エルブリッジ・コルビー氏は日本の防衛費の増額をかねて主張してきた
【ワシントン=飛田臨太郎】
トランプ次期米大統領は22日、国防総省のナンバー3となる国防次官(政策担当)にエルブリッジ・コルビー元国防副次官補を起用すると発表した。
対中強硬派で、日本に対しては防衛費を国内総生産(GDP)比で3%に増額すべきだと主張してきた。
第1次トランプ政権で国防副次官補を務め「国家防衛戦略」を策定した。
「(日本が)防衛費を2027年にGDP比で2%に増やす現状の目標では不十分だ。一刻も早く3%にしなければならない」と語っていた。
インド太平洋で威圧行動を強める中国を封じ込めるため、米国の軍事資源をアジアに集中するべきだと提唱する。ロシアの侵略に対峙しているウクライナへの支援より対中抑止の方が重要だととらえる。
トランプ氏は声明で「コルビー氏は米国第一主義の外交・国防政策の提唱者だ。『力による平和』を実現するために国防長官らと協力するだろう」と記した。
政策担当の国防次官は政権の政策決定に一定の影響力を持つ。日本に対する要求が強まる可能性がある。
ナンバー2となる国防副長官には米投資会社サーベラス共同創業者で最高経営責任者(CEO)のスティーブン・ファインバーグ氏を指名すると発表した。
サーベラスは西武ホールディングスやあおぞら銀行などへの投資で「物言う株主」として知られる。トランプ氏は「ファインバーグ氏が国防総省を再び偉大にする」と強調した。
国防長官にはピート・ヘグセス氏を充てる人事案をすでに公表している。過去の性的暴行容疑などの醜聞が報じられ、連邦議会上院の人事承認が難航する可能性がある。
ヘグセス氏は女性の戦闘への参加に反対する考えを示していた。上院議員の反発を受け、容認する考えに転じると示唆した。
上院議員の支持を取り付けるために根回しを強めている。トランプ氏は現時点でヘグセス氏を擁護する姿勢を表明している。
米メディアは12月上旬、トランプ氏が国防長官候補をヘグセス氏からフロリダ州知事のデサンティス氏に変更を検討していると報じた。