北鎌倉発!人生を変える青木理恵のコーチング

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ピアニスト 松本あすか

2005年09月02日 | 2013~10年 北鎌倉、ロンドン生活
さて、ベーゼンのサロンでは、グランミューズA1カテゴリー優勝者の松本あすかさんのコンサートが始まります。

あすかさんは、不思議な魅力のピアニスト。
一人でポツンとしているかと思うと、華やかな笑顔でニカニカッと笑い、張り詰めた表情で弾きまくるかと思うと、ポワ~ンと夢見心地になり、いろいろな面を持った素敵な人です。
5年間ジャズの勉強をしてきた彼女は、これからはクラシックももう1度やりたいそうです。

「この曲、なんだかわかりますか?」
聴いたことのある和声進行。。。
ジャズのリズムに乗って弾かれるその曲は、なんとベートーベンのワルトシュタインです。
え!そんなことをしたら、ベートーベン様がお怒りになる?
でも、そのかっこよさになんだか私も弾いてみたい...と引き込まれていきます。

次に渡されたのは、二重唱の曲。
その場で二手に分かれて練習し、あすかさんがピアノでコードを弾きます。
若者っぽいポピュラーも何度も歌ううちに馴染んできます。
ところが、この上に乗っかった曲は、なんとショッパンエチュードの1番!
そこに、タッキー先生が、楽しそうに体をゆすりながらピアニカを使って即興でメロディをつければ、まるでライブに参加したような一体感がサロンに広がります。

エチュードが、こんなに楽しい形に変身するなんて、まるであすかマジックにかかったようです。
こんなおしゃれなコンサート、ぜひぜひ音高生や音大生に体感してもらいたい。
きっと、みんな頭じゃなくって体で楽しいって思えると思います。

タッキー門下からは、正統派ピアニストからあすかさんのような新しいタイプのピアニストまで何人ものピアニストが誕生しています。
小さい生徒さんの演奏を聴いても型にはまっていなくて、それぞれが音楽と向きあっている感じがします。
そんな自由な環境から育ったのが今のあすかさんなのだと思います。

随分前になりますが、ピティナのコンペで小学校1年生の頃のあすかさんの演奏を聴いたことがあります。
今でもショートカットで目が黒々大きくてバンビちゃんのような利発さが印象に残っています。
その後の活躍ぶりも仙台のジュニアチャイコフスキーのドキュメンタリーで拝見しました。
枠にはまらず、自分の強みを活かした演奏家になったあすかさんを見て、タッキー先生のスケールの大きさと愛情を感じます。

ピアノ界に爽やかな風を送り込む松本あすかさん。
応援しています。
そして、お姉さんの松本さやかさんともロンドンでお会い出来るかな?

ベーゼンドルファの一日

2005年09月01日 | 2013~10年 北鎌倉、ロンドン生活
なんて充実した一日だったことでしょう!

静岡名物のうなぎを堪能した私たちは、次々にタクシーに乗り込みベーゼン本社へと向かいます。

こんな鄙びた所にベーゼンが!!!

ピカピカのグランドピアノが騒然と並んでいます。

「さあ、皆さん。お好きなピアノをどうぞ。でも2階のアンティークピアノは100年以上たったおじいさんおばあさんですから、優しく弾いてくださいね」
ベーゼンの方の有難いお言葉です。

そして、タッキー先生の「みんな一緒に弾くと音が混ざっちゃうから、その辺は譲り合ってくださいね。」というお言葉と同時に蜘蛛の子を散らすようにお目当てのピアノに群がる多喜門下生達。
先生の言うことを聞かずにみんな一斉にリストやショパンを弾き出す様子はなかなか壮観です。

私と沼田先生は、早々に個室を見つけ、静かな所でスラブ舞曲をこっそり練習します。
ハルカもアンティークピアノをなにやら爪弾き、サトちゃんは、寄木細工のような素敵なスタインウエイでラフマニノフやリストを弾きまくっています。

タッキー先生も可愛いアンティークピアノでトルコ行進曲をご機嫌な様子で弾いているのを発見!

どんなに音が混ざろうが、みんな自分の世界に入っている~
なんだか、すごい世界です。
やはり、ピアニストは中村紘子先生がおっしゃるように蛮族なのか。

あれこれさわって音を出し、ピアノの歴史を聴いたり、門下生の演奏や松本あすかさんの楽しいコンサートを聴いたり、本当に楽しい1日でした。

家ではNYスタインウエイの華やかな音を楽しんでいますが、ベーゼンの暖かい音もなかなかいいな~と新たに思う私でした。