風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

りんご王国おためし暮らし 7-3

2016-10-17 | 東北
その2からの続きです。

○ 大正浪漫喫茶室とスタバ

お寺の立ち並ぶ新寺町から、お城の方へと向かいました。
駅に向かう道にあり、よくよく目にする、藤田記念庭園の大正浪漫喫茶室。この日もすてき。



その角を曲がってすぐのところにある、美しいと評判のスタバをチェック。
国登録有形文化財の建物を改装しており、確かにクラシカルな外観です。
こんな場所からコーヒーの香りがしてきたら、たまらず入っちゃいますね。



あれ、でもこの建物、今見たばかりの大正浪漫喫茶室に似ていませんか?
あれれ、誰もそう思わないのかしら。
場所も近いし、私だったら間違えますよ!(なぜ自信たっぷりなのか)



落ち着けるゆったりとした店内でした。

○ ねぷたと為信公

次に市立観光館を訪れました。
中には立派な山車が飾られています。立体的なねぷた。
弘前ねぷたといったら平面扇形のものだと思っていましたが、青森ねぶたのように人型をしたものもあるんですね。



後ろに周ってみました。表は勇ましい武者絵で、後ろ側には必ず美女が描かれているんです。
なぜでしょう。みんなが喜ぶから?



おや、あなたは先ほど文化センター前で会った為信さんではありませんか。
こちらはレプリカでしょうか。先ほどのような高い台に乗っていないので、目線が近くてやっぱりひるみました。



為信像の隣にはねぷたがありますが、扇形をしているのは、津軽為信の幼名が扇丸だったためと言われているそうです。
なーんだ、彼も地元の人たちに愛されてるじゃないですか!
ちょっとほっとしました。扇丸ってかわいい名前ですね。



大阪に帰ったヒヤマさんとやりとり。
さっそくアニメ『ふらいんぐうぃっち』を見ているそうです。
行動が早ーい。
事務所経由で、かだれ横丁へ向かいました。

○ 最強毛豆決定戦

「いよいよ本番ですね」と連絡をくれたヒヤマさん。
そう、これから「最強毛豆決定戦」が行われるのです。
代表と担当さんに声をかけてもらい、二つ返事で参加表明しました。
一体どんなイベントなんでしょう。ワクワクします。



yumさんと、この日からの新メンバーも来るそうですが、私が一番乗りしました。
担当さんに「自由席なので、一緒に座るなら二人の分も取っておいてください」と言われ、二つの空席の間に陣取ります。



じきにyumさんが登場。
この日はレストラン山崎でランチをして、奇跡のりんごのスープを味わったそう。
それはおいしそうだわ~。
「単品ではなくコースになっていて、3000円くらい。ちょっとお高めランチでした」
私が食べた三忠食堂の津軽そばは、600円弱。5分の1・・・。



次第に会場内の人が増えてきました。
前日に青森空港でお別れした、コバヤシさんと元CAさんたちの姿を見かけます。
「わあ、再会できましたね」
あれから七戸に宿泊して、予定通り弘前にきたそうです。

テーブル向かいには、真面目そうな表情のスーツ姿の男性3人。
友達というには年齢がそれぞれ離れています。
毛豆業界の方かな?と思ったら「直接ではないけれど、いくつかの農園に肥料をおろしています」とのこと。
お得意様の勝負の行方が気になって、毎年参加しているそうです。



テーブルの上には、番号付けされた毛豆がありました。どれも弘前近郊の農園で採れたものばかり。
どうやら参加者の私たちが審査員になって食べ比べをし、自分の舌で美味しい毛豆を選ぶようです。

隣のテーブルは、弘前大学の学生さんたち。
陸上部のパーカーを着ており(毛豆サークルじゃないんだ)と思いながら話を聞きました。
園芸農学科の3,4年生で、去年も参加しているとのこと。
「毛豆は好きだし、卒論のヒントになるかと思って」
参加費4000円は、学生には結構大きな金額でしょうけれど、それでも10人以上はいました。



時間になり、いよいよ会が始まりました。
毛豆のかぶりものをした司会者が口火を切ります。
客席にいたりんご飴マンと並ぶと、かなりしっくりきていました。



毛豆は枝豆よりも遅めのちょうど今の時期、9月終盤が収穫期だそう。
栗のようなホクホクの味がたまりません。
なぜ今まで、こんなおいしい食べ物を知らなかったのかしら。
「それは、ほとんど県外不出だったからです」
なんと!青森人のひみつだったのね。

78人の参加者全員で毛豆クエスチョンを行いました。
勝ち抜いた人の商品は、当然毛豆!



結構難問で、歯が立ちませんでした。毛豆~。

○ 新入りさんの災難

クエスチョンが終わり、毛豆選手権が始まりました。
まずは予選から。みんな神妙な顔をして投票し、決勝に進む候補豆が選ばれました。



ただ予選が終わっても、まだ今日からの新入りさんがやってきません。
事務所で仕事をしているそうですが、そろそろ来ないと本選が始まってしまいます。
迎えに行こうかと思って、受付の担当さんのところに行くと、彼女は
「新入りさんは来ません」と言いました。
「え?」
「いえ、さっきここまで来たんですが、血だらけだったんです」
「はい?」
「来る途中で頭から転んで全身打撲したとかで」
「えーっ?」

事務局からこのかだれ横丁まで一本道で200m、徒歩3分の道のり。
全く大変な行程ではありません。
そのどこで、そんな怪我をする要素があるんでしょうか?

「手足を出血して、歯も折れたかもしれないとのこと。"とても参加する気分じゃないので今日は不参加で"とのことです」
「じゃあ今、ハウスにいるんですか?」
「そう。私も受付だし、代表も会長として壇上挨拶をするから、動けなくて」
なんてこと!

驚きのあまり、ムンクの叫び顔になりましたが、すぐに決勝戦となるので、さしあたり席に戻りました。
yumさんに伝えると、彼女もやっぱりムンクシャウト顔に。
でも、会場ではいよいよ今年最高の毛豆が決まる、真剣な時が始まろうとしています。
ひとまずこちらに集中することにしました。

○ いよいよ決勝戦

毛豆研究会会長でもあるコンシスの代表がスピーチをしました。
代表、いろんな顔を持っているのね。



予選勝ちした毛豆を試食する参加者たち。
テーブルの後ろで順番を待っていましたが、みんな真剣に吟味しているためか、なかなか回ってきません。
これではらちが明かないと、こちらから混ざって行きました。
毛豆は無くなるとすぐに補充され、いくらでも試食できます。毛豆天国です。



自分の舌を信じて投票。すぐに開票され、結果が発表されます。
会場の誰もが緊張するひととき。

○ 結果発表!

1位から3位が選ばれ、栄えあるグランプリには、yumさんと私が票を入れた57番の毛豆が選ばれました!

