Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第3日目

2023-03-13 19:30:00 | Klaus Makela
何にでも終わりはある。
楽しかったマケラ様演奏会もついに最終日3日目を迎えた。
 
演奏曲目は昨日と同じ。
ただし、1曲目と2曲目の間は開けられた。
後に作曲者のMark Andreに確認したところ、
これは彼の意図ではない、とのこと。マケラ様なのかな?
 
今日の座席は昨日のちょうど真向かい。
舞台向かって右にはカリヨンなどが配置されている。
昨日よりさらにマーラーの音楽の優しさと厳しさのコントラストが
はっきりと浮き彫りにされた演奏だった。
優しいフレーズはどこまでも優しく、
厳しいフレーズはまるで軍隊のように統率された集団に。
フランス人もやればできるやん。
 
オケでトランペットは神の声、と聞いたな、確か。
楽友協会のこの黄金のホールで、金管が高らかに歌うと、
部屋の明るさが心なしか増したような気がして、
本当に天上から音楽が降りてくるような幸福感に包まれる。
初めてこのホールを体験した、GustavoがVPOを指揮したR.シュトラウスを思い出す。
 
アルトのWiebke Lehmkuhlの声がとても好き。
昨年のパリでのマラ2公演の時も彼女のファンのおぢさまが近くの席におられたが、
気持ちはわかる。ソプラノのChristiane Kargも悪くはない(出番が少ない)。
人の声は最強で、最後にコーラスが入ると
男声の地の底からのような音とも振動ともつかぬ空気の震えに心まで震える。
 
今日の演奏はしばらく忘れないし、忘れたくない。
このホールならではの音響(昨日のピアニストが言っていたが、
パリのPhilharmonieは彼からすると響きすぎなのだそう)と、
この位置(昨日に比べて最後のオルガンとカリヨンの響きが素晴らしかった)、
目に焼き付いたマケラ様の指揮。
 
この幸せを持って、来月のベルリンまで乗り切ろう(また追っかけるよこの人)。
感動しすぎて今日は映像なし。

クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第2日目

2023-03-12 19:30:00 | Klaus Makela
クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
 
Mark AndreのIm Entschwinden fur Orchester(オーケストラのための「消失の中で」?)
マーラー交響曲第2番
 
席についてみると、なんと今日はオケの編成が大きいために客席が一部取っ払われており、
あたくしの真横はベーゼンドルファーのピアノと奏者のお兄様。
 
2曲は続けて演奏された。
Mark Andreの曲は、ピアノも特殊奏法で、美しいベーゼンドルファーが、
ハンマー(と言っても金槌みたいなのではなくて、プラスチックかアクリルの頭)
で引っ掻かれたり。
 
マーラーはこれまで3回(パリ2回、ウィーン1回)聴いた中で最もよくまとまっていたように思う。
おそらくホールのサイズが大きく影響していて、バンダも遠すぎないし、
ソロも合唱も肉声を丁度良く感じられるサイズ。
一昨日の幻想交響曲よりよかったのは、pの音量下げを意識していたように思えたこと。
 
素晴らしい席で、マケラ様の横顔をずっと鑑賞しながら曲を楽しめた。
優しい顔、厳しい顔、楽しそうな顔。
オーケストラも年若い才能ある指揮者で演奏することはさぞ楽しかろう。
 
演奏会終了後、ピアノのお兄様とフランス語で会話。
マケラってどう?と聞いたら、とても良いし、
オーケストラもマケラのこと大好きだよ、と。
やりたいことがはっきりしているし、指揮も明確だし、
オケのメンバーとの関係作りもうまい、と。
 
ちなみにあたくしの向かい側にアンゲラ・メルケル女史がいらしたとのこと。
あちら側、見ていたつもりだったけれど、全然わからなかった。残念!
 
フランス語、やっぱりもうちょっとブラッシュアップしたいなぁ。
英語もやらなきゃではあるけれど、
フランス語はこうやって何かと世界を広げてくれるような気がする。。。
 

クラウス・マケラ & パリ管 in ウィーン楽友協会 第1日目

2023-03-10 19:30:00 | Klaus Makela
クラウス・マケラ指揮、パリ管弦楽団演奏会、第1日目。
 
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ベルリオーズ 幻想交響曲
 
幻想交響曲の第二楽章の終わり方がとてもエレガント。
最後は、指揮より演奏の方が先を行っていたようないないような(笑)。
 
同じホールなのに、ウィーンフィルとは全く違う。
曲線の描き方が違うからのような気がする。
 
演奏会終了後にマケラ様の公開インタビュー(ドイツ語でなく感謝!)。
母国語でもないのに早口。頭の回転が早いのだろう。
Help, don't disturbは指揮において心掛けていること、だそう。
 
愛器は1725年製のチェロ。パリに置いてあるとか。
名前が聴き取れなかったけれど素晴らしい楽器屋さんがいらっしゃるらしい。
いつかマケラ様と楽器(チェロ)のお話ができますように!
 
