中国新疆ウイグル自治区のVW工場=ロイター
【フランクフルト=林英樹】
独フォルクスワーゲン(VW)と中国・上海汽車集団の合弁会社が運営する新疆ウイグル自治区の工場で行われた監査が、国際基準を満たしていなかったことが19日わかった。
VWは2023年12月、監査の結果「強制労働の兆候は見つからなかった」と発表していた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
VWは労働環境に関する国際規格「SA8000」に準じ、委託した独コンサルタント会社が監査を行ったと主張していた。
だがFTによると、独コンサルタント企業と共同監査を行った中国の現地企業が調査手法など重要な点で、同規格を順守していなかったことが判明したという。
例えば、同工場で働く従業員の聞き取り調査では、広東省深圳市にある法律事務所の本部とライブ接続したことで「(従業員を)威圧的な状況に置き、機密性が保証されなかった」としている。
新疆ウイグル自治区を巡っては、2017〜19年に数十万人の少数民族ウイグル族が強制労働させられ、再教育を受けたとして、国際人権団体や非政府組織(NGO)が問題視している。VWは問題がなかったとして合弁工場の運営を続けている。
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日経記事2024.09.20より引用