までの出来事とかを綴ってみたいなと思います。

東京新聞社説

2014-01-23 22:56:33 | 選挙


東京新聞社説欄からです

東京都知事選


岐路に立つ原発文明
 きょう告示の東京都知事選では、国の原発政策とどう向き合うかが大きな争点だ。これからの暮らし方、子孫に何を残すか、中央と地方の問題…。大げさに言えば、文明観の戦いでもあるだろう。
 人口は日本全体の一割を超す千三百万人。スウェーデンやインドネシアの国家予算に匹敵する十二兆円の予算規模。東京は自治体としては桁外れに大きな存在だ。
 その一極集中型の発展を支えてきたのは、東京電力がほぼ独占的に賄う電気である。日本の成長エンジンとして、消費量は全国の一割ほどを占めて最多だ。
 この膨大なエネルギーの供給源を求めて原発に回帰するのか、それとも脱原発に転換するのか。福島での事故を顧みて、日本はどう考えるのか、今都知事選で提起された重い問いである。
 グローバル競争を勝ち抜き、文明の一層の飛躍を期すために原発を動かす。核廃棄物は将来世代に付け回す。そういう考えもある。
 その一方で、成長より自然との末永い共存を選びたいという思いもあるだろう。原発を捨てて再生可能エネルギーや省エネ、節電を広げる。
 両極の間で、有権者の心は揺れ動くかもしれない。
 その意味では、都知事選の影響は全国に波及するに違いない。立候補者は東京エネルギー論を具体的に語ってほしい。
 エネルギー政策は国政の課題だとして、地方選での争点化を否定する声もある。しかし、国が結果として招いたのは、福島の破壊であり、東北や関東一円の放射能汚染の危険や風評被害だった。福島原発の一大消費地は東京だった。
 その厳しい現実を教訓に、住民が自らの地域の在り方を思い描き、足元の選挙で意思を示す。それも地方自治に違いなく、民主主義の手続きとして当然である。
 外交や安全保障が国策だとしても、先の沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の移設受け入れの是非が最大の争点になったのも同じ文脈にあった。中央と地方は実は切り離せない。
 立候補予定の有力四人の原発考は多彩だ。脱原発を志向するのは、細川護熙元首相、宇都宮健児前日弁連会長、舛添要一元厚生労働相。それぞれの主張がある。田母神俊雄元航空幕僚長は原発推進派だ。
 五輪・パラリンピックの準備をはじめ都政の課題は山積みだ。しかし、原発に対する住民の姿勢だけは、首都と国の行方さえも左右し得ることを自覚しておきたい。


http://info.chunichi.co.jp/tokyo/cms/np_soku_kiji_i.php?file=CK2014012302000163_1.xml&genre=kei_tky_tco_tksha&title=%8E%D0%90%E0&uid=NULLGWDOCOMO


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