○ prologue
○ 大原(実光院、勝林院、宝泉院)
○ 赤山禅院「数珠供養」
○ 上賀茂神社「鎧着初め式」「新嘗祭」
○ 深泥池
○ 半木の路
○ 法然院・安楽寺
○ 金戒光明寺・真如堂
○ 外国の京都観光者
○ この日のお気に入り
○ prologue
もはや毎秋恒例となっている京都旅行。3連休のうち1日は奈良に行こうと計画していますが、京都でのプランは特に立てずに出発しました。
初日、京都に降り立つと、小雨が降っており、空もどんより。京都タワーも灰色です。
天気の悪さに、なかなかスタートエンジンがかからず、気付けば9時近くになってしまいました。
この日に奈良観光をするつもりで、京都駅で「奈良・斑鳩1dayチケット」を買おうとしたところ、近鉄では売っていないと教えられました。
地下鉄版ならありますが、私がほしい京阪版は、出町柳辺りまで行かないとだめだそうです。
移動時間を惜しんで、奈良は最終日にし、この日は急遽京都観光をすることにしました。
京都のガイドブックは荷物と一緒に預けてしまって手元にありません。
でも、これまで何度も旅しているので、なんとかなるでしょう。
もう出勤時間ですが、メトロの京都駅で降りる人は誰もいませんでした。代わりに、四条駅でゴッソリ人が降ります。
京都駅で働く人や、電車で出勤する人は少ないんだろうなあと思います。
○ 大原(実行院、勝林院、宝泉院)
奈良のつもりだったため、すぐには京都を観光する気分になっていません。
京都モードにシフトチェンジできるところにしよう、と向かったのは、大原でした。
三千院参道を通って、実光院、勝林院、宝泉院を巡りました。
堂々とした本堂の勝林院は、比叡山の僧侶と浄土宗の法然との宗論(大原問答)が行われた天台宗の寺院です。
紅葉が程良く色づいており、昔そのままののんびりした日本の農村風景に癒されます。
お地蔵さんの横には「一粒の米の大切さを忘れぬよう、日々食することに感謝を!!」と書いてありました。
「京都~大原三千院~♪」でおなじみ、「女ひとり」の歌詞もありました。
お寺もいいですが、このあたりの静かな田園光景にはほっとします。細道をゆっくり歩いていたら、すっかり京都気分になりました。
気持ちの切り替えもできたところで、大原を後にします。
大原は市街地から離れているため、中心地ほどの混雑はないものの、三連休とあってバスには長蛇の列ができています。
行き先にこだわらず、来たバスに乗りこみました。
画像は、谷瀬の辺りの紅葉です。
この日は赤山禅院で、年に一度の数珠供養が行われることを思い出して、行ってみることにしました。
○ 赤山禅院「数珠供養」
バス路線図を見て、一番近そうな「宝ヶ池」で降りましたが、そこからの道がまったくわかりません。
すぐそばに叡電の宝ヶ池駅がありましたが、無人の上に近隣地図がないため、手掛かりがなく大いに困りました。
ちょうど、そばのダスキン会社の駐車場の車から人がぞろぞろ降りてきたため、聞いてみましたが、誰も知りません。
近くの人でも、意外にわからないものなんですね。それともマイナーなお寺なんでしょうか。
業務用の細かい地図を取り出して、探してくれました。
「たしか修学院の隣にあるんです」と言いましたが、この辺り一帯が「修学院○○」という住所なので、さっぱり絞り切れません。
そこに、会社の女性が来て「隣の駅が最寄りよ」と教えてくれたため、ちょうど来たバスに飛び乗りました。
運転手さんに聞いたら、次のバス停だということで、降りて歩きました。
以前来た道と同じになったので、そこからは迷わずに行けました。
ここの紅葉はとてもきれい。山の中のお寺で、あまり観光地化されていない閑静な雰囲気が心地いいです。
前回訪れた時は、閑散としていたお寺でしたが、数珠供養日ということで、この日は信徒さんであふれかえっており、駐車場はいっぱいでした。
茅の輪ならぬ、大きな数珠の輪をくぐりぬけて参拝します。
ここは比叡山延暦寺の別院なので、比叡山の大阿闍梨がありがたいお話を聞かせてくれていましたが、大混雑していたため、邪魔にならないよう、お参りだけして後にします。
日本中から送られてきたお焚き上げ用の数珠が、たくさんダンボール箱に詰められていました。
