過去の展覧会を図録で振り返る企画の第5弾。
今回は
大河ドラマ特別展「天地人 -直江兼続とその時代-」
サントリ-美術館・新潟県立歴史博物館
開催年:2009年
「天地人」は上杉謙信・景勝に仕えた直江兼続が主人公の大河ドラマ。
戦国大河も有名どころの武将は一巡し主人公選びに苦労している感じでしたが、視聴率は良かったようです。
印象的な「わしはこんなとこ、来とうはなかった!」幼少期の兼続役・加藤清史郎。
異様な迫力で序盤の主役だった上杉謙信役・阿部寛。
圧倒的存在感の魔王・織田信長役・吉川晃司。
で上手くスタートダッシュに成功したからでしょうかね。
さて特別展に戻って注目の展示を、
鉄製擬宝珠 西村道仁作
羽黒山参道口祓川橋の擬宝珠。銘によれば文禄二年(1593)に直江兼続が橋を建立したもので、擬宝珠は京都三条の釜師・鋳物師で「天下一」と称された西村道仁が制作した。
天正十一年百韻
天正十一年一月十日の年紀を持つ、連歌師・里村紹巴とその一門が百韻を詠んで熱田神宮に奉納した「 賦何人連歌」。
これより半年前の天正十年(1582)五月、紹巴は明智光秀が本能寺の変の前に催した愛宕百韻に参加しており、変後には羽柴秀吉より事前に謀反を知っていたかと詰問されている。
博多宗湛日記
博多の商人で茶人でもあった神屋宗湛の茶会記。この特別展では主人公・直江兼続の貴重な茶会の記録を紹介している。
それは慶長二年(1597)3月23日~25日にかけて豊臣政権の有力大名に宗湛が招かれた茶会で、
23日朝には浅野弾正長政の茶会で、大名物「玉堂肩衝」や高麗茶碗・古い大釜を使用。
24日朝には前田利家の会、肩衝茶入・高麗茶碗・古蒔絵の香合を使用。
そして晩に直江兼続の会、阿弥陀堂釜(新釜)・瀬戸茶碗・棗・瀬戸水指を使用。
25日昼には宇喜多秀家の会で、井戸茶碗・古釜(菊紋)・古胴花入・唐物水指を使用。
道具組を見ると、兼続が唐物・高麗物ではなく今出来の普通の道具を使用している様子がうかがえる。
唯一のこだわりは床に墨蹟(誰かは不明)を掛けている事で、これは兼続の漢籍好みの表れでしょう。
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