2日目からの続きです。
3日目の朝も、母につられて早起き。寝不足が続きます。
新大阪駅からJRで大阪駅に移動します。
人がいっぱいいますね~。
新大阪駅にはそこそこ慣れてきましたが、大阪駅の改札を出ると、右も左もわからずにうろうろ。
JR大阪駅西側高架下からバスが出ます。そこに行こうと、桜橋口改札に向かいましたが、 階段しかなく、立ち尽くしました。
脚が弱い母が極力階段を使わずに済むように、いつもエスカレーターかエレベーターを探していますが、そのどちらもありません。
私だけ先に階段を降りて、改札の駅員さんにエレベーターがないかと聞きましたが、中央口改札以外、近くのほかの改札にもないとのこと。
えっ、本当に? 大阪一大きな大阪駅なのに...。古い駅だから?
とはいえ、それほど長い階段ではなく、母もまだ疲れていなかったので、手すりにつかまりながら、一段ずつゆっくり下に降りました。
後で調べたところ、どうやら皆さん、デパートのエレベーターを使っているようです。
でも駅の構造もわかっていない旅行者には、そうした抜け道はわからないんですよね~。
駅員さんがそういうルートを教えてくれるのかは微妙だし…。
● 徳島行きのバス
駅横のALBiの前に、徳島行きの高速バス停留所があります。
予定時刻10分前に大型観光バスが到着しました。
予約したときには、まだ2席しか埋まっていなかったので、(乗客は4人だけだったりして)と思っていたけれど、車内は満席でした。
時間ピッタリに発車。座席が高い場所にあるため、振動がほとんどなく、すべるように動いていきます。
バスは大阪の中心部を抜けていきます。
高い目線から、中之島公園の重厚な建物を眺めて、ミニ市内観光気分。
そこから海沿いに抜けると、独特の建物が見えました。
「あれって、ユニバーサルスタジオじゃない?」
と、母とキャッキャッと話していましたが、なんとゴミ処理工場だったと判明。
大阪市環境局 舞洲工場と舞洲スラッジセンターの塔だそうです。
夢の国とゴミ処理場の区別がつかない大阪。さすがです。
東京にも夢の島という名前のゴミの島がありますが、こんなにドリーミンではありません。
剣菱の酒造の工場です。
灘の辺りにきたんだなあとわかります。
剣菱酒造工場
最前列なので、気分爽快です。
神戸の臨海工業地帯にさしかかりました。
たくさんのキリンさんたちが水を飲みにやってきています。
京浜工業地帯クルーズでよく見た、ガントクレーンです。
ポートアイランドの辺りにさしかかりました。赤いポートタワーが見えます。
反対側は六甲山。
横浜港に似ている地形ですが、こちらの方が山の高さがハンパありません。
だって、ロープウェイもあるくらいですからね。
美しいですね。機能性と芸術性が組み合わさった建築美に見とれます。
最前列の座席からよ~く見えて、ああ幸せ。
この橋は4キロ近くもあるので、存分に鑑賞できます。
横浜ランドマークタワー(296.3 m)よりも高いんですね。圧倒されました。
途中の小さな室津PAで休憩タイム。
島に自分の足で上陸しようと、バスを降りてみました。
淡路島を超えて、淡路島と鳴門市を結ぶ大鳴門橋。
橋の長さは1629m。淡路島は明石よりも徳島の方に近いんですね。
なのに兵庫県なんですねー。
調べてみると、淡路島はもともと徳島藩が収めていたものの、「庚午事変(こうごじへん 稲田騒動ともいう)」 という独立騒動が起こったため、政府が兵庫に所属を換えたのだそう。
淡路島と徳島は、仲が悪かったようです。徳島の民が、淡路島の民を、島モンだと差別していたのだとか。
どっちも島なのにね~。
この辺りは、いつかじっくり歴史をひもといてみたいです。
これが噂に名高い、鳴門のうず潮ね~!
30分ほど前がピークだったようで、少し小振りでしたが、瀬戸内海のあちこちに渦ができてぐるぐると回っていました。
この目で見られて嬉しい! 写真にうまく撮り切れなかったのが、残念!
● 大塚国際美術館
大鳴門橋を渡りきると、そこは四国徳島。
渡ってすぐのところに、目指す美術館はありました。
大阪から2時間少しの距離。高速バスはずっと飛ばしてきましたが、やはり距離があります。
入り口を入ると、巨大なエスカレーターがずーーっと上に続いていました。
ビル5階分くらいはあるかしら?
入り口はかなりシンプルですが、入るといきなりのゴージャス感に圧倒されます。
上まで上がって行くと、そこは地下3階でした。
どういうこと?よくわからず混乱します。
バス停は海面上の平地にあり、1階と考えるのが普通ですが、山の中にできているこの美術館としては、地下6、7階くらいの場所になるようです。
展示室は5階分になっており、上部の1階、2階以外は山にすっぽりと覆われているので、山すその正面玄関を入り、エスカレーターでグーッと上った場所が地下3階になるのです。
(詳しくは公式サイトのフロアマップをご参照ください)
● 陶板画ミュージアム
大塚国際美術館では、陶板画となった世界中の名作絵画を観ることができます。
陶板画とは、画作品を陶器の板に原忠実に再現したもの。
ここは日本最大級の常設展示スペースを持つ陶板名画美術館で、世界26カ国・1000点以上の陶板名画が展示されています。
変色などの劣化に強く、色や姿を2000年以上保つといわれる陶板画。
ここでは、名画の写真撮影もOKですし、触ってみることだってできるのです。
正面玄関からエスカレーターで地下3階に上がります。
すぐのところにシスティーナ礼拝堂がありました。
度肝を抜かれました。
最後の審判
かつてバチカンでオリジナルを見たときのようなめまいを感じます。
アダムの創造
デルフォイの乙女
大きさを示すために、デルフォイの乙女の部分が下に展示されていました。
人間よりも大きな一枚でした。
システィーナ・ホールの『Lemon』スペシャル陶板
うーん、多彩!