敷地の奥にある羅漢石仏には、黄色い銀杏の葉がかかっており、ひっそりとして趣がありました。
○ 上賀茂神社「鎧着初め式」「新嘗祭」
京都中心部の北の方にいるため、次は西方面の上賀茂神社に行ってみようと思いました。
出町柳そばにある下鴨神社は、便も良くて行きやすいのですが、上賀茂神社はぐっと上になるため、下鴨神社ほどお参りできていない気がします。
到着し、さあ参拝しようと鳥居の前にさしかかると、遠くから行列がしずしずと近づいてきました。
みんな鎧装束で、出陣前といったいでたち。こういう格好の武者たちを観るのは初めてで、目を見張ります。
「鎧着初め式」がちょうど始まったところでした。
たまたまその場にいられるなんて、ラッキー。成人男子のあとには小さな子供たちもそれぞれ体にあった鎧を身にまとって、行列を成しています。
七五三よりは年上といった年齢でしょうか。
大人も女の子もおり、外国人女性の姿もありました。
こういう行事もあるんですね。
神殿には、みずみずしく青々とした野菜が供えられており、「新嘗祭」という看板が立っていました。
そういえば今日は新嘗祭の日でもありました。
ちょうどいい日に参拝したことになります。
奈良に行かなくて、結果オーライだったかも。
変わらない明神川の清いせせらぎに、ほっとしました。
○ 深泥池
周辺地図をみると、東の方に貴船神社がありました。
鞍馬とはまた別の場所に貴船神社があるのが気になって、行ってみることにしましたが、見つからないままバス通りに出たため、今度はバス停にもある深泥池(みぞろがいけ)に行こうと思いました。
ここは日本を代表する心霊スポットとして知られているそうで、これまで怖くて近寄れずにいました。
バスで通りかかるたびに、いつも緊張していましたが、上賀茂神社にお参りをして心身が澄み切っている今なら、ミステリースポットも大丈夫そう。
それでも、野菜直売所のおばあさんに道を聞いたら「え?池に行きたいの?」とゆっくり念押しされたので、(やっぱりアレなのかしら?)と不安になりました。
池は、傾斜のきつい曲がり角のところにありました。急カーブの車道は、池のせいでしょうか?
交通量も多いため、これは油断をすると、池に落ちるなどの事故につながりそうです。
面積約9haの池自体は自然環境がよく、国の天然記念物に指定されています。
見た感じ、もの静かな池で、名前からイメージされる恐ろしさとは無縁のようですが、水深5mの表示を見つけて(湖面は静かなのに、実は立てない深さだなんて、こわい~)とひやりとしました。
池の底が何層にもなっている底なし沼だと言われているそうです。
あまり長居はせず、やってきたバスに飛び乗りました。
○ 半木(なからぎ)の路
次に半木の路を歩こうと、「植物園前」で降りました。
賀茂川の北大路橋と北山大橋の間の、左岸散策路のことで、「半木」とは、かつて川の隣にあった神社の名前に由来しているそうです。
春は桜の名所だそうですが、今は落ち着いた散策路で、市民の憩いの場所となっていました。
石橋を伝って対岸へと渡ります。
真ん中で足を止めると、まるで賀茂川の中にいるような気分になりました。
○ 法然院・安楽寺
東山へと向かいます。京都に来たらかかさず訪れている場所です。
ツタのからまるおしゃれな洋館にうっとり。個人宅を喫茶店にしているそうです。
いつも静かな環境なのに、今回はツアー団体客も来ていて、押すな押すなの大混雑。
これほどまでにここで人を観たことは今までなかったため、驚きました。
人を入れないように写真を写すのが大変。
隣の安楽寺は、これまで開いていたことがなかったのに、今回はわりと長めの秋の公開期間を設けていました。
ここで有名な入口の石段の落ち紅葉はきれいに片づけられており、残念ながら見られませんでした。
霊鑑寺も駐車場に誘導の人がついていました。
毎年毎年、少しずつ変わっていくものですね。
○ 金戒光明寺・真如堂
それから金戒光明寺と真如堂へ向かいました。
光明寺の山門はまだ工事中で覆いがかかっています。来年秋に完成予定だそうで、あと一年の辛抱です。
高台にある真如堂は日当たりがよい場所なのか、紅葉はもう散り際でした。