グランプリ 長内農園
    1位 クローバー農園
    2位 プレミアムじゃが太郎
    3位 JIJI農園

2位と3位に選ばれた人たちは師弟関係にあるそうで、互いの健闘をたたえ合っていました。


会長から表彰されるグランプリの長内農園さん



会場から祝福を受ける受賞者の方々


おめでとうございまーす!おいしい毛豆を作ってくれて、ありがとう!
最高の味を選べて、我ながらなかなかの味覚があるんだなあと自画自賛。
よかったわ~。

○ ほおずきは食べるもの

それからはやんややんやと宴会タイム。
見たことがある料理もあります。先日もかだれ横丁で食事をしていますからね。



1位のクローバー農園さんが、客席を周ってひとりひとりにほおずきを手渡してくれました。
わあ、ほおずき、かわいいな。



手のひらの上に載せて眺めていると、向かいの肥料会社の上司らしき人が
「飾りじゃなくて食べるんだよ」と言いました。
「えっ、食べるんですか?」
「そう、食べるの」



ほおずきを食べるって、考えたこともありませんでした。
中の種をのぞいて、フーッと息を入れて風船のようにふくらませて遊んだことはありますが、これって食べ物だったの?
驚いて躊躇しているのは私だけで、みんな嬉々として口に運んでいます。



内心の葛藤をおさえて、初めて食べてみたほおずき。
おいしいのか、半信半疑でしたが、おいしかったです。ハイ。

帰りのお土産ももちろん毛豆。いくらでも食べられちゃう。

○ りんご飴マン

弘前滞在を始めたころから「必ず会うよ」と言われていたりんご飴マン。
会場内で、すごく目立っていますが、思ったよりも人に囲まれていません。
もう弘前市民にはおなじみの存在なのでしょう。

彼はハウスの名目上の管理人だと聞いていたので、yumさんとご挨拶に行きました。
「ああ、今あそこで暮らしているんですね」
もともと彼は、高円寺からこちらに移住してきた人。
「三茶からです」「横浜からです」と言うと、「なつかしい地名!」と盛り上がりました。

3人で記念撮影を撮ることに。それまでは両手を前に合わせて実直かつ丁寧に話をしてくれていた彼が、カメラを向けられると突然シャウト顔になったので、二度見した私たち。
これが設定キャラなんでしょう。私たちもそれに乗ったので、ゾンビ調の仕上がりになりました。



近くで見ると、ますます赤いです。実に赤い。
「でもこのかぶりものは、じつはリンゴじゃない」と教えられました。
実はカニ。脚は取ったそうですが、目はまだそのままついていました。
なんてシュール!そして安上がり!

○ 黒 meets 白

なおも彼との会話を続けようとしたら、yumさんが突然「アーッ!」と声を上げました。
勢いよく指をさす方に視線をやると、そこには一人の女性が。
たくさん毛豆が詰まった袋を持っていたので(毛豆がほしいのかな。あれだけ食べたのに)と思ったら、指さしていたのはそれではありませんでした。
「ファッキンキャット!」

見ると、その女性の手には白いスマホが。
たしかに、ネコのカバーです。
yumさんのと並べてみると、きれいに色違い。
こんな偶然って、あるんですね~。

女性の方も「うわ、おどろいた」とびっくりしています。
二人とも唖然として固まっているので「じゃあ写真、撮りますね」と動きました。
この驚きの瞬間を、切り取らなくては。
ん?女性、何やら指を作り始めました。
これはアカンやつではないですかー!
でも、わざわざポージングしてくれているので、撮っておきましたよー。



そんなこんなで、一瞬りんご飴マンのことを忘れていたら、彼は静かにその場を去っていました。
とても目立つのに、場の空気を読める人でした。

○ 新入りを追う

宴会もお開きになり、みんなめいめい二次会の場所に移動し始めましたが、この日はそもそも新入りさんの歓迎会。
その主役がこの場におらず、しかもひどいケガをしているということなので、yumさんと私は、急いでハウスに戻ることにしました。
弘前に来たばかりで大変な目に遭い、食事どころではなかったかもしれないと思い、毛豆をたくさんもらって帰ります。

大阪のヒヤマさんから「毛豆決定戦、どうでしたか?」とメッセージが届きましたが、この夜の怒涛の展開は、そう簡単には説明できません。
これまでは一緒の滞在でツーカーだったので、もどかしーい。

○ 満身創痍のニューカマー

「歓迎会だし、お酒もいるよね」「でも怪我してるなら飲まない方がいいのかな」
悩みながらも、念のためにと急いでお酒を買ってハウスに帰宅。
新入りの彼がいました。ヌマさんというプロのイラストレーター。
想像通り、不幸を背負った顔をしています。
徹夜して仕事を済ませてフラフラ歩いていたら、うす暗い道で何かにつまづいて転び、顔から強打してしまったそう。
顔や手足の出血は収まっていましたが、歯も欠けてしまったそうです。大変!

二つ折りのケータイも、見事に二つに分解されていました。
あらら・・・。
でも、話を聞いているところにその電話が鳴り、普通に会話できたので、通じてはいることが判明。
不幸中の幸いです。
しかし初日からこれって、メンバーの誰よりもすごい伝説を作った人ですね。

案の定、食事どころではなかったとのこと。
お土産の毛豆とむいたリンゴを、喜んで食べていました。



○ 掛布団消滅事件

ひとしきり話をした後で、そろそろ寝支度をしようと2Fに上がったら、なんと私の使っていた布団がなくなっていました。
え、どうして?
隣の部屋には、二式あったものが一式のみ残っていました。

どうやら業者の人が、去ったメンバーの使用布団を回収していったようです。
私たちが一部屋ずつ使っていると思い、各部屋から一式ずつ使用布団を持ち去ったようですが、yumさんと私はまだ一緒の部屋に寝ているので、布団がひとつなくなってびっくり。
隣の部屋の布団を引っ張ってきましたが、掛け布団がありません。
なぜかというと、昨晩雨が降って寒かったので、私が隣部屋から掛布団を持ってきて、一枚多めにかけて寝たからなんです。
それごと回収されちゃうなんて~。

ヌマさんの1F部屋にも、彼の分の布団しかありません。
「布団一式を巻いていたシーツなら余ってます」と言われ、無いよりはましだと、それをもらいました。涙・・・。
ヒーターが入るのは1Fのみ。2Fはフローリングで寒いのです。
1Fに寝ることも考えましたが、使い慣れないヒーターを一晩つけっぱなしにするのは、換気面でちょっと不安。

ということで2Fへ。寒いよ~。yumさん、温めて~。
そんなことを言って、彼女がドン引きして隣の部屋へ行ったらもっと寒くなってしまうので、おとなしくシーツ1枚に丸まって寝るしかなさそう。
自分の上着などをかけて、少し布を増やしました。

新入りさん大ケガ事件で相当ビックリしましたが、こんなトラップもあったなんて…!
でもシャワーで身体をポカポカに温めてからすぐ寝たので、すぐに寝入ることができました。

8日目に続きます。




りんご王国おためし暮らし 7-2

2016-10-16 | 東北
その1からの続きです。

○ 鬼の八幡宮

JRの駅一つ分ほど距離がある場所までやってきました。
ここはもう、撫牛子駅のそばです。
この駅名、変わっていますね。
撫子(なでしこ)の中に牛が入っているんです。
なんて読むんでしょう?
牛を撫でる子で、うしなでこ?
正解は「ないじょうし」でした。読めません!

さて、ここまでやってきたのは、ひとえに変わった鳥居を見たいから。
それは、鳥居の上に鬼がいるものです。
きょろきょろ探していると、ありました!



