風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

参拝ついでに百名山(つくば)

2013-11-03 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
● prologue
● 旅の友
● つくばエクスプレス
● つくばセンター駅
● 筑波山神社入口
● ガマの油売り
● ケーブルカー
● 男体山登山
● 女体山登山
● ロープウェイ
● つつじヶ丘
● メヒコの思い出
● 帰り道
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● prologue

楽しい3連休。気候もいいし、これはお出かけしない手はありません!
ということで急遽、筑波山に登ることになりました。

筑波山・・・行ったことがありません。
0歳から5歳まで、茨城(鹿島)に住んでいましたが、つくばはとても遠い場所でした。
小さすぎて、山なんて登れなかったし、当時は今以上にアクセスが悪かったからでしょう。

子供の頃に、茨城で聞いた昔話を思い出します。
「かつて、富士山と筑波山が、どちらが日本一高いかを競いあった時、筑波山の方が少し高そうだとわかったら、決着が着く直前に、富士山が筑波山を蹴飛ばして、筑波山がその分凹んでしまった。
それで筑波山は富士山に負けてしまった」という話です。

かなり富士山がチートキャラなんですが!
この話、他のところでは聞かないので、常陸地方の言い伝えでしょうか。
筑波山は、日本第2位の高さもないのに、富士山と対抗したという話があるのは、やっぱりお国びいきってことなんでしょう。
富士山によっぽど激しい蹴りを入れられたということかもしれませんが?(蹴りっていっても脚はどこから・・・?)
まあ、そんなわけで、ずるっこ富士山に敗れた筑波山を、この目で見たいなと思っていました。

● 旅の友

今回の旅の友は、花音ちゃんです。
いつも夢とフリルいっぱいの甘ロリ系ファッションで、道行く人を振り返らせている彼女ですが、今回はナチュラルメイクに、ジーンズ姿です。
「山ガールにもちょっと憧れているの。富士山にも登ってみたいな」
ふわふわしている夢ガールのようですが、実際にはなかなか根性がある、頼もしい子です。
「子供の頃に家族ドライブで筑波山に行ったけど、ロープウェイに乗ったことしか覚えてないから、行ってないとおんなじだわ」だそうです。

早朝に秋葉原で待ち合わせ。
いつものふわふわロリコスに比べて、半分くらいにシュッとなった普通の格好の彼女が、リュックをしょって現れました。
「アキバに甘ロリ以外の服で来ることなんて、初めてかも。」「そうなんだ~」
街には繰り出しません。すぐにつくばエクスプレスの構内へと入ります。

● つくばエクスプレス

今回は、筑波山きっぷを使いました。
4300円。なかなかのお値段で(それだけ遠くってことね)と思います。

つくばエクスプレス(TX)は新しいだけあって、地下に潜ること潜ること。
かなり近未来感が漂っています。
TXに乗るのは、これで2回目。
以前、守谷に遊びに行ったことがあります。
あの時も結構遠かったんですが、今回は始発から終点まで、まるまる乗って行くわけですからね。

● つくばセンター駅

快速に乗って1時間半、つくばセンター駅到着です。「結構乗ったねー」と言いながら降りました。
「駅の写真を撮りたいな」と言いながら地上に上がったら、なんだかもう普通の郊外の駅前で、撮るスポットも見つけられませんでした。
駅前のミスドでさっくり朝食をとってから、これからさらにバスに乗ります。
遠いわ~。
バスから眺める、筑波大学の敷地の広さにびっくりします。
筑波山も見えてきました。確かに「西の富士、東の筑波」と言われる美しさです。
早起きしたので、うつらうつら眠りながら行きました。

● 筑波山神社入口

紅葉シーズンのため道は渋滞し、1時間半かかってようやく「筑波山神社入口」のバス停に到着しました。
バイクをブンブン吹かせて、ヤンキーな方々がグルグル辺りを巡っていました。
大きな鳥居の前にいるのは・・・カエル?



● ガマの油売り

随神門横に、人だかりができていました。



そこには、ガマの油売りがいました。
おお~!ウワサには聞いていましたが、これがそうなんだー!
さっきのは、カエルじゃなくてガマだったんですね。
そしてガマの油売りって、この辺が名産(?)なのねー。



口上を述べる人は、袴姿にたすき掛けをし、鉢巻姿に刀を挿した姿で、朗々とセリフを述べています。
これ、暗記するの大変そーう。
「この人って、もともとサムライだったのかな」と花音。
「というより、講談家じゃない?」と私。
外国の人がすごくワクワクと、食いつき気味で見入っていました。
たしかに、外人が好きそうな要素がいっぱいありますもんね~。



神社の前には神橋もあり、古めかしい狛犬もいます。
つくば万博で展示された、宇宙の卵もありました。(なぜ?)