そこからさらに永観堂まで行きたかったのですが、やってくるバスがどれもぎゅうぎゅうで、ネズミ一匹乗れなさそうだったため、あきらめて反対側のバス停に行きました。
4時半くらいになると、閉まるお寺が多くなり、閉山間際にあせって駆け込みたくないからです。
下鴨神社に行こうと思いましたが、けっこう暗くなってきたので、これはこわいとあきらめて、北王子駅から地下鉄で京都駅に戻りました。
宿に戻ろうとしましたが、バスが大混雑で、道路も動かない大渋滞。
駅のすぐそばなのに、なかなか着かずに大変な思いをしました。
今回は結構バスに恵まれて、どれもさほど待つことなく乗れました。
それは細かくプランを決めておらず、来たバスに飛び乗り、その路線で行き先を決めてるようにしていたからでしょう。
バスの中では、地元の人が「今年はいちょうともみじの紅葉が一緒のタイミングになったから美しいね」と言っていました。それは嬉しいわ。
○ 外国の京都観光者
旅の途中に、イギリス人のGregとフランス人のVivienと知り合いました。
彼らは2週間のバカンスをとって日本旅行中で、広島や高山も訪れたそうです。
修学院離宮と桂離宮を見学したと、iPadで画像を見せてもらって、うらやましくなりました。
ハイ、外国人旅行者をうらやましがる日本人です!(どんなん)
Gregは、「京都ではGogyoがオイシイ!もう夢中だよ!」と強く勧めてくれました。
どうやらラーメン屋[五行]のよう。「知ってるよね?」と勢いよく聞かれましたが、知りませんでした…。
写真を見て、つゆの色の濃さにビックリ。辛いようです。私はきっと食べられない~。
Vivienは、焼き鳥のIchi-banが好きなようです。
「明日もGogyoに行きたいんだけど、場所が入り組んでいてよくわからないんだ。フィッシュマーケットの近くなんだけど、知らない?」
ええっと、京都の魚市場ってどこじゃい?築地のように有名なんでしょうか?内地なので、あるのかもわかりませーん。
困りましたが、いろいろと話を聞いているうちに、どうやら錦市場のことだとわかってきました。
「大丸デパートメントストアから2本東の通り」と教えてあげられました。
ハイ、外国人旅行者に和食店をお勧めされる日本人です!(いろいろだめじゃん)
彼らは築地のフィッシュマーケットも見学したそうです。
「フィッシャーマンたちのあの指のサイン、すばやくて本当に面白かった」
ふと気になって「イギリスでは、魚はどうやって競るの?」と聞いてみました。
「オークションかな」と言われましたが、イギリスのオークションといったら、サザビーのような高級アンティーク市しか連想できません。
魚もああやってクラシカルに売りさばくんですね。
台南のリンさんともお友達になりました。
彼女は、1年間のワークホリディで、日本滞在中だとのこと。
京都には今月から3カ月いる予定らしく、「一番寒い時に…台湾は温かいのに」と同情しました。
「日本のうどんがおいしい!台湾にはないタイプだから大好き!」と感激していたので、4月からは香川での職探しをお勧めしておきました。
○ この日のお気に入り
この日いちばんのお気に入りは、この小さな神社。
前に参拝した時にしっくりきた、好きな場所です。
寺社と自分との相性や、引かれているような感じが、なんとなくわかるようになってきました。
やっぱりいろいろ慣れていると、旅もなじんだ快適があります。
京都を一人旅行すると、毎日4万歩ほど歩いて、靴をこわしてしまう私ですが、今日は3万歩もいきませんでした。
初日は、京都までの移動もあるため、少し疲れて眠さを感じます。
もうあらかた京都は行き尽くしたから、今年はどうしようかな、いい加減別の場所にしようかな、と、直前まで考えていたけれど、京都の美しい紅葉をみると、やっぱり見に来て良かったなあと思います。
寺社はほとんど参拝しているため、何もかもを網羅しようとせず、自分が好きな場所を選んでいけるというのもいい感じ。
両親も3日間の京都旅行をしていますが、今回は別々の出発となりました。
彼らは私と入れ違いで、この日が旅行最終日。お互い旅の最中ながら、メールで連絡を取り合いました。
