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ロスチャイルド家 鉄道事業に参入  RJ 人気記事

2024-05-05 18:12:17 | 自己紹介・人気記事
022-09-28 04:06:27 | 国際政治・財閥


   フランス国有鉄道 SNCF( Société Nationale des Chemins de fer Français)




産業革命と蒸気機関車

ジェームズ・ワットが、大量生産を可能にす るエネルギー源である蒸気機関を 1781 年に完成して産業革命が始まったイギ リスでは、続いて大量輸送のための蒸気機関車がジョージ・スティーヴンソン によって 1814 年に考案され、1830年、マンチェスター-リバプール間で初 めての鉄道が走りました。





ロスチャイルド家と鉄道産業

ヨーロッパが、フランス革命の七月革命に揺れていた頃であります。 産業都市マンチェスターと港湾都市リバプール を結んだ鉄道が大成功をおさめると、事業家、銀行家の目の色が変わってきました。


当時、馬車をしのぐものなどあるはずがないと思っていた時代です。 ロンドンのネイサンが その将来性に目を付けたときには、既に他の銀行に利権を奪われていました。



ネイサンは他の兄弟にイギリスでの 鉄道フィーバーぶりとその将来性について詳しく報告し、それぞれの国でいち早く鉄道建設の利権を確保して融資に踏み切るよう勧めました。

 

 

 

フェルディナンド皇帝鉄道

そしてまずオース トリア家のサロモンが鉄道建設にのりだしましたが、保守的なウィーンでは蒸気機関車が鉄の道を走る鉄道はいかがわしい怪しげなものと受け取られ、人々の「鉄の獣」に対する反発は、初めの頃のロンドン以上でした。



それでも 1835 年にオ-ストリア帝国政府から鉄道事業免許を取り付け、こうしてヨーロッパ大陸での初の鉄道は、ウィーンと北部ボヘミア間およそ 69 キロで着工されました。 その名も、『フェルディナンド皇帝鉄道』。

パリのジェームズも大々的に鉄道事業に乗り出し、まずセーヌ川沿いにパリ~サンジェルマン間の鉄道を完成させ、ついでフランス北部の諸都市とパリを結 ぶ、北方鉄道の建設に取りかかりました。



この北方鉄道が、パリ・ロスチャイルド家の 最大の資産になり、ジェームズは「鉄道王」の名をほしいままにしました。

この他のロスチャイルド兄弟は、ヨーロッパの最新の基幹産業である鉄道にいたると ころで関与しました。これらの鉄道建設には莫大な資金を必要としましたが、そのため の起債はロスチャイルド家の得意とするところです。



債券購入を一般に公 募すると、物珍しさも手伝って多数の民衆が押し寄せ、ロスチャイルド家は、ただの 「金融資本家」から「産業資本家」の顔をも持つようになりました。

ヨーロッパの政治と癒着して、その財を成した一 族も、こうした「産業資本家」として時代の変化とともに体質を変化してゆく 過程でもありました。



高速で大量に輸送できる鉄道を敷設することによって、無意識にせよ産業革命の恩恵をヨーロッパ中に広めました。 それは社会の変革を促して 人々を新時代へと導くものでもあったことは見逃せません。  

こうして「資本」にもとづくことが大原則であるロスチャイルド家は、産業 が社会にしめる影響と生み出すものの大きさからからも、「産業資本家」とし ての性格を強くしていきました。



こうした時代の変化による変化は、1848 年のフ ランスの二月革命で、ルイ・ナポレオンが登場すると、かつてロスチャイルド家 がイギリスやオーストリア側につき、叔父のナポレオン・ボナパルトに不利を 働いていたことや、ナポレオン没後、復古ブルボン王朝や続いてオルレアン王 朝にすり寄ったことからも、

ルイ・ナポレオンは、金融業者に起債を頼む代わりに公債 を小口に分割して国民に購入を呼び掛ける一方、その蔵相アシル・フールとの 擁護のもとに、1852 年、ペレール兄弟に民主的な最初の銀行「動産銀行」を 創らせて、その株式の購入を国民に呼び掛けて上場させました。