到着したのは11時半。帰りのバスは16時半。美術館で5時間過ごせます。
一つの美術館にそんなにいたら飽きてしまわない?と思うでしょう。
でも、ここには2日かけても足りないほどのたくさんの、世界中の名作の陶版画があります。
5時間あっても、おそらく足りないでしょう。
なにもかもわからないため、ガイドブックの地図が頼り。
モデルコースに沿って見ていくことにします。
観たことがある絵画がたくさん。すべてオリジナル作品と同じ大きさです。
以前見たことがあるオリジナルの記憶も曖昧になっており、ダ・ヴィンチの『モナリザ』は記憶よりも大きく、レンブラントの『夜警』は小さく、正方形に近くなっているように感じました。
● 環境展示
一つのフロア面積がとても広く、細かな展示室に分かれています。
B3階には“環境展示”といって、古代遺跡や礼拝堂の壁画を空間ごとそのまま再現する展示が多くみられました。
『スクロヴェーニ礼拝堂壁画』
北イタリアの『スクロヴェーニ礼拝堂』の内部を再現した空間。
すべて手作業でなされたであろう、繊細な壁画に圧倒されます。
「聖母マリアの生涯」の12場面や「キリストの生涯」の25場面が描かれており、時が止まったかのような静けさ。
美しい青い天井が印象的でした。
● 西洋美術史の流れ
館内は、古代から現代まで年代順に作品が並び、西洋美術史の変遷が分かるようになっています。
古代・中世期のB3階からB2階へ上がり、華やかなルネサンス美術やバロック美術の時代へ。
親しんだ絵が増えてきました。
B1階は印象派メイン。1階と2階は現代とテーマ展示。
ルーベンスの『キリスト昇架』
『フランダースの犬』でネロが死の間際に観たキリスト降架の祭壇画がありました。
見上げていると、私もネロの気持ちにシンクロしてきました。
パトラッシュ、もう疲れたよ…。
ベラスケスの『ラス・メニーナス』
全体をざっくりと一周して、おおよその美術館の大きさをつかみました。
触ってみたーい!
でも、意外とみんな、触らないんです。(本当にOKなのかな?)と心配になってしまうほど。
もしダメなのに触ってしまったら、大騒ぎですからね。
子どもでさえ、触っていません。
心配になってきますが、せっかくなので触れてみましょう。
周りの様子を見ながら、さりげなさを装って、こっそりちょっと絵に触ってみました。
すると、母もそれに続いてちょっとタッチしていました。
「お母さんも同じだったんじゃーん!」
世界に散らばっている彼の作品を一度に観られるなんて、すばらしいことです。
● アートコスプレ
今は館内でコスプレ期間中。
ここのコスプレ企画は、なかなか本格的でいいと、いつもお世話になっている「青い日記帳」の管理人さんが教えてくれたので、今回の楽しみの一つとして、やる気満々でやってきました。
昨日はちょうど、TMレボリューション(西川貴教)がやってきて、一大コスプレイベントを行ったそう。
あの人、なんでも似合いそうだわ~。
まだその熱気冷めやらずといった感じで、館内には熱さが残っています。
合い言葉は「ガチでルイ」! ガチって・・・。本気モードですね。
ルイと笛吹少年になったレボレボ
● ガチでルイ!
ということで、さっそく私も挑戦しました!
扮するのは、太陽王ルイ14世です!
実際にやってみると、これがなかなか難しいです。
見本があるのって、楽なようでしばりが多くなりますね。
角度が違うと雰囲気も変わってくるため、身体の向きや角度にまで注意をする必要が出てきます。
なりきりルイ!
カツラがもじゃもじゃで、笑いながらかぶりました。
この衣装、一着だけではないんです。
大人用が2着、子供用も2着ありました。
私が撮影を終えて衣装を脱ごうとした時には、もじゃもじゃの髪の別の女性が、ほぼルイになりかけていました。
その人は、白タイツまではいて、本格的!
私はとても見せられない脚なので、ジーンズで誤魔化してしまいましたが、美術館も、白タイツ推奨なんですよね。
本当にガチです!
ロココ美術の代名詞、 『ぶらんこ』です。
女性のふんわりとした、空を飛べるようなドレスがすてきですね。
この格好ができるなんて、すごい~!
なりきりぶらんこ!
そのため、オリジナルのように宙は舞えませんでした。
ポーズをとっているときは、とても恥ずかしいのですが、あちこちにいろいろな衣装が準備されており、なりきっている人は結構います。
笑う人なんて誰もいないので、まったく悪目立ちしません。
なんといっても、美術館が勧めているんですからね!
撮影してくれた母も、笑いながら楽しんでいます。
着てみて実感しましたが、衣装は分厚くてなかなか本格的。
これなら、写真映えしますね!
その2に続きます。
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