風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

山の上のお寺と海の傍の神社 2

2017-07-28 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
その1からの続きです。

● 奥久慈蕎麦

八溝山を無事に下山したら、安心して急におなかが空いてきました。
気が付けば、もうお昼も過ぎた頃。
そこで「打ちたてそば処 待月(まちつき)」に向かいました。



お昼しか開いていないお店に、14時少し前に着いたので、(まだ大丈夫かな)とドキドキしながら扉を開けます。
土日は15時まで営業中でした。
「ああ、よかった~」と口々に言いながら、中に入ります。



平屋の古民家を改築したお店。靴を脱いで座敷に上がりました。

● 鮎の天ざる

「ふう」と一息つく私たちに、「まずはご注文を伺いますねー」とお店のおかみさん。
「は、はい」とメニューを開けながらも、壁に貼ってあった「鮎天ざる」の字が気になります。



「私、あそこに書いてる鮎天ざるの蕎麦にしようかな」
「あ、私も気になってたんだ」
結局3人とも、それにしました。

このお店は、注文を受けてから蕎麦を打つそうです。
それで、すぐにオーダーを聞かれたんですね。
おなかペコペコだし、楽しみ~。

古民家のおちついた空間でくつろぎながら、しばし待ちました。
お店の横を、八溝山に水源を持つ清流、久慈川が流れていました。

● 注文後に打つ蕎麦

「お待たせしました」



やってきました~。うわあ、おいしそう!
そしてすごい量です。


打ちたてほやほや!


手切りの不揃いな蕎麦に嬉しくなります。
ほのかに香る麺。コシはありすぎず、優しい食べやすさです。


揚げたてほやほや!


どれもサックサクです。食べると、シャクシャクと軽やかな音がしました。
野菜はどれもちゃんと味があって、新鮮。地元で採れたものなんでしょう。

メインの鮎は、籠の一番奥にありました。
思ったよりもビッグです。
そういえば、これまで塩焼きで食べることが多く、天ぷらは初めて。
衣の分、一回り大きくなっているんですね。

天ぷらはどれもおいしく、悔いを残さないように全部いただきました。
とってもボリュームがあって、おなかははちきれんばかりにパンパン。
奥久慈の食材の美味しさを堪能できました。

● 観光地をスルー

お店を出たのは、閉店ぎりぎりの15時。
満腹で動けませんが、もう一つお寺に行きたいので、あまりのんびりはしていられません。
奥久慈から一路、常陸太田に向かいました。

途中には、日本三大名瀑の袋田の滝や龍神大吊り橋といった有名な見どころポイントがいくつかありますが、今回優先するのはお寺。
ぎゅっと目をつぶって、楽しいところを通り過ぎます!



鉄橋がありました。この辺りを通っているのは、茨城の水戸と福島の郡山を結ぶ水郡線。
奥久慈清流ラインと言われているそうですから、久慈川沿いにきれいな景色が見られるんでしょうね。



山は山で美しく、平地は平地できれい。
自然って素晴らしいです。
この辺りは見渡す限り、高い建物はありません。

● 坂東三十三観音霊場二十二番札所 佐竹寺

佐竹寺に到着したのは、16時40分過ぎ。
「17時には間に合ったけど…」と言いながら、急ぎ足で仁王門をくぐり、境内に入りました。
金の日の丸の扇が飾られている、立派な門です。



門をくぐってまっすぐ奥にある本堂も、また立派なものでした。
かやぶき屋根に温かみを感じます。
狛犬は山犬でした。



● お寺の中ではお寺のルール

でも、納経小屋は閑散としており、人の気配がありません。
誰も中にいないのかな、とそばまで行ってみました。
「4時半まで」と書いた札が下がっていました・・・。

「えー、そんなあ」「5時じゃなかったなんて」
がっくりと肩を落とす私たち。
ここまで来て・・・たった10分遅れで・・・orz



でもお寺の中は、お寺ルール。
たとえ1分でも、時間が過ぎたら受け付けてもらえなかったりします。
それでも修行の身である以上、文句は言えません。人生はキビシイのです。

でも今回は、私たちの気配が聞こえたのか、奥の庫裏からお寺の奥様が現れて「どうぞ」と言っていただきました。
庫裏に行き、恐縮しながら、御朱印をいただきました。
わあ、ありがとうございます~。人生はバラ色だわ!