本当に、鳥居の上に鬼が付いています。
不思議だわ~。鬼のような魔を寄せ付けないための鳥居なのに。

横からも後ろからも撮りました。立体的。
こう見ると、お寺の屋根を押さえている邪鬼に似ているなあとも思います。
 


どうやらこの辺りでは、鬼の力強さにあやかって、子供が丈夫に育ってほしいという願いを込めて、鬼を祀っているんだそうです。

そういえば、岩木山には岩木山神社のほかに岩鬼山神社もありました。
ほかにも全国で珍しい、鬼を祀る鬼神社があったはず。
かなりアクセス困難とのことで、今回はあきらめましたが、気になっています。

悪戸(あぐど)とか鬼沢とか獄という地名もあるんだそう。
由来を知りたくて、うずうずするわ~。

たくさんの鳥居をくぐっていきます。
稲荷神社でもないのにこんなに鳥居があるのも、珍しいこと。



でもそのほか、敷地内は特に変わった様子はありません・・・
いえ、ありました!狛犬が古めかしい出雲型でした。
動きがあってかっこいいです。

もう一対、狛犬がいました。こちらは頭の上に赤トンボ~。



この神社はピエール瀧さんのBS番組『歴史発見 城下町へ行こう!』で、以前採り上げられたそうです。
今回の旅を手配してくれた、たびすけ社の西谷さんが案内役をしたんだそう。
母が観ている番組なので、録画が残っているかもしれません。

○ 弘前八幡宮

それから、弘前で一番大きい神社、弘前八幡宮へ。
巨大な鳥居が目立ちます。 



境内には人がおらず、静かでした。
また保食神社がありました。「うけもち」ですよ。



祠の前にはいろいろな石仏系がどっと密集しています。
田代大神という石碑があります。
どんな神様か存じ上げませんが、田代という言葉からして、農業の神なんでしょう。
二宮金次郎像までありました。



自然石の狛犬が奉納されていました。
じっと見つめると、たしかに狛犬みたい。



○ 熊野神社のカエル

近くにある別の神社にも足を伸ばしました。
こちらは熊野神社。やはり無人です。



参道左側に見えるお社の中には、巨大なガマガエルの像があったのでびっくり。
交通安全祈願のカエルさん。ものや人が「無事カエル」という意味からです。



それからまっすぐ南へ向かい、中央弘前駅の方へ行きました。

○ 一戸時計店

かわいらしい洋風の時計台が目に留まって、足を留めました。
明治時代からの時計店で、今の時計は3代目になるそうです。



○ 市場で大学イモ

その隣には、1972年創設の中央食品市場がありました。
ここは、ハウスの元住人達も訪れたという市場。
中に入ると、思ったよりも小規模ではあるものの、濃厚な昭和っぽさにくらくらします。
 


立ち止まってお店の人と会話するのはなかなかハードルが高く、そのまま通り過ぎたい気持ちに駆られましたが、勇気を奮って、みんながおすすめと言っていた大学イモを食べてみました。
水飴じゃなくて砂糖を使っているのは、初めて。
食べ慣れたものとは違う食感で、おいしくいただきました。



○ 津軽っ子専用缶バッジ

そこを出てから、まちなか情報センターでひと休み。
1Fにはラジオ放送局があり、ガラス越しにオンエア中の様子が見られました。
津軽っ子用の缶バッジを発見。





見えにくいものは「カワイイけどなまってます」とか「弘前城と日本一の桜見てきました」とか。
「ねぷた馬鹿」、いいですね~。

○ 弘前昇天教会

近くには、北欧のケルト文化圏に来たかのような教会がありました。
大正時代に建てられた、赤レンガ造り・ゴシック様式の建物です。
おごそかで神々しかったです。(逆光だからなおさら)



○ 道を聞いて道に迷う

まちなか情報センターで五重塔への行き方を教えてもらいましたが、坂道を上りすぎて、ずいぶん先まで行ってしまいました。
外国のキャンパスのような弘前大学医学部の前を通ります。



五重塔に着いたと思ったら、鳥居がたくさん。
また間違えて、稲荷神社にさまよいこんでいました。
せっかくなので、鳥居をくぐり抜けて、お参りします。
お狐さんは、手ぬぐいのほおかむりをしていました。



○ ようやく到着

ようやく五重塔のある最勝院というお寺にたどり着きました。
参道のもみじがほのかに紅葉しており、秋の気配を感じます。



数多く並ぶ石像の中で、横向きのものが気に入りました。



立派な仁王門。あれ、前にいるのは狛犬ではなくウサギです。
門の中央には「卯歳一代様」の字が。



そういえば、前日にコバヤシさんが「この辺りには干支別の寺社がある」と教えてくれましたっけ。
それは「津軽一代様」と呼ばれる風習で、このお寺は卯年の人がお参りするお寺というわけです。
でも、干支が違うと家族ではお参りしにくいですね。同い年同士で行かないと。 

○ 地味好み

1667年建立の五重塔は、東北一の美塔と言われているそうです。
たしかに色鮮やかな朱色の美しさに見とれますが、私は羽黒山(山形)の五重塔の方が好みだわ~。



でも私が渋好みなだけで、ほとんどの人がこちらを選ぶでしょう。
お寺の名前にあやかって、必勝お守りがたくさんありました。



本堂に掲げられた木札。
これほど多くの札所となっている、由緒正しい古刹です。
ちなみに私はこれを見てかなりテンションが上がり、心の中で手足をバタバタさせていましたが、そういう人はあんまりいないんでしょうね~。



○ 竜と狛犬

手水舎の竜が表情豊か。
「ボール、投げるよォ」と言っているように思えます。



今回の旅で出会った狛犬のうちで一番気に入ったのが、こちら。
わあ、なんて独創的なんでしょう。君は何者なのかい?



敷地内の別の狛犬もキュートでした。
お尻がプリティー!



最勝院に隣接して、八坂神社がありました。
こちらの狛犬は、鳥居越しに五重塔をいつも眺めています。
こんな贅沢な風景を見ていたら、耳も立っちゃいますね。



○ 一番とビリ

新寺町のお寺の壁に掲げられてあった言葉。
「一番はすごいけどそれよりすごいビリもある」と大きな字で書いてあります。
横には葉迦の名。釈迦十大弟子の一人、大迦葉のことでしょうか。
それとも単なる誰かのペンネームでしょうか。



後で調べてみると、教育者で僧侶の東井義雄氏の言葉に
「一番はもちろん尊い。しかし、一番よりも尊いビリだってある。」とありました。
それをベースにしたものかもしれません。

どこかのお寺で、5時の鐘が鳴りました。

その3に続きます。


りんご王国おためし暮らし 7-1

2016-10-15 | 東北
6日目からの続きです。

○ 夜明けのホラー

この日はペットボトルのゴミ回収日。
朝、ゴミを出そうと、寝ぼけ眼で玄関のドアを開けたら、赤べこ号の横に見知らぬ自転車が停まっていました。
え、この自転車は、誰のもの?



