ごいんきょ経由・thank youと有り難うは違うかな。

聞いてもいないのに自分がいかにちゃんとやっているかを語らずには済まないような人が多いと思うことがある。首を竦めて“あたしチャン”を頭上でやり過ごしつつ、それが気になるのは、自分が本当はそうありたいと思っているからだけなのかなあと首を傾げる。評価などなくていい自分でありたい。

日本語でいちばん美しい言葉はありがとうだよと感動的に結ぶような話に、せっかくのわくわくする展開がもったいぶったものに思われてしまうことが、ときにある。啓蒙される言葉。

言われてうれしい言葉ではある。言われないことをヒキズルこともある。
何かといえばありがとうと言っているかもしれない私は、それで済まそうという時もないではないかもしれない。

奈良康明さんがありがとうと言わない国の文化を書いている。日本語の起源を言う人もある国は英語を公用語とするが日本ほどアメリカナイズドされていないようなのだった。

９月分給料をクルマと交換。

昨夜作業トラックの駐車場まで自転車を20分以上走らせて８月分の給料を受け取った。日数で私の３倍以上働いたＩシイさんの袋の厚みが私とあまり変わらない。９月分が入っていない。「まあこんなもんだよ」と笑った。これまでのハゲシイ憤りはいずこへ、と思っていたら、今朝電話があった。あれからオレ、会社のクルマ隠しちゃったんだよ。えー、キーあったんですかー。いやオレみんな見といたから知ってんの。でね、社長（電話は不通）にこうこうだからって連絡してくれってＵさんに頼んだのよ。やりましたねー。うんうん、で社長が来て現金と交換したの、だってこのまんまじゃいつまでたったってばかにされっぱなしだよ。いやーすごい、そーですよねー。って言いつつ私はまだ働く気だがはてさて。

ごいんきょ経由。

はみ出すヒトもいればはみ出させられるヒトもいる。職業やら生活やらではみ出さずに済んだヒトたちは規格のボーダー証明たる選択不能な無際限自由メディア購入継続に没頭するため規格外に眉を寄せることすら忘れる。

けさの筆洗は日本の清掃車運転手の事故死とチリの地下事故救出の話とを閉じ込められ感として対比した。少し前の同紙の記事では、そう遠くない昔に夕張炭鉱で消火のために人を水殺しにした話を書いていたが。

チリの話はそこかしこで美談的に取り上げられた。助かったからこそ皆さんによかったねえと私が言うとしたら、世界を代表してのめったにない存在証明のようなものだ。チリの“人夫”たちが晴れて取り戻す日常はくだんの日本の清掃車運転手のように閉じ込められてはいないのか。

ある人が奴隷であったころ奴隷でない人は奴隷を人とは思いつきもしなかったらしいが、そんなことはどこにでもある。

うつくしいことばを。

反射得ずして反転の陥穽
正直に申しとうなけれど
ねこに気を逸らした筈の

露な吐露で追い立てゆく
言葉が自ら増幅を重ねる
遥か土星に隠したい罵声

リユウはあるのですアナタに
リユウはないのですアナタに
ワタシだけのレキシなのです
ワタシだけのリユウなのです
嗚呼悔しくて仕方ありません
ワタシはイイヒトになれない
アナタをイイヒトにさせよう
アナタをイイヒトにするのさ

ごいんきょ投稿欄から。

「発言」内で15歳中学生が、「このままじゃ終わられない」というドラマのセリフを文法的に説き、「ら抜き言葉」問題には、もう少し寛容になるべきだと思う、と表明している。どうあるべきかと問う意思、説く力がすばらしいと思う。

私がたびたび触れるリアル発言の中に、「これで私の発言を終わります」というたぐいがある。
例のごとく印象的思い込みをべきも何もなく言うと、本来なら「発言を終える」であり、終わると言いたければ「発言が終わる」のであり、自分の発言を自分がどうするのかであれば「終わらせる」だろう。「終わる」が「終える」の用法にとってかわっている現象について投稿はもはや寛容を超えている。

メモ。

夥しい数の磁石がそれぞれの針の向きを少しずつ変えて甲板なり船倉のトイレなりに転がっている。人はそれを手にする。そのとき他の磁石は存在しない。

朝が来た。「朝が来た」を歌って踊る。ことワない。

手段なるインターネットはくりえいてぃぶなくりえいしょん
もはや自発の余地もなく
可能性だの宇宙だのナンだのって毎時毎秒宗教はいつだって
細菌のごとく