ここは千葉の名門佐竹氏18代の佐竹義昭が、佐竹城(太田城)の鬼門除けとして庇護したお寺。
古めかしい境内には、何匹もの猫がいて、のびのびとくつろぐ様子に癒されました。

● 日立のエレベーター塔

それから、朝に集合した勝田の町へと向かいました。
行きの時から気になっていた建物がまた見えたので、聞いてみます。
「あのまっすぐ伸びているタワーみたいなの、なに?」



この辺出身のアコリンが教えてくれました。
「あれは、日立のエレベーター試験塔」
G1(ジーワン)TOWERといって、エレベーターの研究や開発に使っているそうです。

「以前は、横にある紅白の方だったんだ」
確かに、もう一つ背が高いタワーがあると思っていましたが、どちらもエレベーター試験塔だったとは。
白い現役のタワーは213.5mで、先代は90m。
ずいぶん高さが違うと思ったら、新しいG1TOWERは世界一高いエレベーター研究塔なんだそうです。

こんなところに世界一が!
G1TOWERといい、牛久大仏といい、茨城には世界一の建築物が多いのかもしれませんね。
龍神大吊り橋もなかなかの迫力ですし。

私が「ああ、あの上から下をのぞいてみたいな」とため息交じりに言ったら、「え~!」と声が上がりました。
2人とも高所恐怖症だそうです。あらもったいない。



車はそのまま、海の方へと向かいます。
久慈川流域からはもう離れ、この辺りを流れる川は、那珂川に代わっています。
大橋から見える空から、そろそろ夕方にさしかかっていることがわかります。

● 大洗磯崎神社

着いた先は、大洗磯崎神社。
前々から訪れたいと思っていた場所です。



本殿横に、今年の干支、酉の大きな絵馬がありました。
その横にあるのは、ガルパン(ガールス・パンツァー)の大絵馬。



迫力に圧倒されますが、以前『らき☆すた』の聖地として盛り上がる鷲宮神社(埼玉)を参拝したので、もう驚きません。
大洗はガルパンの聖地ですからね。

● 海からの参道

本殿の楼門から、白い鳥居が見えます。
更にその向こうに、まっすぐ海が臨めます。



参道を戻り、小さな白い鳥居のところで振り返りました。
楼門の奥に本殿が見えます。
備前焼の狛犬が護っていました。



● ふんばる狛犬くん

小さな白い鳥居から、海に続く石段を下りて行きます。
下まで降りてから、海沿いの大きな白い鳥居の下まで行きました。



大鳥居の下で、神社を振り返りました。
降りてきたばかりの迫力のある石段が見えます。



石段を降りたところにいる狛犬は、とっても大変そう。
参拝者たちが、海岸で拾った石を乗っけているようです。


(うう、重い・・・)



がんばれ、狛犬くんたち!


海岸の石は平たいものが多いから、乗っけやすいんでしょうね。
もうほとんど石と同化していました。

● 海辺の鳥居

ここが、私たちが訪れたかった、海辺の神磯の鳥居。
美しい光景です。


風と波の音しか聞こえません。




ここは日の出が望める太平洋岸。
そのため、お日様は海に沈みません。
それでもほんのり美しい夕焼けが広がります。


そばにいる友の声さえ、かき消されて遠くなります



しばらく自然の音に耳を傾けていました



風と波の音しかしない、静かなひと時でした。


● お互い聖地巡礼中

駐車場には、ガルパンの車が停まっていました。
聖地巡礼中ですね。



私たちも巡礼中ですが、お互いちょっと、聖地の意味が違うんですよね~。
スタイリッシュなデザインでした。

● メヒコ発見

帰り道の道路沿いに、メヒコを発見!
「あ、メヒコ!」と反応する私。
茨城近辺で展開しているシーフードレストランで、茨城に住んでいた幼稚園時の頃に入っていました。



ここのカニピラフ、食べたいな~。
でも昼の天ぷらで、まだおなかいっぱいです。


美しい夕焼け。この日は一日いい天気でした。


● それぞれの帰り道

勝田駅に戻ったのは、19時過ぎ。
レンタカー屋の受付の人と整備の人、それぞれに「八溝山はどうでしたか?」と聞かれました。
借りた時はピカピカだった白いデミオも、胸突き八丁の山登りをしたので、かなり土埃をかぶったことでしょう。



駅で、それぞれ解散します。
アコリンは近くのご実家へ、アキポンは館林へ。
私が水戸経由で横浜の家に帰宅した時には、23時近くになっていました。

● epilogue

この日は、日輪寺と佐竹寺という坂東観音巡りの2つのお寺のほか、大洗磯前神社を参拝しました。
なかなかたどり着けずに手をこまねいていたアクセス困難なお寺に、とうとうお参りできて、数年越しの悲願達成!
そして、ずっとこの目で見てみたかった、夕暮れ時の磯に立つ鳥居も見られました。
車移動でしたが、山と海をワイルドに堪能できた一日。

そして、その場に行かないと味わえない八溝山の湧水と、奥久慈の手打ち蕎麦と鮎を堪能できました。
さらに、同行の2人とも朗らかで話題が豊富でフットワークが軽くて、車の中でもずっとハッピーに過ごせました。
そんな、盛りだくさんの充実した一日でした。



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