昨夜帰宅した時にはありませんでした。
yumさんも知らないと言うので、二人で震えあがります。
(もしや、夜間に合鍵を持つ何者かがやってきて家の中に入り、別の部屋にいるのでは?)と、おそるおそる、空き部屋をのぞいて確認しました。
怖かった~((((;゜Д゜)))
でも、誰もいませんでした。
無関係の人が停めたのなら、こわすぎる~。
yumさんは、バスルームに干していた洗濯物を急いで部屋に移動しました。

私が昨日寝たのは3時過ぎ(また夜更かし…)、yumさんが起きたのは7時。その間に誰かがやってきて、自転車を置いてどこかへ去っていったようです。
考えてもとけないミステリー。こわさに一気に目が覚めて、しばらく彼女にまとわりついていました。

この日は魚のグリルでトーストを焼いてみたら、火力が強すぎて焦げちゃいました~(涙)
でも、とろけるチーズが溶けないの~。



○ 近くを散策

てきぱき行動するyumさんの出発を見送った後、今日はどう過ごそうと考えながらゆっくり出掛けます。
岩木山がきれいに見える場所を探しながら。



散歩の途中で、保食神社にゆきあたりました。
食べ物の神さまで「うけもち」って読むんですよね。ほかに猿田彦とアマノウズメも祀っていました。
狛犬は名古屋巻き女子風。



道端に無人販売がありました。
リンゴではなく梨と栗で、秋の訪れを感じます。
その後ろに貼られている「錦鯉、ランチュウ販売しています」のメッセージも気になります。



○ 伝統的建造物群保存地域

地図上で気になった場所へ向かいました。
お城の近くに、幕末に建てられた4棟の武家住宅が保存されています。
中・下級武士の暮らした住宅で、県や国の重要文化財になっています。
 
かつてはここに面した弘前城の北門(亀甲門)が追手門で、その北側に侍町が配置されていました。
つまり北側が正面でしたが、平和な世になるにつれ、東門が追手門に変わったそうです。
この辺りの道は整備されたものの、当時と変わらず、参勤交代もここから出発したそう。
青森から東京まで・・・たいへんな遠さですね!



○ 旧笹森家住宅

平日は2棟が公開されています。
まずは旧笹森家へ。江戸時代中期の建築で、この辺りの最古の武家住宅です。
係の方が、丁寧に説明をしてくれました。



藩政時代の武家住宅台帳に記載のある、現存する唯一の建物だとか。
平成になってもずっと個人が暮らしており、その所有者から寄贈を受けて数年前に移築再建したそうです。



こぢんまりとしたお屋敷ですが、こうした部屋に通されると、やはり居住まいを正したくなります。
礼節正しく武士が住んでいたイメージが湧きます。



北門は、もともと平川にあった大光寺城の城門を移築再建したものだそう。
大光寺城は天正3(1575)年、大浦(津軽)為信の攻撃を受けて陥落したそうです。
「為信は17年かけて南部藩の城を次々と倒していき、津軽を統一しました」と解説員さん。
やはりブラッディ・タメノブ。(2日前に行ったバー待庵にこの名前のカクテルがありました)

八戸出身の友人は、平成生まれだというのに、いまだにこの戦国時代の武将への憤懣やるかたないようです。
一方、城下町に住む弘前の人は、津軽為信を敬愛しているのだろうと思っていましたが、どうもそうではないような気がしてきました。
彼に対して、結構シニカルな言い方をするのです。
先日リンゴ公園を案内してくれた女性も、リンゴの品種を紹介しながら「このリンゴはまずいです」とバンバン言っていたし、本音なのか自虐なのかわかりません。
これが津軽人気質?

○ 非売品の冊子

しばらくお話をうかがった後、「古い建物が好きならこれをあげましょう」と冊子をいただきました。
『伝統的建造物群保存地区 歴史の街並み 平成28年度版』。



非売品だと言われて、なお嬉しくなります。貴重じゃないですか。
「夏に、ここに載ってる長野の奈良井宿に行きましたよ」
そのページを開いてお話しました。

○ 旧岩田家住宅



次に訪れたのが、旧岩田家住宅。
築210年ほどになる弘前藩の御家中のお屋敷。
江戸時代後期の武士の暮らしがしのばれます。



こちらも、係の方に説明をしていただきました。
弘前には空襲がきていないから、古い建物が残っているそうです。
なるほど、青森には弘前のようなクラシカルな建物がほとんどないと思っていたら、そういうことなんですね。

為信は暗殺の限りを尽くして津軽藩主となり、小田原攻めの時には豊臣側、関が原では家康側、戊辰戦争の時には政府側についたそう。
時代の流れを見たというかコロコロと変えていった人なんですね。
やっぱりブラッディ・・・。
津軽の人は温厚篤実なイメージですが、戦国時代にはそんなのんびりしたことは言っていられなかったんでしょうか。



今では、津軽の人はとても親切。
私が扉の隙間から見える庭園を撮影しようとカメラを構えたら、係の人が「ちょっと待ってください」と扉をガタガタ動かして、わざわざ開けてくれました。

昔の住居には茅葺き屋根が使われたりしますが、この辺りでは榑(くれ)葺きが取り入れられていました。
下に立って屋根を見ると、板がびっしりと重ねられています。これが榑葺きなんだそう。
初めて中から見ました。



岩田家は代々続く武士の屋敷で、この屋敷を譲った人の子供が、隣に住んでいるそう。
お隣は、今風の一般的な住居でした。



客間と住居で、畳の縁が違っていました。
左が客室で、右が住人用。
客人は縁つき畳の部屋に通されますが、家人は縁なし畳の部屋に暮らしていたそうです。

○ 津軽為信像

武家屋敷の見学を終えて、お城沿いにぐるりと回ってみると、弘前文化センター前に銅像が立っていました。
陸奥国弘前藩初代藩主、津軽為信像です。
ブラッディ・タメノブのご降臨!



いろいろなダークな話を聞いた直後なので、ちょっとひるみますが、勇気を出して傍まで寄ってみました。
右手に持つ軍配には、なにか文字が刻まれています。
下から背伸びをして見ました。
「不制干 天地人」とありました。



「天にも地にも人にも(いかなるものにも)支配されない」という意味です。
強いですね。これは彼の人生観なんでしょうか。
確かにその言葉通り、大胆に生き抜いた人のよう。
梟雄なれども津軽の平定者。後世に語り継がれる大物です。

○ 地元の方のアドバイス

ねぷた村で休憩しながら、地元のスドウさんにメッセージを通じてお勧めスポットを伺いました。
黒石出身で、弘前、引いては青森全体に詳しい方です。

禅林街には33の寺社仏閣があり、なんと全てを一日で回れるのだそう。
近くに集まっているから、できることですね。
坂東33観音は範囲が広すぎて、一年以上かけても回れていないのに~!