すると、人民が投資 することもできる銀行だということで、フランス中を興奮の渦に巻き込み一 株 500 フランが 3 倍以上の 1600 フランに急騰する大成功を収め、それ以外 にもナポレオン三世は次々と新しいタイプの銀行を創設してゆき、いよいよパ リの「鉄道王」ジェームズを中心に(ネイサンは 1836 年死亡)事業を行っていきました。

ロスチャイルド家も出番がなくなっていきます。 そしてパリの二月革命は、もっとも封建的であったオーストリア帝国を直撃 し、広大な領地のそちらこちらで、憲法制定を求める大胆な運動がはじまり、ついに はウィーン市街でバリケードが築かれる革命が起きて、民衆は宰相メッテルニ ヒの追放を叫びました。



ウィーンのサロモンは、まもなくハンガリーのロスチャイ ルド家別邸が襲撃され、その騒ぎが再びウィーンに飛び火してハプスブルク家 も疎開するにおよんで、ついに逃げ出しました。

しかし、逃れた先のフランクフルト も革命の熱気のなかにあって、長男アムシェルの守る本家までが民衆の怒りの 前に揺れていました。



こうしてウィーン体制の崩壊とともにロスチャイルド家も没落かと思われました。 政治的不安定は一族が発行した各国の公債を暴落させます。



・ロスチャイルド財閥-9 ウィーン体制
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ただ一つ、ロンドン 分家は幸いにして政治的な対立に巻き込まれておらず、一族は踏ん張り、そ して、 1850 年7月にはフランス・ロスチャイルド家が建設していた北方鉄道が 完成して、開通式が行われました。

その記念列車の貴賓室にはルイ・ナポレオンが ジェームズと席を並べ、いくらロスチャイルド嫌いでも、当時の大事業はロ スチャイルド家の金がなければ動かないことをまざまざと見せつけるとともに、 「産業資本」の勝利を示す記念行事でした。

 


この鉄道が、今日のフランス国有鉄道SNCF( Société Nationale des Chemins de fer Français)で、フランス政府がロスチャイルド家から払い下げを受けたものです。 普通は政府から民間企業が払い下げを受けるものですけどね。





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【TBS NEWS DIG】アメリカ大統領選2024

2024-05-05 17:34:22 | 米大統領選2024

https://www.youtube.com/watch?v=-nFKfRClE5s

 

 

 

(関連情報)

 

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論より証拠

 

 

・トランプ氏「口止め料」裁判、元側近が証言
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京名物 洛趣展 日本橋三越本店  RJ 人気記事

2024-05-05 16:05:08 | 自己紹介・人気記事

 

第74回 京名物 『洛趣展』

2023年10月18日(水)〜10月23日(月)[最終日午後 6時終了]

日本橋三越本店 本館7階 催物会場

https://www.mistore.jp/shopping/event/nihombashi_e/rakusyu_50



一部の商品は三越伊勢丹オンラインストアにて、いち早くご購入いただけます。

言っておくけど、私は三越関係者じゃないよ。
            Renaissancejapan

 

 

格調高き、京の歴史を「いま」に伝える技とこころ。

大切に受け継がれる伝統の品から、新たな息吹を感じるモダンな品まで「美・技・味」をテーマに、京の“いにしえ”と“現在”が会場で交差します。

 


      

 


京友禅の老舗 「千總(ちそう)」 1550年(室町時代)創業
世界の王族にも献上しています。

 


以前、Renaissancejapanは経産省様+千總様のPJに参画していました。京都には一匹狼の凄い技を持った職人が約700人いて、千總様はゼネコンのような存在で、新製品を企画するとそれぞれ一流の技術を持った職人を選別して新製品を開発しているそうです。

って700人入り職人は、千總様の従業員ではない。 現在の問題は、職人の高齢化(平均年齢70歳以上)と若者の着物離れ。

エレクトロニクス・AI技術で問題を解決すべく、経産省様の資金援助の下でPJをしていました。 こんな歴史と伝統、さらに海外の王族にも献上した実績ある名門企業を、日本として潰すわけにはイケマセン。

 

 

みんなで、長い歴史と伝統を持った着物産業と、老舗日経企業を盛り上げましょう!

