犠牲者を悼んで現場に並べられた花束(22日、マクデブルク)=AP
【マクデブルク=共同】
ドイツ東部マクデブルクで20日、車がクリスマスマーケット(市場)に突っ込み、5人が死亡、少なくとも200人が負傷した事件で、捜査当局は21日に記者会見し、拘束したサウジアラビア出身の男が同胞の難民に対するドイツの対応に強い不満を抱いていた可能性があるとの見方を示した。
無差別襲撃が疑われ、動機の解明を急ぐ。
記者会見で検察は「現段階ではテロだったかどうかは分かっていない」と強調。詳しい不満の内容は明らかにしなかった。事情聴取後に殺人や殺人未遂の疑いで逮捕状が出され、男の勾留が決まった。
警察は約1年前に犯罪の未然防止のため男との面会を試みたが、接触できなかったと説明した。
地元メディアによると、男は医師で元イスラム教徒。2006年からドイツに居住し16年に政治難民として認定された。
永住権を取得し、マクデブルクから数十キロ離れた町ベルンブルクに住んでいる。イスラム教を批判する活動家として知られ、ソーシャルメディアで過激な主張を繰り返していた。
警察などによると、男はレンタカーの多目的スポーツ車(SUV)で、緊急車両が出入りするための車止めのない通路から侵入し、混み合うクリスマス市場に突っ込んだ。警備が甘かったとの批判が出ている。
現場のクリスマス市場は市庁舎前の広場に設けられ、150の出店や遊具が設置されていた。地元当局によると、死者は男児(9)と45〜75歳の女性4人で、負傷者のうち重傷者は41人。
日経記事2024.12.23より引用