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ノーベル物理学賞3日発表 素粒子観測や宇宙に注目

2023-10-03 15:58:54 | 科学技術・宇宙・量子・物理化学・生命・医学・生物学・脳科学・意識・人類史

スウェーデン王立科学アカデミーは3日午後6時45分ごろ(日本時間)、ノーベル物理学賞を発表する。日本出身者が受賞すれば、2021年の真鍋淑郎・米プリンストン大学上席研究員以来の快挙となる。

対象分野は変遷 予想難しく

物理学賞の近年の授賞対象分野は変遷しており、予想が難しい。19、20年は連続して宇宙分野で、前年と異なる領域から選ばれる慣例が破られた。

21年の真鍋氏の研究テーマは温暖化予測にも用いられた気候モデルの開発だ。従来は気候科学は対象テーマになりづらいと考えられていたため、異例の受賞となった。

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2年は量子力学の研究が受賞した。原子や電子、光子(光の粒)といった「量子」のふるまいを解き明かす学問だ。次世代の高速計算機である量子コンピューターなどの開発につながる功績が評価された。

こうした極微の世界をひもとく領域は、今年も有力視されている。南極点付近にある観測施設「アイスキューブ」の研究成果だ。

素粒子のニュートリノが氷の陽子や電子と衝突した際に生じた光を、約5000個の検出器を使って捉えた。

観測装置の開発には千葉大学の研究者も貢献している。アイスキューブの発案者である、米ウィスコンシン大学マディソン校のフランシス・ハルツェン卓越教授が候補者として挙げられる。



    南極点近くにあるアイスキューブの氷上施設

 

目には見えないブラックホールを19年に初撮影したプロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」も有力だ。

米ハーバード大のシェパード・ドールマン上席研究員とオランダのラドバウド大学のハイノー・ファルケ教授が主導して、世界各地の電波望遠鏡を連携し、地球サイズの口径の望遠鏡を仮想的に実現した。

ブラックホール関連は20年も受賞しているが、当時はその存在を予測する理論と、存在を裏付ける研究成果が対象だった。

初めてブラックホールを撮影し、直接的な証拠をつかんだEHTの功績が評価される可能性がある。

 

 

 

日本の有力候補は東工大の細野秀雄氏ら

日本にも有力候補はいる。東京工業大学の細野秀雄栄誉教授が、金属の電気抵抗がゼロになる現象「超電導」などの研究で成果をあげた。

従来は超電導にならないとみられてきた鉄を含む材料で実現し、超電導の新たな「鉱脈」を見つけた。超電導は医療、エネルギー、交通などの分野で今後も活用が進むとみられている。

細野氏はディスプレーに使われる透明酸化物半導体「IGZO」を開発したことでも知られる。

 


数々の優れた研究成果を出してきた東工大の細野秀雄氏

 

東京大学の香取秀俊教授は300億年に1秒しか誤差のない「光格子時計」を考案した。レーザー光で作った光の格子に原子をとじ込め、これに別の光をあてることで振動を測る――。当時、周りの研究者でも理解できなかった斬新なアイデアを実現した。

世界最高精度の時計は、科学研究の可能性を広げた。例えばアインシュタインの一般相対性理論の検証だ。2つの時計を東京スカイツリーの展望台と地上に設置し、それぞれの時の刻み方から「重力が強いほど時間の進み方は遅くなる」ことを示した。地震や火山の研究への活用も期待される。

次世代の太陽電池「ペロブスカイト型」を発明した桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授は、化学賞の受賞も期待されるが、物質の性質を追求した「物性」での研究成果として評価されれば物理学賞の受賞の可能性もある。

ペロブスカイト型太陽電池は薄くて軽く、曲げられる特徴を持つ。壁面や車の屋根などにも設置でき、脱炭素技術として注目される。

 

 

2023年のノーベル賞発表は10月2日(月)の生理学・医学賞からスタート。物理学賞は3日(火)、化学賞は4日(水)、文学賞は5日(木)、平和賞は6日(金)、経済学賞は9日(月)と続きます。

 

 

 

 

日経記事 2023.10.03より引用

 

 

 

 



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