風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

りんご王国おためし暮らし 3-4

2016-10-06 | 東北
その3からの続きです。

○ 日本海の夕焼け

残念ながらわさおには会えませんでしたが、このお店は日本海に面した高台にあり、すばらしい眺望を楽しめました。



丘のすぐ下を五能線が通っていきました。
本数が少ない路線なのに、この日は計3回、見ることができました。



夕日の時間です。太平洋岸では見られない、海に沈む太陽。
美しくて、言葉もありません。



帰り道、前を見ていたtomさんが声を上げました。
「あ、リンゴ箱運んでる~。でもiPhone充電中だわ」
そこで「お撮りしましょう!」と私が颯爽と撮りましたが、みごとにブレブレでした。
先輩、すみません~。



次第に空は暗くなり、岩木山がシルエットになって行きます。
どこから見ても美しい山。津軽の人々の心の拠りどころなのも、うなずけます。



○ 洗車インザカー

代表の車は、長いドライブの間にワイルドな自然の中を走ったために、結構泥はねしていました。
「洗車していきます」
そういうと、大きくハンドルを切ってガソリンスタンド奥の洗車コーナーへ。

え、降りなくてもいいんですか?
そのまま中にいるの?濡れないの?

スタンド洗車初体験の私は、何が起こるのかと一人そわそわ。
すると、大きなブラシがフロントガラスに接近してきました。
拭かれるー!



いえ、拭かれたのはガラスで、中にいる私たちには何も起こりません。
珍しくて、こっそり写真を撮っていましたが、あっさりみんなにバレて「珍しいの?」と珍しがられました。



洗濯機の中にいるようなガラガラ、ゴボゴボという大きな音がします。
洗って流して乾かして。あっという間に車はピカピカになりました。

○ 歓迎会・送迎会

弘前に戻り、夜は明日帰るデグチ先輩・tomさんのお別れ会と、新たに混ざる人の歓迎会。
メンバーの入れ替わりはほぼ毎日あるため、この分で行くと毎回飲み会になりそうです。
ヒ~、胃腸がもつかしらー。



「かくみ小路」という雰囲気のいい飲み屋街にさしかかりました。
「持ち込み可だから、何か買っていこう」と酒屋でシードルを買う代表。
(持ち込み可なんて大らかな)と思いましたが「飲み放題だから外からの持ち込みは店的にウェルカム」と言われて納得。



新鍛冶町のスナック横丁のようなところへいざなわれます。
おお、ディープ。
瑞月という、おじいさんがマスターをしている居酒屋でした。

○ グルメ三昧

やっぱり海鮮は美味しい~。港はないけど青森だから~。



ジグソーパズルのようなオレンジ色のピースは、ホヤです。
下に青々としたミズが敷かれた、ホヤとミズの水物。
この二つは名コンビで、我が家でもよく食べます。
入れものごと出てきて(好きな分とって下さい)という気取らない方式。



さんまの塩焼きが出てきました。
今まさに旬。脂がのっていてぺろりです。



大きないがめんちもやってきましたよ。



この前食べたものとは、たしかに中身が違います。
いがめんちは全てオリジナルなんですね。



代表は、日中に嶽で買った舞茸をマスターに調理してもらっていました。
食べたら、あまりのおいしさに舞い踊ると言われている、天然の舞茸!
滅多なことでは口に入らない贅沢品です。



おお~、なんとしっかりしたキノコの味。これが野生の舞茸の味なのね。
代表ありがとう!
みんなで舞い踊っちゃいました、タラッタラッタ♪

○ kimoriのシードル

お店に持ち込んだのは、kimoriのシードル。
私にとっては他より飲みやすいので、ほっとして頂きます。
「甘口と辛口とあって、これはドライの方」
うん、さわやか~。



tomさんが2杯目をつぐと、先程の透明さから一変し、青森リンゴジュースのようなクリ-ム色になっていたので、驚きました。
「さっきとはがらりと変わったでしょう。これは底にたまるから」と代表。
味見させてもらうと、確かに味も変わっていました。
一本で二つの味を楽しめるわけです。

お酒に弱い私が少しずつシードルを飲むのを見て、
「シードル、向いてる感じですね。kimoriの社長の高橋さんに会ったら、いろいろためになる話をしてもらえますよ」と代表。
「その時には連絡取るので、言ってください」
アポを取ってもらえるそうです。

○ 弘前の名酒

「ホーハイあるの?ならそれ頼むわ」
ホーハイってなんだろう?
それは弘前の日本酒「豊盃」でした。

青森のお酒といったら、田酒しか知りません。
「田酒は?」「それは青森の」
田酒は青森市、豊盃は弘前市のお酒です。



はじめは徳利に入って出てきましたが、お代わりをお願いしたら、ドーンと一升瓶のまま渡されました。
ひええ、ゴーカイすぎる。自分たちで好きにつげということでしょう。
こちらの人はたくさん飲むので、徳利に入れていられないのかもしれません!