 

千總(ちそう)公式HP
https://www.chiso.jp/?gad_source=1&gclid=CjwKCAjw3NyxBhBmEiwAyofDYUwmbTDRFih1CYLPhbgqm8MwjfSK7ICaxmfD9gF8JNKCKEdrL5C3EBoCNDsQAvD_BwE

 

 

 

(関連情報)

【聖フランシスコザビエル】キリスト教を布教させるために命を懸けた男の生涯が凄い【岡田斗司夫/切り抜き】 *千總様が設立された室町時代です。

 https://www.youtube.com/watch?v=9_Y4mCeQaQM

 

 

 

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ヴィトンも頼る伝統工芸 迫る消滅の危機、職人が4割減

2024-05-05 14:53:03 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション

 

「ルイ・ヴィトン」など世界の高級ブランドが、製品開発のパートナーとして頼る日本の伝統工芸。職人などの担い手が2050年代に現在から4割減り、地域によって消滅する可能性もある。

世界に日本の魅力を発信する伝統工芸を残すためには、海外市場の開拓や女性職人らの後継者育成が急務だ。

 

 

生産額は80年代から8割減


 

京都で1200年以上続く西陣織。1688年創業の細尾(京都市)12代目、細尾真孝社長は4月、欧州で商談を重ねた。

西陣織は染め上げた絹の縦糸と横糸を交差させ、金箔・銀箔を織り込む。細尾は技術力が高く評価され、クリスチャン・ディオールやシャネル、グッチなど欧州高級ブランドの店舗内装や製品に生地を提供してきた。

 

2023年には仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで技能伝承を支援するLVMHメティエダールの呼びかけに応じ、絹織物産業の活性化で提携した。

「欧州ブランドにとって日本の職人が持つ高い技術は欠かせない」。日本法人の盛岡笑奈ディレクターはこう語り、細尾と連携して絹織物の素材開発や人材育成に取り組む。

 

世界が認める日本の伝統工芸だが、生活様式の変化などを受けて生産額は減り続けている。

国が指定する西陣織や備前焼などの「伝統的工芸品」(241品目)の生産額は20年度に870億円と1980年代のピーク時と比べて8割強減った。

日本の人口が2050年代に1億人を切るなか、国内市場のさらなる縮小は避けられない。

 

 

海外市場の開拓急務 ビームス、仏で商談会

 
 
 

「海外市場

 

「海外市場が新たな販売先として重要となる」。工芸品を軸にした生活雑貨店を全国に約60店展開する中川政七商店(奈良市)。千石あや社長は、日本の伝統工芸にとって外国人需要の取り込みが急務と指摘する。

3月に成田空港の出国手続き前区域に出店し、帰国前のインバウンド(訪日外国人)に鉄瓶や皿、ふきんなど600点を売り込む。23年11月から24年1月には台湾と中国に期間限定店を開き、計1万8千人を集めた。

 

セレクトショップのビームス(東京・渋谷)も海外の業者向けに工芸品を販売している。1月に仏パリで開いた展示会は招き猫やだるま、けん玉などが注目を集めた。

担当するビームスジャパン課の浅見武志氏は「日本のクラフトマンシップ(職人魂)への信頼は厚い」と語る。

 

職人の意志を尊重しながら、色合いなどを変える提案もしてきた。海外向けには贈答用のセット販売も試している。

海外の需要を開拓できても、工芸品を作り続けることができなければ、生き残りは難しい。伝統工芸の市場縮小と軌を一にして、担い手である職人(伝統工芸士)や従事者の数も減り続けている。

