ウクライナ軍拠点に突撃した北朝鮮兵士を上空から撮影したとする映像の一場面(ゼレンスキー大統領のXから・共同)
【ソウル=甲原潤之介】
韓国の情報機関、国家情報院は13日、ロシアに派遣され戦死した北朝鮮兵が所持していたメモに、捕虜になりそうな時は自決するよう強調する内容があったと明らかにした。
死者は300人、負傷者は2700人を超えたと推定した。説明を受けた国会議員が記者団に説明した。
国情院によると、ウクライナ軍に捕まりそうになった北朝鮮兵1人が「金正恩(キム・ジョンウン)将軍」と叫びながら手りゅう弾を取り出し、自爆を試みて射殺された事例も最近確認された。
派遣兵のメモには朝鮮労働党への入党と赦免を期待している内容もみられたという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、2人の北朝鮮兵を捕虜にしたと発表した。
国情院はこの2人について、偵察総局所属の戦闘員だと明かした。給与に関する約束はなく「英雄として優遇するという公示を受けた」と供述しているもようだ。
国情院は北朝鮮内部で兵派遣の情報が広がり、派遣兵の家族は心配や恐怖を口にし、食糧や生活必需品による補償があるといった情報も明かした。
無関係の市民の間ではロシアからの支援や暮らしの改善に期待する反応もみられるという。
国情院はトランプ次期米大統領と金正恩総書記との対話について「可能性がある」との見方も示した。
米朝間で北朝鮮の完全な非核化が短期間で達成しにくいと判断されれば、核凍結や軍縮のような小規模なディールもあり得ると指摘し「韓国を排除した一方的な取引を遮断する必要がある」と報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。