彼にいろいろと教えてもらって、三忠食堂や鬼の鳥居の神社などにこれから行こうと決めました。



すると話をしているほんのちょっとの間に、スドウさんは今私がいる位置から、鬼の神社、ラーメン峰、三忠食堂の位置関係を地図にして送ってくれました。
すごいわ~。仕事が早いわ~。
土地勘がないので、これは助かります~。

○ 津軽百年食堂

強力な地図を手にして元気の出た私、まずは津軽そば店の三忠食堂へ向かいました。



『津軽百年食堂』という物語を読んで、感動して大泣きした私。
無骨で不器用な人ばかりが出てくる温かい話。
ブラッディ・タメノブの気質とは正反対です。



味がありすぎるくらいの外観。時代が刻まれていますね~。
『津軽百年食堂』が映画化された時に「大森食堂」としてロケが行われたお店です。



中もレトロ。店内にお客さんは誰もおりませんでしたが、ここは勇気の出しどころ、単身中に入りました。
普段はけっこう混んでいるそうなので、たまたまラッキーだったかも。



「これは、桜祭りの時に出店した時の写真なのさ」
店長が傍に立って、いろいろと教えてくれます。
マンツーマン状態で説明を受けることができました。

○ 焼き干しおいし



「焼き干しって食べたことある?」
「煮干しと違うんですか?」全くピンとこない私は間抜けなことを聞きます。
「違う違う。頭とワタを取ったいわしを焼いて干したもの。これをそばのダシに使っているから、まず食べてみて」
おいしい!煮干しも好きですが、旨味がお湯に溶け出していない分、しっかりとした味があります。

焼き干しはお店で見かけないなあと思ったら、煮干しの4~5倍の値段がするんだとか。
高級食材ですね。

○ 伝統の津軽そば

それから津軽そばがやってきました。
小麦粉の代わりに大豆をつなぎに使った柔らかいそば。
しっかり毛豆もついてきます。



焼き干しと昆布でとった出汁が優しい味を出しています。
透き通った薄い色を、レンゲの上で確かめます。



津軽の雲谷そばも柔らかくコシがありません。そちらなら何度も食べた機会がありますが、それと一緒ではなさそう。
「違うんでないかなあ。先代から受けた作り方をこっちは守っているだけだからなあ」と店主。
創業から百年以上たち、4代にわたって受け継がれる伝統の味です。

「初めからゆでておいて、それをさっと温めるんだよ。でないと栄養分が流れていくから」
お店同様に味わい深い店長。
一緒に写真を撮っていただきました。

○ けの汁発祥の地

今日は一人きりなので、気の向くままにふらふらと散策を続けます。
お店近くの和徳稲荷神社を参拝したら、木の立て札を発見。
なんだろうと近寄ってみると「けの汁発祥地を宣言する」と書かれていました。



へえ~、そうなの?
札を立てた「和徳歴史探偵団」によると、戦国時代にこの地を支配していた小山内氏の和徳城が、1571年に大浦為信(後の津軽為信)に攻められて落城する際に、残っていた野菜を刻んで煮て食べたのが始まりなんだそう。(由来は諸説あります)
それを食べて生き延びたのではなく、みんな亡くなっちゃったというのが、悲しいわー。
やっぱりタメノブはブラッディ!

一人で動くと、つい歴史巡りになっちゃいますね。
その2に続きます。


りんご王国おためし暮らし 6-2

2016-10-13 | 東北

弘前の農家の方々に作っていただいた野菜御膳を堪能。
籠工芸の工房も見学し、空港で同行者たちとお別れします。
大雨に降られましたが、夜は女性二人でのんびりまったり。
その1からの続きです。



○ あかつきの会

地元の畑で採れた野菜で季節の伝承料理を提供してくれる、津軽あかつきの会。
農家の女性たちが、化学調味料を使わずに昔ながらの調理法で丁寧に作ってくれます。

着いたのは、石川地区のどなたかのおうち。代表の工藤さんのご自宅でしょうか。



玄関に入ると、かっぽう着姿のおばさま方4,5名がニコニコと出迎えてくれました。
勝手に「ただいまー」と言いたくなります。

○ 学生居酒屋店長

その中にひとり、背の高い男性もいました。
小柄なおばさまと並ぶと、頭ふたつ分は出ています。
ナチュラルに出迎えてくれたので、おもてなし側かと思いきや、私たちと同じくごちそうになる方。
20歳でかだれ横丁に「学生居酒屋」を開店した、現役の弘前大生の方でした。
ということは、夕べ同じ場所にいたんですね。気づきませんでしたが。
成人そうそう企業家デビューなんて、すごーい。

○ 野菜のごちそう

通された部屋のテーブルに着席します。
「じゃあさっそく始めましょう」
お膳に並んだ料理が運ばれてきました。
「うわあ」と思わず声が上がります。
小鉢のどれもが手の込んだ御馳走だわ。
ほとんどが畑で採れた野菜で作ったもの。
一つ一つの料理について、説明していただきました。



昔、この辺りの農家のおばあちゃんたちが作っていた料理レシピを再現し、アーカイブして後世に残すという役割を担っているこの会。
化学調味料は使わず、砂糖や油も極力使わないというのがポリシーです。
そのため、味付けにさまざまな細かな工夫を凝らしていました。
聞いているだけで気が遠くなるような、念入りな手間ひまの掛け方に、ただ脱帽します。



そばに代表の工藤さんはじめ、1,2人のおかみさんがついて、質問に答えてくれます。
説明中に「さんごナントカ」という言葉がよく出てきます。
「(青森に)三五七タクシーってありますね?」と言ったら、みんなで話もできないほど爆笑し、少しして「似てるけど違う…」と言って、また大笑いされました。
そんな素っ頓狂なことを聞いたかしら?(多分そう)
おばあちゃまたち、朗らかなんだから~。
「さん」は山椒のことだと聞きました。「ご」はゴマかな?



フキノトウやミョウガなどは、調理法で味が全然変わります。

サメのなますもありました。
「海から遠いのに、この辺の人は魚が好きなんですよ」
青森(市)の方とは、使われる野菜がちょっと違う感じ。
ミズもあります。
やっぱり、先ほど空港からやって来たばかりの元CAさんは、ミズを知りませんでした。



身欠きにしんのような味がするにしん。
まずは数か月干して燻製にし、それを焼いたもので、独特の風味があります。

少し魚が混ざっているものの、ほぼほとんどが野菜の膳。
ここまでこだわった野菜づくしの料理は初めてです。

サトウさんに教えてもらいました!
彼は、説明を録音していたので、料理名を教えて下さいとお願いしたら、画像に載せてくれました。



さすが、そつない学生起業家!
弘大前は仙台育英高卒ですからね!(前に近くに住んでた)

お新香もつやつやとして見るからにおいしそうに、私を誘います。
全ての料理に死角なし!



もちろん毛豆もでてきました。こちらに来てから毎日食べています。



正直、野菜ばかりの食事と聞いて、はじめはちゃんと食べられるかなと思いました。
でもどのお皿も味が違うため、少しも飽きることなく、おいしく完食しました。

リンゴも出てきました。
リンゴはそのまま食べるのが一番好きです。



手作りしそジュースも。よけいな味付けのない、しそ本来の旨味を味わいます。



前日の夜に深夜のカツカレー体験をしたヒヤマさんも、昨日不足していた野菜分なので食べやすそう。
パクパクいただいています。

一つ一つの小皿料理にこだわりを感じられます。
秋はそろそろキノコの季節だからと、毎日畑に生えていないかと様子を見に行っているそうです。

○ ハタチの狩人

時々、外から「パン!」という音が聞こえてきます。
「わ、なんだろう」ちょっと怖い、元CAさんと私。
「あれは、カラスを追い払うための空砲です」と学生さん。

詳しいなと思ったら、なんと彼は猟銃所持許可を持っているそう。
つまり狩人!
依頼があれば、害獣をしとめたりもするのだそう。

そんな人に初めて会ったので、興味津々。
マタギって、山奥にいるシワシワのおじさんのイメージなのに~。(マタギじゃないか)
「代々の家系ですか?」
「いえ、全然」

なんでも15歳の時に免許を取ろうと決めて、勉強したんだとか。
すごいですね!さすが、20歳で起業をする人は、人生の決定が早いんですね。
居酒屋を辞めても、猟師として生きていけそう。