 

 

高齢化進む職人、後継者不足も

 

 

2020年度の職人の数は3730人と10年間で16%減った。

このペースが続く場合、職人の数は50年代に現在から約4割減の2000人程度まで減ると推計される。1990年度には約20万人いた従事者も、50年代には約2万人と10分の1にまで減るとみられる。

担い手が減り続ければ、地域によって伝統工芸が消滅する可能性もある。分業制で原材料や用具の作り手、流通業者など関連産業の裾野も広いだけに、地域経済への影響も小さくない。

職人の高齢化や後継者不足が深刻になるなか、最近は新たな担い手として女性職人の存在感が高まっている。女性の割合は20年度で16.5%と、20年前から約6ポイント上昇した。

 

女性職人、新たな担い手として脚光

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男性中心だった伝統工芸の世界で、これまでと異なる視点で活躍する女性職人も増えている。

東海3県で活動する七宝や和紙、漆芸などの女性職人9人のグループ「凜九(りんく)」は、産地の垣根を越えた展示会などで情報発信に力を入れる。

凜九代表の梶浦明日香氏は、アナウンサーから三重県の「伊勢根付」の職人に転じた。

根付は着物の帯から巾着などをつるす留め具。梶浦氏はピアスとして使える製品も開発し、外国人にも人気という。「『古めかしい』といった工芸のイメージを壊して認知度を高めるには連携が必要」と強調する。

 

一人ひとりの職人の情報発信では限界があり、型紙彫刻を手がける那須恵子氏は「凜九の活動を通じて商談の引き合いが増えた」と手応えを語る。

均質な量産品にない風合いなどの評価も高まり、世界でオンリーワンとも言える日本の伝統工芸。増え続けるインバウンドを呼び込む観光資源として、地域振興を担う存在にもなる。担い手の育成や市場の拡大などで、世界を意識した取り組みが待ったなしだ。

(大林広樹、遠藤邦生、グラフィックス 藤沢愛、映像 森田英幸)

 

 

オールジャパンで支援を 羽田未来総合研究所社長・大西洋氏

 


百貨店の社長経験もある大西洋氏は「日本の伝統工芸は海外ブランドに比肩できる」と指摘する

 
地方の風土に根ざした生活文化から匠(たくみ)の技や道具が生まれ、伝統工芸も育まれた。
 
百貨店の経営者としてファッションを見てきたが、日本の小売業は海外の高級ブランドに依存しすぎている。オールジャパンで伝統工芸を支援していくことで、日本発のラグジュアリーブランドとして海外ブランドにも比肩できる。


現在社長を務める羽田未来総合研究所は、羽田空港の出国エリアで2023年12月から「ジャパン マスタリー コレクション」(JMC)を運営している
 
 
反物とニットを組み合わせたストールをはじめ、伝統工芸に新たな感性を加えた商品などをそろえている。
JMCでは、数十万円の商品を買うお客様も目立つ。ただ、ガラス細工など一部の工芸品に人気が偏り、平均客単価は想定の半分の3万円だ。生産に時間を要する一点物が多いのも要因だ。
 

企画開発に携わる商品を増やし、作り手の思いや歴史など背景を伝えて販売を強化する。購入データも分析し、海外からのインターネット経由の購買などにつなげたい。

インバウンド(訪日外国人)が工芸のものづくりを食とともに体験して交流する流れを産業化すれば地域創生になる。
 

そのためにも、伝統工芸に対して、国の支援のさらなる強化も求めたい。
 
人間国宝となった職人でも継続的に作品を生み出すための支援が十分でないとされる。国力の底上げと産業化に向けて文化・芸術分野に戦略的に予算を投じてほしい。
 
 

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1億人の未来図

日本の人口は2056年に1億人を割ります。企業の商品やサービス、行政など、私たちの暮らしのあらゆる分野に訪れる変化の未来図と処方箋を探ります。

 

 

日経記事2024.05.05より引用