旧ビッグモーターの中古車販売店(4月、横浜市)
中古車販売大手の旧ビッグモーター(BM)から保険金不正請求への対応を引き継いだBALM(バーム、東京・港)は2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。
裁判所のもとで損害保険会社や店舗の地権者などへの債務を確定させる。債務は金融機関からの借り入れを含めて最大800億円と試算している。
2025年8月をめどに再建計画を策定し、同年中に弁済を始める。バームの和泉伸二社長は2日に記者会見し、「旧BMの不適切行為で被害にあった人におわびする」と述べた。
バームは現預金300億円を保有し、旧BM店舗の賃貸収入を得ている。民事再生手続きで全額弁済を目指す。消費者への小口弁済は再建計画を待たずに実行する。
旧BMでは車両の修理時に車体やタイヤを傷つけるなどして、損保会社に保険金を水増し請求する不正が横行していた。
一連の不祥事で経営不振に陥った旧BMは5月、再建に向け会社分割した。バームが不正請求への対応を引き継いだ。
旧BMの中古車販売事業は伊藤忠商事や企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が譲り受け、新たに設立されたWECARS(ウィーカーズ、東京・千代田)が継承した。