やさしさを発揮できなくて
ひとは意地悪になりましょう。
ひとに天使を感じやさしさを発揮させてあげられる人が
ひとを天使にするのでしょう。
* むかあし、「独特な人」という言い方が気に入った。その後、発する言葉としては使いはしなかったけれど、しばらく前まで、好きな言い方だった。ノーベル文学賞作家の作品にあった。
去年ネットで出遭ったひとが、よく「天使」という言い方をする。例えば見境ないほど好きになった相手以外から天使と言われて素直に喜ぶひとはいないだろうから、面と向かって言う言葉ではない。それでも、そのひとの言うとおり、たしかにこの世には天使が思いのほかたくさんいるのだと思えてくる。すれ違っただけというなかで微かな温かみを残してくれるひとに、アノヒトハテンシダ、などと心の中でつぶやいている自分に気づくことがある。
結露ごし
氷雨あたたむる 陽のちからかな
(日曜の冷雨に震えた翌朝はあかるい雲。
そのなかにかたちを示す日輪にようこさんの名をかけて)
鳥のこゑ
あやに織りなし
高く雲ゆく
(紡ぐ前のわたが引き延び走るような白い雲が
今朝の秋青の空に。綾と彩と文は言わずもがな)
いき抜けよ いき急ぐまじ冬の芽よ
しなやかにかたき四季ぞ包みて
(風行き渡る壱岐は生き生きと意気さかんなり、
なんのこっちゃの粋なため息が逝きましたとさ)