○ prologue
gooアンバサダーとして、10月1日に日光で開催されたスマホアプリの発表会と観光ツアーにご招待いただきました。
集合会場は、輪王寺そばの洋館。
3年前に日光栗山のモニター旅行に参加した時も、現地集合だったなあと思い出します。
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「日光栗山はじめてづくし index」(2012.10)
日光は、都心からのアクセスが良いから、可能なのでしょう。
○ 現地集合
9月11日には「50年に一度」と言われた記録的大雨により鬼怒川の堤防が決壊し、大規模な浸水被害となったため、(大丈夫かな)と心配しながらスペーシアに乗りましたが、問題なく到着しました。
日本の災害復旧技術のすごさですね。
東武日光駅では、スタッフの方が待っていてくれ、バスの乗り場と発車時間を教えてくれました。
バス停そばには、日光の水が。
「日本一の水です。日光の思い出に水の美味しさを加えてください」と書いてある以上は、飲まない手はありません。
さっそく飲んでみました。柔らかくて美味しい味がしました。
やってきたのは、世界遺産めぐりバス。観光スポットを巡るバスらしく、カラフルな車体です。
中もレトロな木目調で、外国人が大勢乗りこみました。
駅から東照宮に向かう道は、緩やかな坂がずっと続くようです。
○ マスコミ向け発表会
バスから降りて辿り着いた明治の館は、古めかしい洋館でした。
まずはここでマスコミと一緒に、スマホアプリ「日光ガイド powered by goo」の発表会に参加しました。
gooが開発した、Beacon(ビーコン)を活用したサービスだそう。
ビーコンは、電波発信を受信する装置のことで、無線LANやカーナビ、Buletoothに使われています。
概要と使い方の説明を受け、スマホのBluetoothをオンにして、さっそく「日光ガイドアプリ」をダウンロードしました。
gooスマホを使わせてもらいました。
使ってみたかったので、スマホ試用体験も兼ねられてラッキー。
○ 同じテーブルの人
発表会が終わり、ランチタイムになりました。同じテーブルの人と挨拶し合います。
プロブロガーの方と、ユーチューバーの方と、熊本出身の方と、4人でテーブルを囲みました。
ちょうど、熊本旅行記をアップし終えたばかりなので、ブログの話に花が咲きます。
プロのブロガーさんにはなかなか会う機会がないし、巷で話題のユーチューバーさんに会うのは初めてだったので、ドキドキ。
ユーチューバーといわれる人たちのことをよく知らずに「身体を張った、体当たりの動画を載せているんですか?」と聞いてみました。
皆さんそうなのかと思いましたが、違うそうです。(スミマセン...)
熊本出身の方は、数年前に「雪見温泉に入りたい」と、九州から日光にやってきたそうですが、プロブロガーとユーチューバーは「修学旅行以来かも」と言っていました。
「そんな来ないですよね~」と同意を求められて、去年の年末に訪れている私は、「う、うーん」と返答に困りました。
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「日光雪景色」(2014.12)
だって日光、好きなんですもの。
サイバーな方はあまりチェックしないかもしれませんが、寺社好き、歴史好き、自然好き、温泉好きにはたまらない場所です~!
修学旅行以来行っていないという友人はほかにもいますが、それってもったいないなあと思います。
たしかに子供の頃は、日光は退屈だった!うん、それは否定しません。
ここは大人になってから、良さがわかる場所なんですよ~。
都心からのアクセスが便利な日光は、どの季節でも訪れたい場所です。
○ 日光ガイドアプリ
ダウンロードできたアプリを開いてみると、リストの中で、今いる明治の館のマークが虹色になっています。
そこを開くと、詳細情報が出てきました。
さらに進むと、自分で口コミを投稿できるようになっています。
自動で検知してくれるというのが、検索の手間いらずで便利です。
○ 明治の洋館
この明治の館は、蓄音機を日本に紹介し、日本コロムビアの前身の会社を創設したアメリカ人、ホーン氏の別荘として建てられたのだそう。
「乱れ石積み」という難しい技法で、長い時間をかけて建てられた立派なアメリカンスタイルの建物で、有形文化財に登録されているそうです。堅固に作られていますが、見た目は瀟洒で、まるでメルヘンの世界。
ウサギやリスに話しかけられそう。
建物の内外ともにクラシカル。ウェイターさんは黒いスーツに蝶ネクタイ、ウェイトレスさんは、黒いワンピースにエプロンドレスのメイドさん姿で、明治期の格好そのままなのではないかと思います。
こちらは1階の様子。マスコミ発表会は2階を貸し切って行われました。
お店の支配人の方が見えて、お話をして下さいました。
日光の観光情報はすでに十分揃っているものの、最近では外国人観光客の数が増えてきているため、外国語でも対応できる今回のアプリに期待をしているとのことでした。
たしかにアプリは、日本語のほか、英語、中国語、韓国語にも対応しています。
○ 西洋料理とニルバーナ
乾杯したのちに、食事が運ばれてきました。
ビーフハンバーグステーキをいただきます。
デザートに出た「ニルバーナ(日瑠華)」という名のオリジナルチーズケーキが、また食べたいいい味でした。
輪王寺の大僧正の命名で、仏教用語で「最も優れたもの」を意味するそうです。