 
 

【香りと音楽】 クラウス・マケラ チェロ

2022-12-02 20:00:00 | Klaus Makela
マケラ様最終夜 in Paris の今日は、香りと音楽。
彼と香水クリエーターのフランシス・クルジャンの競演で、
クルジャンがバッハの無伴奏2番にインスピレーションを得て作った
プレリュード、アルマンド、クーラント、ジーグ、サラバンドへの香りをマケラが聞き、演奏する、というもの。
 
入場時各人にクルジャンが作った香りを試香紙につけた冊子が配られ、
開演を待ちながら、それぞれに香りを聞いてみる。
香水文化のあるフランスらしい試み。
 
マケラ様は、あの長身、また体幹がとてもしっかりしていて、
ウエストには無駄が1mmもない!
意外と腕は長い印象はなかったけれど、指が細くて長くて綺麗。
惚れる〜。
 
そうそう、ちなみにユジャ・ワンが来てました。
 
 

クラウス・マケラ&パリ管 マーラー交響曲第2番 

2022-12-01 20:00:00 | Klaus Makela

2022年11月30日、12月1日

クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団
マーラー交響曲第2番、2日目(12月1日)。
 
素晴らしい、演奏も、音響も、そして何より楽曲そのものが。マーラーって、本当に天才。この曲を20代後半から30代前半で書いたって、どういうこと?初演はBPOとのことだけれど、当時のオケのレベルは今と比べてどうだったのかしら?場所も、楽友協会は既に建っていたしそのレベルの音響ならば今ここで聴いているものと同等以上とも考えられ、当時の方々、こんなものを聞いたら、心底驚くに違いない。
何度も上り詰めては弛緩し、劇的なジェットコースターな人生の様な曲。このフィルハーモニーで聴くと残響が美しくてゾクゾクする。
 
残念なのは第5楽章の途中で、客席でおそらく脳卒中を起こした方がおられ(大きな鼾→痙攣)、舞台上からも見える場所だったためオーケストラのメンバーも含め緊張が途切れてしまったこと。オケは最後までにはある程度持ち直しました。倒れられた方のご快復を祈ります。
 

クラウス・マケラ パリ管来日演奏会 プログラムB

2022-10-20 18:50:00 | Klaus Makela

クラウス・マケラ パリ管来日演奏会 プログラムB

ドビュッシー:交響詩「海」
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
ストラヴィンスキー:火の鳥(全曲)

18日のサントリーホールの状況を聴いて、帰りの新幹線に間に合うのか?などと思っていたが、実は開演時間が18:50であった。新幹線の都合上少し早めに着いていたからよかったものの、危ない、危ない。

本当はサントリーホールで聴きたかったのだが、予定があり名古屋へ伺った。先日反田さんの演奏会で、音響が悪くないように思われたので。
しかし、結局音響はサントリーホールの方が良い、少なくともオーケストラに関しては、サントリーの方が好みの音であることは理解した。

アンコールで演奏されたルスランとリュドミラ序曲がこの日の中では最も良い出来のように思われた。すごいスピード、ムラビンスキーも真っ青?フランス人もやる時はやる、休み前や締め切り前に、きっちり合わせてくるフランス人の底力を見たような気がした。素晴らしい。


クラウス・マケラ パリ管来日演奏会 プログラムA

2022-10-17 19:00:00 | Klaus Makela

クラウス・マケラ パリ管来日演奏会 プログラムA

ドビュッシー:交響詩「海」
ラヴェル:ボレロ
ストラヴィンスキー:春の祭典

ラヴェルは妖艶な、というよりは、若々しく爽やかなボレロであった。

春の祭典は、基準がザルツブルグで聴いたウィーンフィル&Gustavoの演奏なので、まあ、比べてはいけなかったのだろう。あの丁々発止な春の祭典、いつかもう一度聴いてみたい。

S席32000円という高額チケット。そのためか、席に着くと、かなり空席があった。こんなに空席の多いサントリーホール初めて見た。チケット代を値上げせずに満席にするのと(満席になったかは微妙?)、値上げして今回の入りと、どちらが収支上良かったのだろう。 アンコール前のスピーチでSuntory hall is my favourite hallって言っていただいたし、満席でお迎えしたかった。

(後から知ったが、助成金が出ていたらしい。それは本当に正しい税金の使い方だったのだろうか?)


クラウス・マケラ & 都響 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 op.60《レニングラード》

2022-06-26 14:00:00 | Klaus Makela
東京都交響楽団 指揮:クラウス・マケラ
サウリ・ジノヴィエフ:バッテリア(2016)[日本初演]
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 op.60《レニングラード》
 
アマオケでショスタコーヴィチの7番を弾いた時に、いつも聴いていたのがマケラ指揮の同曲だった。黒縁の眼鏡で、なんだかちょっと真面目そうな風貌に、実はマケラが振っているとは気がついておらず。
そのことに気づき慌てて当日券を入手。当日券もネットで購入できるのは素晴らしい。ホールで、ということではat riskで交通費を支払わなければならず、それはなかなか難しい。。。
 
さて、まるでモデルのように長身で足の長いマケラ登場。転落防止のバーの高さまで足。どういうこと。
 
バッテリア、テロに触発されて作曲されたとのことで、確かにそれを表すかのような金管の凄まじい音もありながら、ちょっと宇宙を思わせる響き(宇宙を知っているわけではないが)。そして、ショスタコーヴィチを思わなくもない響き。
 
ショスタコーヴィチは、弦が例えようもなく美しい。曲自体の美しさと、都響のテクニックも素敵。YouTubeより緩急がある気がするが、弦が一糸乱れずついてゆくのが凄い。個人的には、第1楽章と第4楽章の演奏が好きでした。ただ、初めてドゥダメルを聴いた時のような衝撃はやってこなかった。。。残念ながら。
 
終了後、オケメンバーがはけた後、マケラが舞台へ(「一般参賀」と言うらしい)。まだ26歳。このペースだと、ドゥダメルの持つVPOのニューイヤーコンサート指揮最年少記録を塗り替えるかもしれない。いずれにしても、期待の新星。パリ管弦楽団の首席指揮者でもある彼。秋の来日はあまりに高いので行くつもりはないけれど、9月のパリはドゥダメルがオペラ座のシーズン開始で居るし、マケラもパリ管のシーズン開始で居るので、そちらで聴こうかしらん。