ナベツネと犬猿の仲だったのが、オリックスの宮内会長です。 会員制情報誌『テーミス』(2000年9月号)には、その一端がこう記されています。
「読売新聞の渡辺恒雄会長が、今春、『金貸しとは日本シリーズを戦いたくない』と発言して物議を醸した。 金貸しとはいうまでもなく、オリックスの事を指している。 今回は終始静観の構えだったが、宮内は何度も渡辺からの非論理的な口撃を受けてきた。 特にはなはだしかったのは、98年4月の頃だ。 渡辺が巨人軍激励後に、『俺の天敵は宮内だ』と発言」したという。
同誌によれば、宮内が猛抗議し、ナベツネ側が謝ることで沙汰やみになったようだが、ナベツネと宮内の戦争「戦争」は水面下でくすぶり続けました。
2004年の秋口に突如発生した明治大学の一場(いちば)投手をめぐる裏金疑惑は、横浜ベイスターズ、阪神タイガースにまで飛び火し、各球団オーナーが辞任、球界全体を揺るがす大騒動になりました。
球界では、これまでも巨額の接待費が支出されています。 現在のスター選手などに対して動いた金は、一場投手の200万円を優に超えるとされており、裏金は球界の常識でした。
重要なのは、このような慣行に常々批判的であったが、オリックスの宮内オーナーでした。 『日経ビジネス』(2004年8月30日号)には、オリックスが新人のスカウトでは契約金以外の裏金を一切使わなかったと、宮内流のプロ野球改革がわざわざ紹介されています。
ナベツネと宮内は両雄並び立たず。 宮内が、どうやら渡辺の寝首をかいた「張本人」であることが、この記事から推測できます。
さらにいえば、ナベツネの球界失脚は、中曽根康弘首相の政界引退騒動とも連動しており、旧世代の日米人脈が、終えんを迎えつつあったことを示しています。
(関連情報)
・ジャパン・ハンドラーズ プリンストン大学
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/16aa55a9c1265c131ed272e952f2f950
・ジャパン・ハンドラーズ ジョンズ・ホプキンス大学-3 CIA情報官ナサニエル・セイヤー
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40241cc6f2fde1c7bd5dc94c73f948b0
・ジャパン・ハンドラーズ 204年、カウンターパーツの世代交代劇https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/860702cc624052267118a955c451dd9f