○ おそろいリストバンド

今日からの新しい方々と合流しました。
「手に何を付けているの?」と言われて、めいめいに自分の手を見る私たち。
「ああこれ、さっき不老ふ死温泉に行った時につけられて」



露天風呂には外からも入れるため、きちんと料金を払った証拠です。
すぐにとれるかと思ったら意外に頑丈で、片手で引っ張ってもかんたんにははがれません。
めいめいがそのままにしていたら、おそろいのリストバンドみたいになっちゃいました。

○ ハウス飲み

終わった後、当然(!)2次会はどこに行こうという話になりましたが、「一度シェアハウスで家呑みしてみたい」というデグチ先輩の希望で、ハウスに行くことに。
何台かの車に分かれて移動します。
別行動をしていたヤマモトさん・Nekoさんも合流して、ハウスにオールキャストが揃いました。

○ 津軽のイモ当て

ここで、ずっと気になっていた「イモ当て」をすることに。
津軽の人たちは子供の頃に親しんだお菓子のようですが、私たちは見るのも初めて。
くじを引いて、大きさの違うイモ(あんドーナツ)がもらえるみたい。
じゃあさっそく始めましょう!



ハウス入居の古い順から順番に引いて行きます。
私はけっこう後の方。
やっぱりドキドキしますね。でも毎度のごとく、この日の夜もあれやこれや食べ過ぎて、もうおなかはパンパン。
(親より子を当てたい)とはみんなも思っているようで、どこか普通とは違う盛り上がり方になりました。



私はめでたく小さい方を引きましたよ!よかった~。
代表もデグチさんも、ちゃんと空気を読んで、大を当てました。さあ大きなのをお食べなさい~。

ハウスでみんなで飲むのは、わきあいあいとして楽しかったです。
デグチ先輩とtomさんは明日帰るため、みんなで集合写真を撮りました。



○ 西に台風接近中

0時にお開き。
今日買った青森の食材と、初日にもらったズッキーニ。(かなり持て余し気味)

先達のお二人が帰ってしまうのは淋しいし、(聞いておかなくちゃいけないことがまだあったかも)という気にもなります。
ただ、先輩宅のある大阪には目下台風が接近しており、翌日は直撃するかもしれないという状況。
気象情報から目が離せません。

「飛行機が飛ばないかも」と、気が気ではない様子のデグチ先輩。
「いやいや、今までそんな目に遭ったことないし」
そう自分に言い聞かせているところに、ヒヤマさんが
「センパイ、気にせず帰ってきてください。待ってますよ」と、応援しているのか突き放しているのかわからない言葉をかけていました。



盛りだくさんの3日目がこうして終了。
弘前では、ゆったりと静かな時を過ごすのかと思っていましたが、こっちに来てからなにかにとずっとイベント続きで、楽しくも忙しく過ごしています。

4日目に続きます。


りんご王国おためし暮らし 3-3

2016-10-05 | 東北
その2からの続きです。

○ 深浦にんじん畑

長い冬の間に、豪雪の下で甘味を増す深浦にんじん。
小高い丘の上にある、代表の知人のにんじん畑を見せてもらいました。



私有地なので、普通は入れない場所。
空と海と大地。そこに広々とした畑が広がっています。
絶景かな。



日光をたっぷり受けるその畑から採れるものは、おいしくないわけがないでしょう。
海からの風を受けて、白い風車も回っていました。



北海道みたい。もっというと、日本じゃないみたい。



そこにいるだけで自然からの恵みを一杯に受けられるような場所。
気持ちよくリフレッシュできました。

○ 不老ふ死温泉

それから向かったのは不老ふ死温泉。
これまで、そう簡単には行けない遠い地の果てにある秘湯だと思っていましたが、実は深浦からすぐでした。



海際の露天風呂が、とても有名。
温泉好きにとって憧れの場所です。
私も、いつか訪れたいものだと、長いこと思っていました。
まさか今回、その希望が叶うなんて。これは夢?



