小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

ボストン・グレイテスト・ヒッツ―"A band we'll never be"

2006-10-25 23:57:24 | 音楽
雨上りの秋空。昨夜は飲んでタクシーで帰ったので自転車で車を取りに。刈入れの済んだ田んぼに水がたまって、一年で一番美しい青空を映しているのが気持ちいいディープ関東平野。
昼は仕事しながらWシリーズ、夜は塾が終わって日本シリーズを少しみましたが、日ハムは次で決めちゃいそう。金村のインタビューに、間違っても結果を出せば何とかなるスポーツ選手のシンプルさも実感。高校生かと思う田口もおもしろいですが、3戦目でみた名前は忘れたカーブの大きなピッチャーはもう一度みたい。
そんなこんなで今日は音楽。伊勢正三ブームは昨日しばらくぶりにギターの弦を張るなど続いていますが、渾身の特集記事は昨日また頼んだCDが来てからにして今日はまた中学生時代のヒーロー、ボストンのベストです。

何を隠そうボストンは、高1の時に行った初の外タレコンサートで武道館。今は北海道で医者をやっている中高の同級生A君と繰り出したのだった。
2nd "Don't look back" を出した直後の最盛期。トム・シュルツのゴールドのレスポールや名前は忘れたボーカルの黒いシャツと、それはそれで思い出深い一夜である。
その2ndから長いブランクに入り、3rdが出たのは大学生の頃。時間が経っても同じことをしているインテリバンドは、ちょうどそのトレードマークのUFOがもはやオールドスタイルに感じられていたのと同様に、音の方も古臭さを感じさせるものになっていた。保守正道といえる。
それを買った頃、アパートであまり洋楽に詳しくないからボストンも知らない高校の同級生H君と飲んでどうだよきかれ、「まあ、だめだよ」なんて話していたところに、大学の同級生でボストンも好きなI君から電話があり、そいつはファンだから「まあ、いいんじゃない」なんていって電話を切ると、「おめえはいってることが全然違うじゃねえか」とうそつき呼ばわりされたが、私としてはファンにとってなら少しはいいかもしれないに過ぎないその3rdを、初心者にすすめることはできないのでそういうことになったのがだと今でも思っているが、こういうのはうそつきなのだろうか。
話は意外な方向にいったが、アナログはその3rdまでで、確かCD時代になってからは2枚。どちらも一応は買ったが、まったくおもしろくない。多くのボストン・ファンにとって大切なのは2ndまでだから、最近はその2枚の新マスタリング盤が出たりしている。
というわけで最初の2枚はアナログしか持っていないので、一度このベストかと思って多分500円くらいで買った中古盤が、きいてみると実際は4枚目で、いったい1~2の曲はいつ出て来るんだと思って確かめてぎゃふんというすごい記憶もあった。この2枚目に買った4thはしかたがないので弟にやったが、あまり思い入れのないだろうやつは、もしかしたらきいていないかも知れない。それを今回買ったのは、この間ダミアン・ライスを買った時、3枚買うと25%オフで1100円くらいになったからだ。
ということで、久しぶりにきいたこのベスト。文句ばっかりいってるようだが、1~2の曲はやはり名曲だ。
"more than a feein'"『宇宙の彼方に』 のフェイザーがきいたアコースティックギターの響きが最初にラジオからきこえてきた時の世界が広がる感じは今も鮮烈。CMにも使われているこの名曲を最近見直したのは、村山聖の鮮烈な生涯を描いた大崎善生さんの『聖の青春』を読んだ時だ。重い病と戦う将棋指しの聖が、まったくからだが動かない状態で何度も繰り返してきいたという。動かないからだを抱いてどこまでも広がっていくサウンドをきいていた、まれなる自由な精神は胸に迫る。そういえばレッドソックス、フェンウェイパークでもよくかかるから、当地では一目おかれた存在なのかも。
さて、"don't look back" の軽く乾いたディストーションギターも最初にエレキを買って、何でああいう音が出ないんだと思っていたから無知というのはこわい。お金もテクニックもないのに無謀な考えだ。ソナタ形式ともいえる構成も見事で、ギターが左右に振られ遠くから帰ってきてベースと絡む再現部は何度きいてもぞくぞくする。あの“ビョーン”は、エレキ初期にはピックがもったいなくても何度もまねをした。
そして名バラード、"a man I'll never be"『遥かなる想い』。関係代名詞を学び何てすごいタイトルなんだとうなったこと憶えているが、何といっても美しいハイトーンボイスと乾いた音のCP70。学生の時、スタジオにCP70があって初めて弾いた時はこれがあのボストンのと感激したものだ。オフコースが『愛を止めないで』でまねしたフェイザー・アコースティックと絡むソナタ形式もすごい。ラストのパイプオルガンが入るクライマックス、その後で訪れる静寂のエンディングはカタルシスの極致で、この音楽を称して「プログレハード」といったのもうなずける。当時、ジャーニー、カンサス、スティクスと同様の、渋谷陽一氏が「産業ロック」と批判したこれらの音楽はそれぞれ好きだったが、今でもボストンは別格だ。
というわけで、これら3曲はじめ1~2の曲がきければ満足で、愛機 iriver にも結局この3曲だけ入れて持ち歩いたちょっと古い時代の宝物。

(BGMはNHKライブビートでBBCのライブ、Wreckless Eric と the the 。大好きな the the はずっと先鋭であり続けている)

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