今後、なにか害獣に困ったことがあったら、この人に相談しようっと。
とりあえず今は困っていませんが。
横浜の害獣といったら・・・ハクビシンとか?
(動物園以外で遭遇したことないなぁ)

○ はえたたき

窓から、真似かれざる虫が入ってきました。
なかなか出ていかないので、おばさまの一人が取り出したのが、ハエタタキ。
「わー!」それを見て、客人のみんなでどよめきます。
多分みんな、今世紀に入って初めて見たのではないでしょうか。
「ん?なにか?」という顔のおばさま。
昭和ー!今でも使っているんですねー。

○ 愛情と時間と手間

今のせわしない日々では考えられないような、工夫を凝らした料理の数々は、宝石のように貴重なものばかり。
こんなに愛情と時間と手間をたっぷりかけた料理は、もはやこのご時勢ではなかなか食べられないものとなっています。
ああ、なんて貴重な体験でしょう。
優しく細やかなおかみさんたちの手料理が、優しく身体に入っていきました。

○ 草刈正雄と乙女

帰り際に「この前ここに草刈正雄が来たのよ」という話になり、一緒に撮った写真を見せてもらいました。
9月初旬の日付なので、大河ドラマ『真田丸』の幸村の父、真田昌幸役を演じている最中のことです。
収録はもう終わっていたのかもしれませんが。

この日、枝豆ご飯を炊いてくれたおかみさんが、とろけそうな笑顔で彼の腕に両手でギュッととりすがっていました。
工藤さんが「この人、草刈さんの隣を離れなかったのよ」とばらすと、その方は少女のように笑いながら、頬に手を当てて恥ずかしがっていました。
ワー、恋する乙女!



皆さん、いくつになってもかわいらしい方々です。
いつまでも、お元気でいて下さい。ご馳走さまでした~!

○ 2本の電車

帰り際、外に出た時にちょうど通って行った電車。
これは弘南鉄道大鰐線です。



奥をJR奥羽本線が走っていきます。鉄っちゃんが喜びそうなシチュエーション。



私たちを乗せた車は走り出し、みんなが小さくなるまで手を振ってお別れしました。

○ アップルロード

「今通っているのはアップルロードです」とコバヤシさん。
道の両側にリンゴ園が広がり、その奥に岩木山が見える、全長22㎞の気持ちのいい道路。



弘前には、世界一の桜の道路があったり、アップルロードがあったり、いいですね。
リンゴの花が咲く時期と、今の収穫時期が特にきれいだそう。そんな時に通れて幸せです。

○ 三上竹工芸センター

次に着いたのは、岩木山のふもとにある津軽民芸篭の工房、三上竹工芸センター。
アケビや山ぶどうの蔓で作られた篭を製作販売しています。



ここの籠は、2日目夜に入った青森アウガのお店「リンゴ箱」にたくさん飾られていたなあ、と思い出します。
山ぶどうは使い込むほど光沢が出るのだそう。



すべて手編みの籠ばかり。工房では三上さんご本人ともう一人の女性の方が二人で製作中でした。
三上さんは昭和5年生まれの名人で青森の「匠の人カレンダー」に登場しています。



出来立てのものは青々としていますが、時がたつと茶色に変色します。竹や蔓は生きているから。
全て手作りのため、もう新規の取引先はお断りしているとのこと。



日本中から注文が寄せられています。旅館からの大量注文や、鎌倉からの注文票もありました。
「みんな、ここから買い付けた籠を、自分の店に置いて数倍の値段で売るんだよ」
コバヤシさんは、細長い籠をチョイスしました。
「人に招待された時、これに手土産のワインを入れて、籠ごとプレゼントすると喜ばれるんだ」
わあ、なんておしゃれなんでしょう。



そんなコバヤシさん、弘前の主のようですが、実はれっきとした東京人。
今回乗せてもらっている車も、彼のものではなくレンタカーです。
年に50日以上弘前入りしているともっぱらの噂なので、もうほとんど弘前人ですね。

○ まさかの青森空港へ

買い物後に彼から「ごめん、ちょっと間に合わないわ」と言われました。
東京からやってくるもう一人を空港でピックアップする予定ですが、時間が押して弘前駅に寄って私を下ろす時間がないとのこと。
コバヤシさんと元CAさん、そして新たに来る人たちは、今夜は七戸の農村民宿に泊まるそうで、弘前駅は方向違いになるのです。

「一緒に青森空港まで来てもらって、それからは空港バスで帰ってもらっていいかな?」
なんと、予想外の展開になりました。
まさか、今回自分が空港まで行くことになろうとは。

「ごめんねえ」と言われながら、車は青森空港に着きました。
ずいぶん前に一度だけ、青森から飛行機で帰ったことがありますが、訪れるのはそれ以来です。
国際線だと、ここからどこに行くんだろう。



ピックアップする人が乗った東京からの便は、30分遅れています。
弘前駅行き空港バスは、飛行機の到着に合わせて発車するため、コバヤシさんたちと一緒にフライトを待つことになります。



まあせっかく来たんだし、それならばと空港内のこみせ商店街をチェック。
お土産、いろいろありますね~。
奇跡のりんご関連のスイーツがありました。
「この工藤さんが農薬なしのりんごを作り始めたのは、奥さんがアレルギーだったからなんです」とコバヤシさん。
顔が広い人なので、工藤さんともお知り合いかも。



○ さよなら同期の桜

大阪便の離陸時間が近づき、ヒヤマさんとのお別れになりました。
弘前駅ではなく、青森空港でお見送りする形になるなんて。これじゃ追っかけじゃないですか(笑)。

スタートが同じで、滞在中いろいろとお世話になった同期の桜が去っていくのは、寂しいものです。
しんみりしかけたら、本人に「滞在中には、あと何を食べる予定ですか?」と聞かれました。
「えっとですねー」すぐに熱心に考え始める私。
「こっちのものをまた食べたら教えて下さい。ぼくも食べ残したものがありそうなので」
「合点承知!」食欲ばんざい!

滞在中は、何でも吸収しようという貪欲な気持ちで臨み、お誘いは全て受けたという彼。
「前の晩の、4次会深夜のカツカレーもですね?」
「まあ、あれもいい経験になったし、食べないよりは食べておいてよかったし」
ポジティブ~!

最後まで食べ物のことを名残惜しみながら、飛び立っていきました。
どれだけ食いしんボーイなんでしょう。
でも大阪は食べ物天国ですから、またすぐ幸せは戻るでしょう。

シェアハウスから先に帰っていく人たちは、みんなとても寂しそうです。
私も自分の番が来たら、そうなるんだろうな。

○ ひとり高速バス

東京便を待って、さらに空港で時間をつぶします。
元CAさんに、JALの話をいろいろと教えてもらいました。
ようやく東京便が到着して、知り合いの女性と合流したコバヤシさん。
登場したのは、またもやモデルのような方でした。
コバヤシさんはなぜに綺麗な方ばかりとお知り合いなんでしょう?