ただこの露天に入るためには「全裸で海までダッシュするという辱めに耐えられるか?」とも言われます。
うう、ハードル高い・・・。
大丈夫、それは都市伝説で、ちゃんと服を着たままでそばまで行けるみたい。
混浴と聞いてうっと躊躇しましたが、女性専用もあると知って、ほっとしました。

○ 海際の露天風呂へ



ここまで来たら、もちろん入らない手はありません。
着替え用の籠を抱えて、海際ににじり寄ります。
確かに女性専用風呂があったので、一安心。
それでも立つと、仕切り向こうの男性の頭が見えてしまうという、かなりのゆるさ。
お互い不幸にならないよう、あわてて身をひそめました。



目の前は波立つ日本海。極上の気持ちよさです。
そんなに混んでおらず、tomさんと貸し切り状態にもなりました。



○ 許されし人々

波を眺めながら温泉と海をのびのび満喫していたら「お風呂の外から男の子がのぞいてるー」とtomさん。でもあせってはいません。
「えー」と言いながらも、やっぱりそのままで慌てない私。
小さい子だから許されること~。



混浴風呂の男性の方に、女性はいたのかしらと後で聞いてみると「いなかったけど、女性が一人のぞきに来た」とヒヤマさん。
混浴用なので、のぞいても罪にはなりません。これも許されること~。

とても天気が良くて、気持ちがいい日。
温泉から上がったあとは、車の中でカーブに揺られながら何度もウトウトしました。

○ 行合崎

見晴らしの良い場所に連れて行ってもらいました。
2時間ドラマに出てくるような断崖絶壁。



緑に覆われた美しい岬です。
息をのむほどに美しい空でした。



「刑事さん、すべてお話します。私がやりました・・・」
見晴らしのいい崖の上に立つと、人は自白したくなるのかも。



まるで絵の中に入りこんだようでした。



風の強いところにけなげに咲く可憐な花。
高山植物かしら。



岬の反対側の光景です。



○ 馬が驚く驫木駅

ふたたび車に乗り、海沿いを走って行きます。
五能線のレールが並走しています。



ここは驫木(とどろき)駅。四国の下灘駅のようなひなびたいい雰囲気。
JRの青春18きっぷポスターに登場しています。
夕陽が見える海沿いの駅、ポスターに登場したという点が、どちらも共通していますね。



この漢字がいいです。
「驫」の字は30画あって、日本の駅名に使われている文字のうち最も多い画数なんだそう。



トドロキというと、車三つの「轟」を思い出しますが、ここでは車よりひと時代前の交通手段、馬の字を使っているんですね。
由来は、波の音と瀬の音が轟いて、3頭の馬が驚いたことからだそうです。

○ 三頭の馬つながり

それを聞いて「三厩」の由来を思い出しました。
あそこは、追い詰められた源義経が海からきた3頭の竜馬に乗って北海道に逃げた伝説がもとになっています。
それと同じ馬なのかしら?それとも3って単に語呂がいいから?
驫木も三厩も津軽半島にありますが、100kmくらい離れています。
馬を疾走させればすぐですが。



ホームの目の前は海。訪れた人は全員詩人になれそうです。
ホームに立って右を向くとこんな光景。



左を向くとこんな光景。



突然遠くからガタゴトという音が近づいてきたと思ったら、あっという間に五能線(リゾート白神?)がやってきました。
この駅には止まらず、小さいホームにいる私たちのすぐ横を、猛スピードで走り抜けていきました。



○ 夕焼け暦とノート

ホームには、日時計と夕焼け暦がありました。
ホームから見える夕日の方角が示されています。
なにこれ、ロマンチック~。

海に夕日が沈む、日本海ならではの暦ですね。
でもまだ夕焼け時間にはちょっと早い頃でした。



訪れた人がしたためるノート。
ソフトケースの中には何冊も入っていて、ずっしりとした重みがありました。



私もメッセージを書いていきました。
今回の旅では、機会があればメモを残すようにしています。



○ かそせいか?

少し走って、道の駅に立ち寄ります。名前は「道の駅ふかうら かそせいか焼き村」。
かそせいか?科捜研の女?
(地名の風合瀬を「かそせいか」って読むのかな)と思いました。

後で調べてみたら、読みは「かそせ」でした。
つまり「風合瀬・イカ焼き村」でした。
初心者にはわかりませんよ~!