拝殿には大きな鈴が飾られていましたが、単なる飾りで、参拝時に鳴らせるものではありませんでした。(なぜ?)



あ、手水舎の懸魚のところに、ハートを発見♡



拝殿内では祈祷が行われており、境内には結婚式後のジャン・レノみたいな新郎と松坂慶子のような新婦が、幸せそうに記念写真を撮っていました。
ジャン・レノが、千歳飴の袋を持っていて、ちょっとかわいかったです。今七五三で、親族に子どもたちがいましたからね。

● ケーブルカー

そこから宮脇駅のケーブルカー乗り場へと移動します。
石段を登って行き、ちょっと息切れします。
(そういえば、伊勢原の大山でもケーブルカー乗り場への道がきつかったなあ)と思い出しました。
なんとなく、この筑波山は、大山の印象と重なります。
途中、「是より男体山」と書かれた石碑がありました。



大勢の人たちがおり、行列に並んで、ケーブルに乗りました。
今年は、例年以上にケーブルカーに乗っています。
これで何度目かしら・・・大山ですでに2度乗っているし、高野山でも乗りました。
「リカは山ガールにならないの?」と花音。
そんな根性、ありませーん。



本当に登山を楽しむ人たちは、ケーブルカーには乗らず、きちんと下から歩いています。
みんな歩きながら手を降ってくれますが、坂のかなりの急傾斜に驚きます。がんばって~。

● 男体山登山

山頂駅に着き、ぞろぞろとケーブルカーを降りると、そこにも人は大勢いました。
まずは男体山の方へと登ります。
ごつごつとした険しい石場を登っていくため、すぐに疲れてしまいそう。
下から見上げて「うわー」と言ったら、「15分って言うから、頑張ろう!」とロリータに励まされました。



細い岩場を、登る人と降りる人が譲り合いながらすれ違います。
がんばって登って行くと、山頂に着きました。
山腹の拝殿に比べて、はるかに小さな拝殿が鎮座していました。





ここは男体山本殿。社務所には神主さんがおいでで、御朱印をお願いしました。
ふと見ると、狛犬を発見!一匹だけ、ちょこんと拝殿の前にいました。

この日は曇りで、山の上まで登ったけれど、全く見渡せませーん。残念。



山の向こうにも、拝殿が見えます。女体山本殿です。
筑波山のことを全く知らずにやってきましたが、筑波山には男体山と女体山があるんですね。
男体山といったら、日光しか知りませんでした。
この神社は、神仏分離前には筑波山大権現、中禅寺と呼ばれていたそうで、ますます日光との共通点を感じます。

男体山を降りた頃には、小腹がすいていました。
レストハウス前で串に刺された焼きだんごが売られていたので、花音が「食べたーい」と寄って行きましたが、お店に入るのにも長蛇の列だったので、あきらめました。
画像は、下りのケーブルカーを待つ行列です。なにをするにも行列ができている混みようでした。



● 女体山登山

お腹をすかせて女体山に登ります。
道すがら、祠にお地蔵さんが2体いました。
笠地蔵のよう。荒いつくりの祠ですが、大切にされているお地蔵さんだなあと感じます。



途中、ガマ岩もありました。
確かに口を開けたガマみたい。
そこに石を乗せるといいのか、何人もの人が挑戦していました。
なかなか乗らず、難しそうでした。



女体山には階段ができていて、こちらの方が登りやすかったのですが、なんだかすごく混んでいました。
(女性の神様の方が人気があるのかな?)と思いましたが、みんな、参拝もせずに拝殿前をスルーしています。
女体山から眺めた男体山。形がいいです。



筑波山は、男体山より女体山の方が6m高いのです。(なぜかしら?)
つまり、こちらの山頂が、筑波山頂(877m)ということ。
みんな、山頂めがけて集まっているんですね。
ここでも御朱印をいただきました。



山頂付近は、押すな押すなの大混雑ぶり。
もうギュウギュウです。
みんな「日本百名山」と書かれた前で写真を撮ろうとして、まったく列が動きません。
ここは日本百名山中もっとも低い山。だから登りやすくて、大人気なんでしょう。



ごつごつの岩場のため、誰かが足を踏み外したら、すぐに怪我をしてしまいそうな不安定な足場。
本当に登山者の人数が多すぎて、山頂には入りきりません。
私達は、さらっと眺めるだけにしました。
きっとここは、都内のどこよりも局地的に混んでいたに違いないわ~!