私を紹介する時、なんとも説明に困っている彼。
「ええと、こちらの方はこれから別行動で弘前に戻る人なんだけど」
来たばかりの人は、状況が呑み込めていません。
「え、一緒じゃないんですか?なぜ七戸に行かないの?」
そりゃそうですよね~。
説明しきれないうちに、空港バスが発車しそうになったので、3人に手短にお別れをして、私はバスに乗り込みました。



バスの窓から、コバヤシさんと美女たちが先ほどの車に乗り、去っていくのが見えました。
これまで一緒だったみんなとお別れをして一人になり、一気に淋しい気分。
星屑ロンリネス~。

○ どしゃぶりチャリ

この日は夕方から夜にかけて雨になるとの天気予報でしたが、(帰りはそんなに遅くならないから大丈夫)と思っていた私。
安心して駅まで赤べこ号に乗って来ました。
でも空港まで行き、フライトを待って弘前までバスで移動するうちに、夕方にさしかかっていました。
(このまま天気がもってくれますように)と祈る気持ちでしたが、弘前市内に入った頃には、予報通り大雨になっていました。
わー、アンラッキー。

雨足が強かったので、バスで帰ろうかとかなり悩みましたが、駅前駐輪場に赤べこ号を一晩置きっぱなしにするのは不安だったので、雨の中を自転車で帰ることに。
スリップしないように気を付けながら夜道を20~30分走り、ずぶぬれになって帰宅しました。
少し前に帰ったというyumさんが、濡れそぼった私を見て「うわ、どうしたんですか!」とビックリしていました。

○ 初めてのおうち夕食

この日のことをお互い報告し合います。
田舎館に田んぼアートを見にいってから鯵ヶ沢までわさおに会いに行った彼女。
田んぼアート会場では、私たちと別れた後のせのおさんに偶然会ったそう。
鰺ヶ沢では、わさおにあったと写真を見せてくれました。
わさお、やっぱりいたんですね!安心したけれど、なぜこの前私たちが行った時には留守だったの~。
かなりの移動距離です。本人も「くたびれましたー」とかなりお疲れの様子。
私も大雨の中、夜道をずぶぬれで自転車を飛ばしてきたので、脚も気持ちもくたくた。
初めてリビングのヒーターを付けました。

今夜のハウス住人は、私たち2人だけ。
ハウスの中ががらんと広く感じます。
寂しいことしきりですが、静かでなんだか落ち着きます。

さて、夕飯にしようかな。
このハウスで夕食を食べるのは、驚くことに6日目にしてこの日が初めて。
夜な夜な歓迎会と送迎会が続いており、この日はたまたま何もない夜だったんです。
ここまで外食続きだったなんてー。
用意しておいたパスタをようやく開封しましたが、この分だと滞在中に食べきれなさそう。

おうち夕食でかなり落ち着いて、二人でのんびり過ごしました。
やっぱりこういう時間も必要です。
これまで時間を気にしてシャワーで済ませていたお風呂も、初めて浴槽にお湯を張って、この日の身体の疲れをお互い癒しました。
やっぱり湯船に使うと、リフレッシュできるわー。

お風呂上がり、彼女は缶ビールを数本開けています。
いろいろお酒を買い込んでいましたが、「おかしいな、ほろよいとか全然酔えないや。よければどうぞ」と言って、ビール飲みをしていました。
よっぽどタフに動いたんじゃないかしら~。
ほろよいを全部飲むと伸びてしまう私は、お茶にしておきました。

○ 変わらず同室

久しぶりの静かな夜。
洗濯ものびのびできます。

yumさんは、秘湯が好きだと判明。
「横浜といえば、綱島温泉には毎年行っていましたよ」
突然、かなりマニアックな昭和レトロ調のラジウム温泉の話題が出たので、驚きました。
綱島温泉がなくなって悲しむ会(勝手に作っている)の会員だったんですね!私もですよ!

人が減って空室が増えたので「移動して一人で一部屋使っていいですよ」と担当さんに言われましたが、私たちは移動せずに、変わらず同じ部屋に寝ています。
だって寒いし、寂しいし!

○ 移住疑惑

日々の様子をSNSにちょこちょこアップしていたら、東京の友人数名から真剣モードで「本当に移住してしまったんですか?」と質問されました。
長めの滞在なので、そんな風に見えたんでしょうか。
もうちょっとしたら帰ります~。

女性2人だけで過ごす雨の夜が、静かに更けていきました。

7日目に続きます。


りんご王国おためし暮らし 6-1

2016-10-13 | 東北
5日目からの続きです。

○ カツカレー明け

夕べも遅い就寝でしたが、ゴミ出しの日なので頑張って起きました。
でも別の人がもう出してくれていました。

「お"は"よ"う"~」かすれた声で登場したヒヤマさんとせのおさん。
うつろな目をしています。
「夕べのカツカレー、まだおなかに残ってる…」
そうでしょうとも。真夜中2時近くに食べたんですから。

カツは2枚のっていたそうです。うわあ。
「きついな・・・」
二日酔いの時と同じように、食べ過ぎの人もけだるげで小さな声になるんですね。

yumさんと4人で写真を撮っても、2人はうつろな表情。
ほら、笑顔、笑顔!



「じゃあみんなで、ジャンプして撮りましょう!」
あまりに朝からゾンビっぽいので、悪魔発言をしてみました。
2人は弱々しく反論します。
「いやいや、今は無理だって」
「戻しちゃうよ。出たもの写真に写っちゃうよ」
ですよね~。

いじめるのはやめて、朝ごはん代わりにリンゴをむきました。
「リンゴなら、いけそう」
整腸作用がありますからね。

○ 町のふらいんぐうぃっち

yumさんは、わさおに会いに早々に出かけました。
ヒヤマさんと私は、せのおさんの車に乗せてもらってダウンタウンへ。
「この建物、ふらいんぐうぃっちにも出てくるんだよね」



弘前を舞台にしたアニメ『ふらいんぐうぃっち』にも、たか丸君は登場するそうです。
といっても動くキャラクターではなく、タオルの柄などのデザインとして。
アニメーターさんは別の方が手がけておいでだとのこと。
「それが上手なんだよ」とせのおさん。いえいえ、御本家はあなたですから。

ほのぼのしたストーリーが、ゆるくていいんだとか。
横浜から弘前に魔女修行に行ったヒロイン。親しみが持てそうです。



町の書店のウィンドウいっぱいにも『ふらいんぐうぃっち』のポスターが貼られていました。

○ CAFE JEEBA

中央弘前駅近くに車を停めて、商店街にくり出しました。
ここで突然、スギちゃんそっくりの格好をした男性と、すれ違いました。
本物よりも大柄で、一瞬フレディ・マーキュリーかと思った風貌。
半そで短パンデニム姿で堂々と歩いていきました。

あまりに突然のことだったので、3人とも目を見開くだけ。
「今のは・・・?」
町の方では、スギちゃんファッションが流行っているんでしょうか?
ヒヤマさんと私の問いかける視線を受けて、弘前に詳しいせのおさんは「いやいや、弘前にはああいう人、普通はいないからね」と言いました。