2日目へ続きます。
○ 大原(実光院、勝林院、宝泉院)
○ 赤山禅院「数珠供養」
○ 上賀茂神社「鎧着初め式」「新嘗祭」
○ 深泥池
○ 半木の路
○ 法然院・安楽寺
○ 金戒光明寺・真如堂
○ 外国の京都観光者
○ この日のお気に入り
○ prologue
もはや毎秋恒例となっている京都旅行。3連休のうち1日は奈良に行こうと計画していますが、京都でのプランは特に立てずに出発しました。
初日、京都に降り立つと、小雨が降っており、空もどんより。京都タワーも灰色です。
天気の悪さに、なかなかスタートエンジンがかからず、気付けば9時近くになってしまいました。
この日に奈良観光をするつもりで、京都駅で「奈良・斑鳩1dayチケット」を買おうとしたところ、近鉄では売っていないと教えられました。
地下鉄版ならありますが、私がほしい京阪版は、出町柳辺りまで行かないとだめだそうです。
移動時間を惜しんで、奈良は最終日にし、この日は急遽京都観光をすることにしました。
京都のガイドブックは荷物と一緒に預けてしまって手元にありません。
でも、これまで何度も旅しているので、なんとかなるでしょう。
もう出勤時間ですが、メトロの京都駅で降りる人は誰もいませんでした。代わりに、四条駅でゴッソリ人が降ります。
京都駅で働く人や、電車で出勤する人は少ないんだろうなあと思います。
○ 大原(実行院、勝林院、宝泉院)
奈良のつもりだったため、すぐには京都を観光する気分になっていません。
京都モードにシフトチェンジできるところにしよう、と向かったのは、大原でした。
三千院参道を通って、実光院、勝林院、宝泉院を巡りました。
堂々とした本堂の勝林院は、比叡山の僧侶と浄土宗の法然との宗論(大原問答)が行われた天台宗の寺院です。
紅葉が程良く色づいており、昔そのままののんびりした日本の農村風景に癒されます。
お地蔵さんの横には「一粒の米の大切さを忘れぬよう、日々食することに感謝を!!」と書いてありました。
「京都~大原三千院~♪」でおなじみ、「女ひとり」の歌詞もありました。
お寺もいいですが、このあたりの静かな田園光景にはほっとします。細道をゆっくり歩いていたら、すっかり京都気分になりました。
気持ちの切り替えもできたところで、大原を後にします。
大原は市街地から離れているため、中心地ほどの混雑はないものの、三連休とあってバスには長蛇の列ができています。
行き先にこだわらず、来たバスに乗りこみました。
画像は、谷瀬の辺りの紅葉です。
この日は赤山禅院で、年に一度の数珠供養が行われることを思い出して、行ってみることにしました。
○ 赤山禅院「数珠供養」
バス路線図を見て、一番近そうな「宝ヶ池」で降りましたが、そこからの道がまったくわかりません。
すぐそばに叡電の宝ヶ池駅がありましたが、無人の上に近隣地図がないため、手掛かりがなく大いに困りました。
ちょうど、そばのダスキン会社の駐車場の車から人がぞろぞろ降りてきたため、聞いてみましたが、誰も知りません。
近くの人でも、意外にわからないものなんですね。それともマイナーなお寺なんでしょうか。
業務用の細かい地図を取り出して、探してくれました。
「たしか修学院の隣にあるんです」と言いましたが、この辺り一帯が「修学院○○」という住所なので、さっぱり絞り切れません。
そこに、会社の女性が来て「隣の駅が最寄りよ」と教えてくれたため、ちょうど来たバスに飛び乗りました。
運転手さんに聞いたら、次のバス停だということで、降りて歩きました。
以前来た道と同じになったので、そこからは迷わずに行けました。
ここの紅葉はとてもきれい。山の中のお寺で、あまり観光地化されていない閑静な雰囲気が心地いいです。
前回訪れた時は、閑散としていたお寺でしたが、数珠供養日ということで、この日は信徒さんであふれかえっており、駐車場はいっぱいでした。
茅の輪ならぬ、大きな数珠の輪をくぐりぬけて参拝します。
ここは比叡山延暦寺の別院なので、比叡山の大阿闍梨がありがたいお話を聞かせてくれていましたが、大混雑していたため、邪魔にならないよう、お参りだけして後にします。
日本中から送られてきたお焚き上げ用の数珠が、たくさんダンボール箱に詰められていました。
