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産総研がフッ素樹脂をがっちり接着する新手法、6G通信基板に

2023-10-14 23:52:44 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業

産業技術総合研究所は、ものをはじく性質が強いフッ素樹脂の接着性を高める新たな表面改質手法を開発したと、2023年9月28日に発表した。

金属有機酸塩コーティングと光化学反応を組み合わせた手法で、樹脂の変質がなく、表面の粗化を数nm程度に抑えられる(図1)。

 誘電損失が極めて小さいフッ素樹脂は、第6世代移動通信システム(6G)向けの回路基板材料として期待されている。

その場合、誘電損失の小さい基板と電気抵抗の小さい回路を平滑な界面で接着する必要がある。

 

図1 開発した表面改質手法の概要

図1 開発した表面改質手法の概要
ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素樹脂表面に有機金属酸塩の有機溶媒溶液を塗布乾燥して有機金属膜を形成した後、紫外光を照射することで、有機金属成分が反応して無機金属膜を形成する(左)。従来手法よりも表面改質後の粗化が小さく、伝送損失を抑えられる(右)。(出所:産業技術総合研究所)
 
 

開発した表面改質手法では、まず、大気中で安定な金属有機酸塩を有機溶媒に溶かした溶液をフッ素樹脂表面に塗布する。乾燥後、紫外光を照射すると有機金属成分が樹脂中の炭素とフッ素の結合(C-F結合)と光化学反応を起こし、フッ素樹脂と強固に結合した無機金属膜を形成する。この無機金属膜が接着対象物に対して高い接着性を示す(図2)。
 
 
図2 表面改質による剥離強度変化(左)と開発した光化学反応モデル(右)
 
図2 表面改質による剥離強度変化(左)と開発した光化学反応モデル(右)
金属イオンにニッケルイオン(Ni2+)を使用した場合、多種の接着剤で7N/cmを超える高い接合強度を示した(左)。ポリイミド板に接着剤で接着したPFAフィルムを剥がす実験では、ポリイミド板とPFAフィルムの両方に接着剤が付着しており、接着剤内部での破壊により剥離している(写真)。(出所:産業技術総合研究所)
 
 
 
日経記事 2023.10.13より引用
 
 
 
 

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