近くのゲームセンターの前では、うら若き乙女がひとり、ワニワニパニックをしていました。
髪を揺らしてハンマーでバンバン叩きまくっている様子を見て、せのおさんは
「ああいう人も、そんなに見ないけど…ストレスかな…」と言いながら、語尾が小さくなっていました。
弘前にも、いろんな人がいるんですね。



訪れたのは、CAFE JEEBA
シックな店内に、お客さんは私たちだけ。のんびりしています。



『東北のテマヒマ』という、気になる本を見つけました。
帰ったら読んでみようっと。



2人は津軽リンゴティーとリンゴミルクティーをそれぞれ注文。
私はリンゴキャラメルワッフルにしました。



うわあ、かわいらしい盛り付け。
「それおいしいんだよ。普段ならね…」とせのおさん。
カツカレー後遺症に苦しむ2人をしりめに、パクパクいただきました。



リンゴティーを飲んで、二人ともちょっと元気になった様子。
オシャレな店名だと思ったら「爺と婆でジーバ」なんだそう。
でも、店員さんはジイでもバアでもありませんでしたよ。

○ 卍のわけ

たか丸君の作者と一緒に朝カフェをしているなんて、不思議な感じ。
たか丸君には、まだ会えていません。
「弘前公園をよく歩いているよ」
もともと弘前城築城400年祭のイメージキャラクターだったため、市の顔になった今でも、お城や公園が本拠地だと教えてもらいました。

たかまる君には卍マークがついており、マンホールにも必ずこのマークがついていたなあと思い出します。
お寺と関係が深いわけでもなさそうだし。

せのおさんに聞いてみると「シショーだよ」
「?」「市章ね」
お寺のマークだと思っていたら、弘前市のマークなんだそう。
「だからたかまる君を反転させると、問題なんだ」
「逆卍はネオナチですからねー」

○ 国際ホテルの支配人

それから、事務所前で車を降りました。
ヒヤマさんとはまた後で会いますが、せのおさんとはここでお別れです。

これから、赤べこ号に空気を入れるミッションを果たします。
昨晩事務所に停めていた赤べこ号で、国際ホテルへ向かいました。
昨日知り合った支配人の方に、空気入れを貸していただけるということで、頼っていったのです。
ホテルの入り口付近で空気入れを見つけて使わせてもらい、階上のフロントにお礼を言いに行くと、フロントさんが奥にいた支配人を呼んでくれました。

支配人は昨日のラフな姿とは全然違う、ビシッとしたホテルマンの姿で現れました。
キリッとしてまぶしい~!
ご多忙の勤務中ながら、一緒に入り口まで出て、赤べこ号のタイヤの空気状態をチェックしてくれる優しさ。
最後に支配人自ら、見送りまでしていただき、恐縮しながらその場を離れました。
いろいろとありがとうございます。今度泊めてもらいますね~。

○ むなかた神社

空気が入った赤べこ号で快調に駅に向かい、迷いながらまず訪れたのは胸肩神社。



宗形(宗像)神社はよくあるけれど、この字は初めてです。



胸と肩の神様かと思ったけれど、やっぱり宗像三女神を祀る神社でした。
狛犬が表情豊かでユーモラス。かつてのクラス担任の顔にそっくり。先生、元気かな。



宗像三女神と一緒に、弁天様も祀られていました。



ここの絵馬には、意味の通らないひらがなと数字が書かれていました。
ほとんどの絵馬が同じように書いてあります。
いったいこれはなんだろうと考えて、ハタと気づきました。
カーナンバーを書いているんですね。
他では見たことがありませんでした。



岩木山神社の分祀もありました。
関東の方では富士山を祀る浅間神社をよく見かけますが、こちらではやっぱり津軽富士の方でしょう。

○ 太宰治まなびの家

次は、太宰治まなびの家(旧藤田屋住宅)へ。
地図を持っているのにまたもや迷ってしまいました。
一人で動くと、いつも迷うのはなぜなんでしょう?
あまりチェックせずに歩くからでしょうか。(多分絶対それ)



太宰が旧制弘前高等学校へ通った3年間、下宿していた家です。
正面の庭で草むしりをしていた管理人の方に挨拶をすると「2階が太宰の部屋なので、見ていってください」と教えてもらいました。



おうちに上がります。
誰もおらず、屋敷の中は私一人。贅沢です。



大正時代の建築。古いいいつくりです。



木の階段を上がります。ミシミシと少しきしむ音にドキドキ・ワクワク。



2階の太宰の借りていた部屋には、書生マントが飾られていました。
これこれ。太宰を気取った人が時々着ますよね。



かつては太宰の机の前に座れたそうですが、今は入れないスペースになっていました。



青森ゆかりの作家ということで、前に金木の斜陽館にも行ったことがあります。
ここには高校生時代に書いた作品が展示されており、東京でやさぐれた生活を送っていた頃とは違う、みずみずしい彼の青春が詰まっているようでした。



あまり知られていない若い太宰、未来を見つめる初々しい学生の姿を見られた気分。
心に響いて、ここでもメッセージをしたためました。



○ カツカレーからの~あかつきの会

そろそろ待ち合わせ時間が近づいてきたので、駅へと向かいます。
余裕を持って動いたはずが、案の定またもや方向を間違えて、どんどん郊外へ向かってしまいました。
急いで方向転換し、駐輪場に赤べこ号を停めて、待ち合わせ場所へ。



駅中央口の反対側の城東口側には、JRの車庫がありました。
なんとか時間に間に合って、ヒヤマさんと落ち合いました。



コバヤシさんからのお誘いで、これから津軽あかつきの会の食事をいただきに行くのです。
昨日の夜中過ぎに声をかけてもらい、その場でお願いしました。
前に書きましたが、コバヤシさんは「真夜中過ぎのカツカレー締め」を弘前男子にじわじわ広めつつある問題児、いえ悪の根源、いえいえすばらしいお方。
昨晩、カツカレーを食べながら、ヒヤマさんは彼から翌日の食事会に誘ってもらい、ついでに私にも声をかけてくれたのです。
それを思えば、ヒヤマさんが身体を張ってくれたおかげで、今回私も参加できることになったわけで、つまりはカツカレーに感謝しなくてはいけませんね??

コバヤシさんとも合流し、空港バスの到着を待って、降りてきた女性と4人で車に乗り込みます。
この女性、どんな方かと思ったら、JALの元CAさんでした。
まあ、華やか~!

○ 鬼伝説

車は黒石方面に向かっています。目的地は市内だそう。



途中に通った神社の鳥居には、しめ縄がかかっていましたが、それに蛇の頭がついて、こちらを見ていた気がします。



私がひそかに撮影していたら、コバヤシさんが「この辺りには12干支の神社があって、お正月には氏神様のほかに自分の干支の神社をお参りするらしいよ」と教えてくれました。
干支に護られているんですね。

あとで「こんなのがあるよ」と、鬼の付いた鳥居の画像を見せてくれました。
なぬ~?鳥居に鬼がいるの?神域の入り口に?

以前、この辺りにロシア人がいて、鬼と言われたとされているそうです。
五所川原の辺りには、青い目の日本人がいるんだとか。
北方だから、ロシアから来た人もいたんでしょうね。

そういえば岩木山の辺りに鬼神社があることを思い出しました。
この辺りの鬼伝説、なんだか気になります。

その2に続きます。