敷地の奥にある羅漢石仏には、黄色い銀杏の葉がかかっており、ひっそりとして趣がありました。
○ 上賀茂神社「鎧着初め式」「新嘗祭」
京都中心部の北の方にいるため、次は西方面の上賀茂神社に行ってみようと思いました。
出町柳そばにある下鴨神社は、便も良くて行きやすいのですが、上賀茂神社はぐっと上になるため、下鴨神社ほどお参りできていない気がします。
到着し、さあ参拝しようと鳥居の前にさしかかると、遠くから行列がしずしずと近づいてきました。
みんな鎧装束で、出陣前といったいでたち。こういう格好の武者たちを観るのは初めてで、目を見張ります。
「鎧着初め式」がちょうど始まったところでした。
たまたまその場にいられるなんて、ラッキー。成人男子のあとには小さな子供たちもそれぞれ体にあった鎧を身にまとって、行列を成しています。
七五三よりは年上といった年齢でしょうか。
大人も女の子もおり、外国人女性の姿もありました。
こういう行事もあるんですね。
神殿には、みずみずしく青々とした野菜が供えられており、「新嘗祭」という看板が立っていました。
そういえば今日は新嘗祭の日でもありました。
ちょうどいい日に参拝したことになります。
奈良に行かなくて、結果オーライだったかも。
変わらない明神川の清いせせらぎに、ほっとしました。
○ 深泥池
周辺地図をみると、東の方に貴船神社がありました。
鞍馬とはまた別の場所に貴船神社があるのが気になって、行ってみることにしましたが、見つからないままバス通りに出たため、今度はバス停にもある深泥池(みぞろがいけ)に行こうと思いました。
ここは日本を代表する心霊スポットとして知られているそうで、これまで怖くて近寄れずにいました。
バスで通りかかるたびに、いつも緊張していましたが、上賀茂神社にお参りをして心身が澄み切っている今なら、ミステリースポットも大丈夫そう。
それでも、野菜直売所のおばあさんに道を聞いたら「え?池に行きたいの?」とゆっくり念押しされたので、(やっぱりアレなのかしら?)と不安になりました。
池は、傾斜のきつい曲がり角のところにありました。急カーブの車道は、池のせいでしょうか?
交通量も多いため、これは油断をすると、池に落ちるなどの事故につながりそうです。
面積約9haの池自体は自然環境がよく、国の天然記念物に指定されています。
見た感じ、もの静かな池で、名前からイメージされる恐ろしさとは無縁のようですが、水深5mの表示を見つけて(湖面は静かなのに、実は立てない深さだなんて、こわい~)とひやりとしました。
池の底が何層にもなっている底なし沼だと言われているそうです。
あまり長居はせず、やってきたバスに飛び乗りました。
○ 半木(なからぎ)の路
次に半木の路を歩こうと、「植物園前」で降りました。
賀茂川の北大路橋と北山大橋の間の、左岸散策路のことで、「半木」とは、かつて川の隣にあった神社の名前に由来しているそうです。
春は桜の名所だそうですが、今は落ち着いた散策路で、市民の憩いの場所となっていました。
石橋を伝って対岸へと渡ります。
真ん中で足を止めると、まるで賀茂川の中にいるような気分になりました。
○ 法然院・安楽寺
東山へと向かいます。京都に来たらかかさず訪れている場所です。
ツタのからまるおしゃれな洋館にうっとり。個人宅を喫茶店にしているそうです。
いつも静かな環境なのに、今回はツアー団体客も来ていて、押すな押すなの大混雑。
これほどまでにここで人を観たことは今までなかったため、驚きました。
人を入れないように写真を写すのが大変。
隣の安楽寺は、これまで開いていたことがなかったのに、今回はわりと長めの秋の公開期間を設けていました。
ここで有名な入口の石段の落ち紅葉はきれいに片づけられており、残念ながら見られませんでした。
霊鑑寺も駐車場に誘導の人がついていました。
毎年毎年、少しずつ変わっていくものですね。
○ 金戒光明寺・真如堂
それから金戒光明寺と真如堂へ向かいました。
光明寺の山門はまだ工事中で覆いがかかっています。来年秋に完成予定だそうで、あと一年の辛抱です。
高台にある真如堂は日当たりがよい場所なのか、紅葉はもう散り際でした。
