風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

南房総へ、シャーマンに会いに行く旅

2007年08月22日 22時44分19秒 | エッセイ、随筆、小説







ウニソースのパスタを大盛りで。

ぺペロンチーノに別注シュリンププレートのエビを絡めると、

幸せのため息で身動きが取れなくなる。

極上とはこういうときに使う言葉だよね、と友人と語り合った。

友人が、または私が田園風景に見とれていると、

あっという間にプレート内の盛り上がりが激減し、

ずるい・・・と口を尖らせて言った。

私の方が友人より2回、ずるいと言った回数が多くて、

いくらでも食欲がわくし、

店のメニューを全部制覇したいね、と笑い合ったとき、

そういえば、ここの写真、素敵だよね? と

私も気になっていた話題に友人が触れてきた。

店に一歩足を踏み入れたときから気になっていた素敵な写真。








うん、そう思う、と私も言った。

友人はテレビの製作会社の取締役で、

私が15歳、彼が19歳からの長年の友人だ。

彼は今回、会社を辞める雲行きであること、彼の弱さが際立ったため、

私ではなく同性であるシャーマンを紹介することになった。

シャーマンというよりも客観的な立場の同性の意見を参考に、

自分の甘さと向き合ってみれば? とたぶん私は言ったのだ。

それは本当に自然な成り行きだった。

春から夏へ季節が移行するように、

彼の冬を春へ移行させるお手伝いができればと心から願った。








その前に美味しいものでも食べて心身を満たそう、ということになり、

白浜在住のNちゃんから紹介を受け、

SHELLSという素敵なCafe&Dinnerの店へ

足を運ぶことになった。

美しい田園風景の中に溶け込むセンス良い店が、

手招きするように温かく迎えてくれるようで心が喜んでいた。

食欲をそそる香りがお腹に棲む神様も起こしてしまったみたいだ。







そこではじめて彼の現状や事の重大さ、

娘さんが障害を抱えていることなどを知った。

友人曰く、私が障害を抱えていても娘を育て、

会社や交通事故処理と格闘している現実と笑顔が強さの象徴に見えたらしく、

一生のうちに何度か、闘うべき決戦があるのよ、と格好よく言った。

彼の弱さは闘うべき相手にすでにしっぽを振っていることだった。

優先順位の見極め方の甘さや、焦りや、プライドが邪魔して、

本当に自分ではどうしようもないのだろう、と彼の立場を思った。








シャーマンは言う。

障害を持っている娘さんの魂が誰よりも美しく、

そして、力強い、と。

あなたのことが大好きで、あなたがあなたでいられる道へ歩み、

それに気付いて欲しい、とメッセージが届いています、と言った。

私が思っていたこと、彼へ伝えたことが繰り返されたため、

私は泣きそうになり、窓外の空の高い部分をじっと眺めた。








彼の肩は震えていた。

その小刻みに触れる動きと鼻水を啜る音を聞きながら、

日本における市場原理や最高責任者の意味を私は考えていた。

私は許せないと思った。

いや、私ではなく自然がこの状態を許しておくはずがないと、

海や空と語った。








誰かが手をくださなくとも、必ずみている目は存在する。

多くの人間を誤魔化せたところで、一部の人間を、

自然をも同様にできるともし思っている人がいたなら、

喜んで、進んで、痛い目に遭うべきだ。








そうえいば・・・と思った。

私が南房総へ行くときは必ず、

晴天に恵まれ、青の色彩に包まれ、星の瞬きに時間を忘れている瞬間がある。

来週もウニソースを堪能しに、シャーマンに会いに房総へ行こう!






 



SHELLS

http://shells.seesaa.net/

 

 

 

 


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