この日は曇りで、ガスがかかっており、景色はよく見えなかったんですが、山頂付近からは、あたりの山々の峰が少しだけ見えて、逆にロマンチックでした。
いいことあるぞ~、ミスタードーナッツ!(そういえばさっき食べたんだった)

● ロープウェイ

どんどんと坂を降りて、今度はロープウェイの方へと行きます。
待っている間、かなり冷たい風が吹いてきて、手もすっかり冷えました。
もうすぐ冬がやってきますね。



ロープウェイからは、山が紅葉しているのが見えました。
ああ、秋だわー。
車道は、まだ大混雑していて、みんなで見下ろして(わあ・・・)と閉口しました。
でも、それは登り方面だけで、下りはスカスカ。
この時期、夜のライトアップも行われているそうで、それに向かう人たちなのかもしれません。

下まで着くと、寒さも和らぎ、辺りの紅葉もなくなっていました。
それだけ標高が高かったわけです。

● つつじヶ丘

ロープウェイを降りたつつじヶ丘で、ちょっと休憩。
花音はようやく焼きだんごにありつけました。
私は、梨のソフトクリームが気になりましたが、ちょっと寒かったので「ロ~ズポ~クまん」なるものを食べてみました。
柔らかくて美味しかったです。

     


目の前には、巨大なガマが。
鳥居もあり、「ガマ大明神」と書かれていました。
「ってことは、ガマの神様が祀られているのよね?」と花音とひそひそ。
「御朱印とか、あるのかな?」



気になりましたが、ガマの神様にお願いすることはさしあたりなかったので、参拝はせずに駅行きのバスに乗ってまた戻りました。
行きよりも長くバスに揺られていきます。

● メヒコの思い出

帰り道、なにげなく外を見ていると、メヒコがありました。
メ、メヒコ・・・!
忘れていた記憶が一気に蘇ります。『失われた時を求めて』のマドレーヌ体験です。
私が「メヒコ、メヒコ!」ととつぜん興奮しだしたので、隣の花音は「なになに?」と、驚いていました。

幼稚園児に鹿島に住んでいた頃、親に連れられて行ったことがあります。
ここには、ピンクフラミンゴが何羽もいて、子供心にもとても印象が強く残っていました。
このレストランで「シーフードピラフ」という料理を知りました。
「わー、入りたいー」と言って窓ガラスに張り付きましたが、バスはそのまま動いていきました。

「この辺にあるのは、あそこだけみたい」とネットを調べる花音。ああ、メヒコ、さようなら~。
一気にメヒコのシーフードピラフが食べたくなっちゃいました。
「もっと近くの浅草とかにもあるじゃない」と、花音は言いますが、違うのよー!
メヒコでもピンクフラミンゴがいる店舗と、いない店舗があるんですー。
フラミンゴがいる店舗は、福島と茨城だけ・・・う~ん、遠いわ。
その話を後で両親にしたところ「前だって遠かったから何度も入ったわけじゃないのに、幼稚園児の記憶力もバカにならないわね」と驚かれました。

● 帰り道

バスは駅に着きました。もう日が暮れて暗くなっています。
「もっと時間が余るかなと思ったけど、結局、筑波山に登っただけになっちゃったね」と言いながら、食べるところがなさそうなので、秋葉原まで戻りました。
快速で1時間半。
それでもTXができたことで、筑波山と都心がぐっと近くなったわけですね。
それで日本百名山なんですから、日帰り登山客に人気のわけです。

秋葉原に着いてから、ようやく食事をとりました。
考えてみたら、この日は朝のドーナツと途中の肉まんだけで、きちんとした食事をとっていませんでした。
でもそんなに腹ペコにはならず。女性同士だと、意外ともっちゃうものです。

早朝の秋葉原は静かでしたが、夜になると、一気に目覚めてパワフルになっている町。
筑波登山帰りの目には、ちょっとテンションが違って見えました。
その後、なぜかこんな路地を通り抜けることになったり、



こんな無人の神社に向かったりして、夜のアキバにちょっとドキドキしましたが、



旧万世橋駅ホーム・階段遺構をもとに作られた、できたばかりの新商業施設「mAAch(マーチ) ecute 神田万世橋」を見学して、帰りました。




私はここからさらに1時間かけての帰宅。
山に着くまでに電車電車、バスにケーブルカーと、たくさん乗り物を乗り継いで行った、近いようでやっぱり遠い筑波山。
でも、実際に行ったことで、幼少時からずっと同情を寄せていた「富士山に蹴られた(?)かわいそうな筑波山」が、大勢の登山客たちに愛されていることがよくわかって、嬉しかったです。
花音もとても楽しかったそうで、「また行こうね」と約束しました。
「スニーカーもたまにはいいけど、次は都心のドルチェなロリイベントに、一緒に参加する?」
・・・いえいえ、またジーンズで郊外に繰り出しましょう!(笑)


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