そこからさらに永観堂まで行きたかったのですが、やってくるバスがどれもぎゅうぎゅうで、ネズミ一匹乗れなさそうだったため、あきらめて反対側のバス停に行きました。
4時半くらいになると、閉まるお寺が多くなり、閉山間際にあせって駆け込みたくないからです。
下鴨神社に行こうと思いましたが、けっこう暗くなってきたので、これはこわいとあきらめて、北王子駅から地下鉄で京都駅に戻りました。
宿に戻ろうとしましたが、バスが大混雑で、道路も動かない大渋滞。
駅のすぐそばなのに、なかなか着かずに大変な思いをしました。
今回は結構バスに恵まれて、どれもさほど待つことなく乗れました。
それは細かくプランを決めておらず、来たバスに飛び乗り、その路線で行き先を決めてるようにしていたからでしょう。
バスの中では、地元の人が「今年はいちょうともみじの紅葉が一緒のタイミングになったから美しいね」と言っていました。それは嬉しいわ。
○ 外国の京都観光者
旅の途中に、イギリス人のGregとフランス人のVivienと知り合いました。
彼らは2週間のバカンスをとって日本旅行中で、広島や高山も訪れたそうです。
修学院離宮と桂離宮を見学したと、iPadで画像を見せてもらって、うらやましくなりました。
ハイ、外国人旅行者をうらやましがる日本人です!(どんなん)
Gregは、「京都ではGogyoがオイシイ!もう夢中だよ!」と強く勧めてくれました。
どうやらラーメン屋[五行]のよう。「知ってるよね?」と勢いよく聞かれましたが、知りませんでした…。
写真を見て、つゆの色の濃さにビックリ。辛いようです。私はきっと食べられない~。
Vivienは、焼き鳥のIchi-banが好きなようです。
「明日もGogyoに行きたいんだけど、場所が入り組んでいてよくわからないんだ。フィッシュマーケットの近くなんだけど、知らない?」
ええっと、京都の魚市場ってどこじゃい?築地のように有名なんでしょうか?内地なので、あるのかもわかりませーん。
困りましたが、いろいろと話を聞いているうちに、どうやら錦市場のことだとわかってきました。
「大丸デパートメントストアから2本東の通り」と教えてあげられました。
ハイ、外国人旅行者に和食店をお勧めされる日本人です!(いろいろだめじゃん)
彼らは築地のフィッシュマーケットも見学したそうです。
「フィッシャーマンたちのあの指のサイン、すばやくて本当に面白かった」
ふと気になって「イギリスでは、魚はどうやって競るの?」と聞いてみました。
「オークションかな」と言われましたが、イギリスのオークションといったら、サザビーのような高級アンティーク市しか連想できません。
魚もああやってクラシカルに売りさばくんですね。
台南のリンさんともお友達になりました。
彼女は、1年間のワークホリディで、日本滞在中だとのこと。
京都には今月から3カ月いる予定らしく、「一番寒い時に…台湾は温かいのに」と同情しました。
「日本のうどんがおいしい!台湾にはないタイプだから大好き!」と感激していたので、4月からは香川での職探しをお勧めしておきました。
○ この日のお気に入り
この日いちばんのお気に入りは、この小さな神社。
前に参拝した時にしっくりきた、好きな場所です。
寺社と自分との相性や、引かれているような感じが、なんとなくわかるようになってきました。
やっぱりいろいろ慣れていると、旅もなじんだ快適があります。
京都を一人旅行すると、毎日4万歩ほど歩いて、靴をこわしてしまう私ですが、今日は3万歩もいきませんでした。
初日は、京都までの移動もあるため、少し疲れて眠さを感じます。
もうあらかた京都は行き尽くしたから、今年はどうしようかな、いい加減別の場所にしようかな、と、直前まで考えていたけれど、京都の美しい紅葉をみると、やっぱり見に来て良かったなあと思います。
寺社はほとんど参拝しているため、何もかもを網羅しようとせず、自分が好きな場所を選んでいけるというのもいい感じ。
両親も3日間の京都旅行をしていますが、今回は別々の出発となりました。
彼らは私と入れ違いで、この日が旅行最終日。お互い旅の最中ながら、メールで連絡を取り合いました。
2日目へ続きます。