おいしい食事を味わいながら楽しい会話ができて、食後の紅茶を飲みながら、「はあ、美味しかったですね」「なんかこれで帰る気になりますねー」と満足の私達。
うっかりこの日の目的を忘れそうになりますが、これから外に繰り出して、先程のアプリを実際に使ってみるんでした。
○ アプリ実証実験会
食事を済ませて館を出て、すぐそばにある輪王寺へと向かいます。
目下「平成の大修理」中で、三仏堂がすっぽり幌に覆われているのはちょっと残念。
ビーコンスポットに近づくと、入れたてのアプリが「ピン!」と鳴って反応して、観光情報が自動的に届くので、みんなが「おお」とそれぞれのスマホを眺めます。
違うスポットのそばまで行くと、また新しい情報が届きました。
10月1日現在、日光ガイドに対応している場所は113スポット。
観光スポットだけでなく、お店情報も充実しています。
訪れた場所に自動的に印がついていくので、後で見返す時も楽。
自動的にビーコンが反応してくれるため、(ここはどんな場所?)と、わざわざ検索しなくてもいいという便利さ。
初めての場所は、地図にも慣れておらずに、観光スポットを見逃してしまうこともありますが、これだとそれも防止できます。
観光ガイドとして掲載情報を読むだけでなく、自分でも口コミ情報を投稿できます。
現地での投稿とそうでない場合とで、投稿欄の色が変わるため、実際に訪れた人の生の声を知るのにも便利。
一般的なガイド情報にはない細かなネタも入っているため、その場で効率よく情報収集ができるようになっています。
これは便利だわ。さらに外国語にも対応しているため、外国語表記が少なく悩める外国人にも便利なものとなっています。
追加機能として、利用のカメラにビーコンデバイスを設定することで、カメラとスマホの距離が離れたらアラートが出るそうです。
自分の愛用カメラや、観光地でのレンタル一眼レフなどの紛失を防ぐことで、旅先でのトラブル防止に役立ちます。
輪王寺の黒門前で、お寺の中里執事のお話を伺いました。
最近は外国人観光客の数が増えており、中でもヨーロッパ人が多くなっているとのことでした。
つまり多言語での観光案内が求められているわけです。
先程の明治の館の支配人といい、やはり日光観光の国際化の必要性を感じており、マルチリンガルなガイドを可能にする今回のアプリに、お寺も期待をされているといった印象を受けました。
○ 自由散策タイム
ここから自由散策の時間となり、一旦解散。みんな、めいめいの方向へと散っていきます。
集合までは賞味2時間くらいしかないため、効率よく動かなくてはなりません。
日光の二社一寺(東照宮・二荒山神社・輪王寺)を堪能したいし、たくさんの場所を巡るほうが、アプリも反応してくれるからです。
あいにく、ぽつぽつと小雨が降ってきました。
この日は曇のち雨。本格的な雨になる前に、まずは遠くの方から参拝しようと、東照宮へと向かいます。
○ 五重塔の上の部分
参道の横にある、天まで伸びていそうな細長い塔の前で足を止めました。
これは相輪橖(そうりんとう)。15メートルの高さです。
ロケットのようで、今にも空に飛んでいきそうですが、天海僧正が作ったもので、内部に1000部の経典を収めているそうです。
不思議な形をしていますが、これは実は、五重塔の上の部分なんですね。
五重塔好きとしては見過ごせません。
普段は塔の一番てっぺんにあって、なかなか見られないものが、地面に立っているのは不思議な感じがします。
○ 江戸の鬼門封じ
東照宮へと続く表参道を歩きます。
陰陽や風水に基づいた「四神相応」の考えのもとに作られたとされる江戸の町。
江戸城から真北に位置する日光東照宮は、北の鬼門を守るとされています。
この参道は、南の江戸城にまっすぐ続いているのだそう。振り返って眺めました。
○ 五重塔のウサギ
私が東照宮で一番好きなのは、この五重塔かもしれません。
みんな、いそいそと先へ急ぐところを、一人足を止めて近くまで行って見入ります。
うーん、美しい形だわ。時を忘れて見とれますが、わりとすぐに首が疲れます。
ここも装飾に富んでいます。
ん?注目してみると、正面にいるのは、ウサギ。
十二支の干支がいるのは、池上本門寺の五重塔も同じで、特段珍しい柄ではありませんが、注目したのは、ウサギの背景でした。
波です。ザッバーン。
波乗りウサギだわ。
前に、鳥取と島根の辺りで、
因幡の白兎のモチーフを訪ねた旅をしたことがあります。
海から離れた東照宮でも見かけるとは思っていませんでした。
○ お寺なのか神社なのか
東照宮の表門を通ります。
わあ、バクさんが鼻を伸ばして歓迎してる。
東照宮は、お寺なのか神社なのか、あんまりよくわかっていない人が多いのではないかと思います。
かくいう私も、なんだか曖昧なままでした。
だって、敷地内の本社には神主さんが、薬師堂にはお坊さんがいるんですもの。
五重塔があるのは、お寺っぽいですね。
表門を守っているのは、迫力満点の赤い仁王。やっぱりお寺のようです。
でも、門の逆側、仁王像と背中合わせには、神道の狛犬が守っています。
あまり考えずにいつもお参りしていましたが、つまり昔ながらの神仏習合がそのままになっている聖域なんですね。
○ すっぽり陽明門
日暮らしの門、陽明門。
ここもすっぽり幌に覆われて、修復中でした。
数年前に訪れた時もそうでしたし、あの迫力たっぷりの龍たちを忘れてしまいそう。
この門は北を背にして、江戸城の方向を向いて開かれています。
門の外周は透明のアクリル板で覆われており、修復中の様子を見学できるようになっていました。
実際に作業に勤しんでいる人の真剣な手元を見つめます。
伝統を後世に伝えるためにも、がんばってください!
