その1からの続きです。
● びわ狩り真っ最中
びわ狩り中の画像は、ほとんどありません。
だって時間は30分だけ。撮影しているどころではないからです!
両手は、びわを採って食べるためのツール。
カメラをいじるものではありません。
びわ狩りの最中も雨は降っていましたが、歩いていた時のような激しさはなく、木陰にいたこともあって、まったく気になりませんでした。
というより、びわに集中していて、雨のことなんてどうでもよかったというのが本音です(笑)!
● 田中びわ
「大房(おおぶさ)」や「さとみ」など、いろいろな品種を食べてみた中で、一番おいしかったのは「田中」でした。
なんというシンプルなネーミング! 田中男爵が育てたものだそう。
お友達の田中さん(複数)に教えてあげよう!
「あっちの木になっているのは違う種類だから、採ってくるわ」
そういって急斜面を登り出す母。
さっきまで、「坂を登れない~」って杖をついていたのに。
フルーツ愛は大きなパワーを出すものですね。
これほど肉厚の、大きくてジューシーなびわは、ついぞ食べたことがありません。
夢中で食べ続けていると、農園の息子さんが再び現れました。
「どうですか?」
「おいしいです!! モゴモゴ」
「30分食べると、かなりおなか一杯になるでしょう」
「いーえ、まだまだいけます!!」
口をそろえて同じことを言う母と娘であります。
絶賛狩りモード中の私たちでしたが、時間が来たので、この辺でおしまい。
歩きだすと、身体がずっしりと重くなっていました。
びわがおなかにたまっているなあと実感します。
ああ、極上の時間でした💛
● 百年前の明治時代
農園でお土産用のびわを購入し、帰り道は息子さんに車で送ってもらいました。
(びわのシーズンが終わったら、どうするのかな?)と思ったら、「ほかに畑がありますが、自分は会社員なんですよ」とのこと。
この季節だけ、お休み返上でびわ園を開けているそうです。
「うちは代々ここで畑を耕していて、百年くらい前にびわ園に換えたそうです」とのこと。
百年前といったら明治時代。その頃から、びわが人々の食卓に上るようになってきたのかもしれませんね。
● びわソフト
親切な息子さんに道の駅まで送ってもらった時には、雨が上がっていました。
ここで、バスを待ちながらのんびり過ごします。
たくさんびわを食べてきたばかりなのに、2人とも何事もなかったかのようにびわソフトを食べました。
食べ飽きてないかって?全然!
この辺はやっぱり親子だなあと思います。
ここのびわソフトは評判で、一日1000個売れるんだそう。すごいー!
● 太巻き寿司
見るからにボリューム感たっぷりの太巻き寿司。千葉の郷土料理です。
どこかで見たことあるような顔…あっ、アンパンマン!
● 花のガーデン
雨は小康状態になり、降ったり止んだりしています。
止んだ時を見計らって、花壇の散策に出ました。
庭園には色とりどりの花が咲き乱れて、絵のような美しさ。
色鮮やか。やはり房総は、花の国ですね。
一年中楽しめるように いろいろな花を植えて、手をかけているのでしょう。
● 橋と飛び石
花壇の向こうには川があり、木の橋が架かっていました。
欄干のない橋は魅力的ですが、その横の飛び石の方が楽しそう。
飛び石を渡って向こう岸へ渡りました。
向こう岸から眺める道の駅の建物。
緑のとんがり屋根は、遠くからでもよく見える、富浦のランドマークです。
● 降ったり止んだり
ぱらぱら雨が降ってきたので、再び飛び石を渡って戻りました。
そばから見ると、ガーデン側はすべてガラス張りになっていました。
天気は相変わらず不安定で、スコールのような大雨が降っては止み、を何度も繰り返します。
「枇杷倶楽部」という名前だけに、道の駅にはびわ関連のお土産がたくさん揃っています。
母はまたもや、お土産を買いまくります。
私が去年ここで買って帰った、銚子電鉄のぬれ煎餅も買いました。
農家直売所で野菜も買い、2人のバッグはパンパンに。
● 帰りのバス
やってきた横浜行の高速バスに乗りました。
バスの中には、館山からの乗客が結構乗っていました。
高速道路は山の中を通っていますが、時々内房の海がちらっと見えます。
帰りもかなりの大雨。今回は、バスに乗ると雨が激しく降り出します。
視界不良のまま、海中にある海ほたるまで来て、そこから海底トンネルに入りました。
海ほたる
1時間半の道のりですが、雨のため、20分ほど遅れて到着。
途中の京浜工業地帯では、キリンならぬ赤いガントリークレーンをたくさん見かけました。
● 雨上がりの横浜
横浜に着くと、雨は止みました。
日中は激しく降ったようですが、ピークは過ぎた模様。
ベイブリッジを通ったので、天気が良ければ、紺碧の空と海を楽しめましたが、梅雨シーズンだから仕方がありませんね。
● 夕食もスルスル
昼食はびわだったので、横浜そごうで夕食を取ることにしました。
母お気に入りの、ゑべっさんのゑびす膳。
食べる前には「おなかパンパンになるほどびわを食べたから、入らないよ」と言っていましたが、着席してお膳が目の前に出てくると、スイスイおいしく完食しました。
みんな食べられちゃった。あれー?おかしいなー。
びわは80%が水分なので、とっても消化がいいそうです。
● epilogue
急に思い立って出かけてきた房総のびわ狩り。
最後の時期になりましたが、駆け込みで間に合ってよかったです。
ほかのフルーツに比べて、ちょっとお高めのびわ狩り。
母のたってのお願いでしたが、実は(手間や交通費を考えると、家で高級びわをたくさん食べる方がいいのでは?)と思っていました。
特に今回は、大雨の中を催行するのかとか、歩いて行けるのかなど、何かと不安要素が多かったこともあったので。
ところが、実際行ってみて、その考えはガラリと変わりました。
やっぱりびわ狩りってすごい!
まず、農園さんが見つくろって、今お勧めのびわの木のところに連れて行ってくれます。
プロの見立てなので、間違いありません。
そのびわは、贈答用の大きなサイズ!
さらに、もぎたてのびわは、みずみずしさが市販のものとは違うのです。
新鮮!
いや~、これまで、本当のびわの味を知らなかったんだな~と、つくづく思い知りました。
母も大満足。「心ゆくまで食べられたから、もうびわ狩りがしたいなんて言わないわ」と言っています。
今はそんなこと言っていても、来年また「食べたいから行く」と言い出しそう。
母が言わなくても、私が食べたくなって、また海を越えて行きそう。
帰宅後、母はさっそく農園で買ってきたびわを食べていました。
「えっ、さっきあれほど食べたのに!?」
「おいしいから、あなたも食べなさい」
そう言われましたが、体験したてのライブの余韻をしばらく残しておきたい私は、食べずにおきます。
母はどれだけフルーツ野郎なんでしょうね。
ゼリーまで出してきて…。
しばらくは、びわ三昧することでしょう。
今回は、掲載画像数が普段よりも少ないです。
それは、天気が悪くていい景色を撮れなかったのと、びわ狩りに集中して撮影を放棄したためです。後悔はしていません!
読んで下さった方には、雰囲気だけでも受け取っていただければと思います。
おいしいものは、人を幸せにする力を持っています。
この日、新たな禁断の果実の味を知ってしまいました。
それは、とても甘美なものでした。
母も私も、とてもハッピーな一日になりました。