財務省が8日発表した5月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支は2兆8499億円の黒字だった。
前年同月から41.8%増加した。海外からの債券利子や配当金の受け取りが増え、第1次所得収支の黒字幅が拡大した。
経常収支は輸出から輸入を差し引いた貿易収支や、旅行収支を含むサービス収支、外国との投資のやり取りを示す第1次所得収支などで構成する。
経常収支の黒字額は、比較可能な1985年以降の5月としては過去最大となった。
第1次所得収支の黒字幅が前年同月比で13%増の4兆2111億円と、比較可能な1985年以降で過去最大となった。海外の金利上昇や円安を背景に受取額が増えた。
貿易収支は1兆1089億円の赤字と、前年同月から赤字幅は7.6%縮小した。資源高や円安により原油などの輸入額が膨らんだ。
輸出は自動車のほか半導体関連の製造装置や電子部品が好調で、赤字幅縮小の要因となった。
サービス収支は23億円と、前年同月の1803億円の赤字から黒字に転じた。黒字は2カ月ぶり。訪日外国人の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた旅行収支の黒字が55.7%増の4417億円と、黒字幅を拡大した。
日経記事2024.07.08より引用