○ 幻の壁画
見たくてウズウズしていた、陽明門の壁画を見られました。
気付かずにスタスタ通りすぎる人がほとんどですが、これは必見の、幻の絵なのです。
劣化が進み、江戸時代に羽目板で覆われてからずっと板の中にあった桐油蒔絵で、今回約200年ぶりに公開されたもの。
色鮮やかな色彩に目を奪われます。
貴重ですね~。大正時代の人も、明治時代の人も、見られなかったのですから。
これは、西側面南側の「松と鶴」。
タンチョウ鶴が3匹のヒナに餌を与えている優しいシーンで、赤地に金箔が貼られている、とても豪華な絵です。
公開されているのはこの「平成の大修理」期間中だけ。
修理が済んだら、晴れてお目見え~というわけではなく、その次の修理の時まで、再び羽目板で覆われることになるそうです。
なんてことでしょう。公開期間が東照宮とは逆になっているんですね。
見られるのは、陽明門が幌をかぶっている今だけですよ!
○ 修学旅行生と外国人
本社の中には修学旅行中の小学生がワンサカいて、もみくちゃにされながら一緒に拝殿に上がり、説明を聞きました。
修復中の本社。画面に見える頭は小学生たちです。
みんな、大人になってからまた来てねー。今よりずっとおもしろいからー。
外国人観光客は、大勢の子供達の集団にとまどいながら、みんなと同じように畳の上に座っています。
巫女さんによる説明は日本語なので、まったくわかっていない様子。
本社の天井には100匹の龍が全て違う様子で描かれており、壁には三十六歌仙の絵が飾られています。
西洋では龍は悪の象徴なので、ショーグンの墓を守る神社にこれほどにドラゴンが描かれていることをどう思っているのか、気になります。
こういう時も「日光ガイドアプリ」があると、英語版での説明が読めるため、外国人観光客の戸惑いも減るのではないでしょうか。
○ 唐門
この門もこってりこてこて。
芸術的に素晴らしい贅の極みなのですが、東照宮に入ってから、どこもかしこもゴージャスなので、わびさびジャパニーズな私は、目が慣れずにチカチカ。
(木の鳥居とかでいいです…)という気になります。
○ 龍よりクリオネ
小学生たちの流れに混ざったまま、薬師殿に行きました。
ここは人気で、いつも混んでいます。
ここで鳴龍の音を聞きます。
澄んだ共鳴。睨みを効かせた恐ろしい天井画の龍の声とはとても思えません。
天井画の龍なら、私達を吹き飛ばすほどの「ゴーッ」とした音を出しそう。
(龍というよりは、クリオネの音かな。でもそれだと鳴クリオネって言わなくちゃいけないし、そもそも江戸時代にはクリオネはいなかっただろうし)などと、しょうもないことを考えながら外へ出ました。
○ 東照宮の動物たち
東照宮は、私の好みには豪華(というかゴテゴテ)すぎて、すぐに胸いっぱいになりますが、日光三彫刻の「三猿」と「眠り猫」と「想像の象」を観るのは、いつも楽しみ。
ぞうさん。
おさるさん。
ねこさん。
鳴龍も聞けたし、今回は、階段の上で遊ぶ狛犬も発見しました。
なにこれかわいい!
一人だけ参拝者とは違う動線で、撮影タイムに入りました。
東照宮は、動物の絵や彫刻にたくさん会える点が、個人的にお気に入り。
縁起の良い霊獣たちということで取り入れられており、子供にも人気でしょう。
陽明門の龍も、長らく見られないとあっては、あのゴテゴテ感が懐かしくなってきます。また見たいわー。
その2に続きます。