ここも建物の前は海。
太平洋岸住民なので、日本海の夕暮れを眺める機会はめったにありません。
そろそろ西日が海に射し込んでくる時間。キラキラと眩しくて、目を開けていられないほどでした。



ここで、深浦雪下にんじんジュースを買いました。
弘前に戻ったら買えないかもしれないそうです。それなら東京ではもっと買えませんね。

○ 日本一の大イチョウ

日本一の大イチョウのところに連れて行ってもらいました。
その触れ込み、ほかのところでも聞いたような気がするなあと思いましたが、正真正銘、ここが日本一。国の天然記念物だそうです。



樹齢1000年以上、高さ31m、幹の周り22m。
もはや、ロード・オブ・ザ・リングのエントじゃないですか。
1世紀生きたら、たいそうパワーの強い精霊となっていることでしょう。
朝の大ひょうたんといい、大イチョウといい、青森にはビッグな植物が多いのかしら?岩木山パワー?



ここまで大きいと、当然ながら神木として祀られます。
そばには小さな祠がありました。狛犬がナイス!



告白します。私、狛犬のお尻が好きなんです。
尻尾ふさふさで、かわいい~!



○ 反対側の岩木山

空には、別世界に来たかのようにきれいな雲が浮かんでいました。



日本海側からは、岩木山が弘前とは逆方面から見られます。
ちょっとゴツゴツして見える感じ?



○ わさおがいない

鯵ヶ沢に着き、ブサ犬わさおがいるきくや商店を訪ねましたが、お店は閉まっており、ひとけがありませんでした。



わさおも不在。旅行かしら?
あ、わさおじゃなくて、お店の人がね。



わさおの家の隣になぜか猫の家があって、かわいい猫が2匹顔を見せていました。
外飼いだけれど逃げる気配もなく、飼われているようです。



会えたのは犬じゃなくて猫だったけど、かわいいからいっか。

その4に続きます。


りんご王国おためし暮らし 3-2

2016-10-04 | 東北
その1からの続きです。

○ 海に出た

車は山を下りて日本海側へ。ふいに視界が開け、海岸線が見えました。
海だー!
テンションが上がって、車の中からバシバシ写真を撮る私たち。
前日も十三湖辺りの海を見ていますが、シニアな方々と一緒だったのでおとなしくしていました。



「いま何を撮ってるの?」と代表。
「海?じきにもっときれいなところに行くから」
そして停めてくれたのが、岩が広がる千畳敷でした。

てっきり左側に海が見えるのかと思っていたら、右側だったので不思議に思います。
いったん深浦の辺りに出て、それから南下する大まわりルートだそうです。

○ 千畳敷海岸

地球は岩でできてたっけ?と思うほど延々と続く岩の地面。
ここは1792年(寛政4年)の地震でできた隆起海岸です。



海底にあった海岸が外に出るくらい、すさまじい地震が200年前に起こったんですね。
この岩棚は12kmも続くというので、名前通りに千畳の畳が敷けそう。



実際、ここ一面に畳を敷きつめて宴をした津軽藩主がいたのが名前の由来だとか。
豪快な北の殿がいたものです!



○ デコポコジャンプ

代表が女子大生5人に頼まれて、ジャンプ写真を撮ってあげていました。
「青春ですなー」「若さ弾けてますなー」と、遠い目で遠巻きに眺める私たち。
でもその様子を見ていたら、自分もやりたくなってうずうずしてきました。



代表がこちらを向いて「じゃ、ここで記念写真を撮りましょう」
パチリ。
「うーん、なんかもうちょっとかな」と彼。



たまらず言ってみました。「せっかくなので、私たちも跳びましょうよ」
「えー」「この年になって~」
とまどいの声が上がりながらも、4人で跳んでみることに。
みんな優しーい。

せーの、ジャーンプ!
連写した代表が、画像を確認して吹き出します。
「みんなバラバラ。もう一回ね」

せーのっ!!ジャーーンプ!!





後で画像を見て、大笑いしました。
みんな、ほんとにジャンプがバラバラ!
すごく跳んでる人とか、すごく伸びてる人とかいますよー。鍛えれば全身バネ!

デコボコジャンプをして、すっかり楽しくなりました。
これからは一斉ジャンプの写真、もっと撮ろうかな。

○ 箱詰めエゴ

「ほら、あそこ、エゴだらけ」と代表。
見てみると、確かにエゴがパンパンに詰まった箱が積み重なっていました。
自我が強すぎる人が箱詰めして送ってきたのかも。



エゴノキ科の木で、将棋のこまの素材などに使われるそうです。

ドライブ中、突然目の前を疾走するものが。
「あ、リゾート白神」
一日3本くらいしか通らないレアな電車が、サーッと通り過ぎていきました。



○ リンゴに乗る民

駐車場に林檎が落ちていた~♪フニフニ♪



きっとりんご王国の民は、この果実を乗りこなしているんでしょう。
そして几帳面に、パーキングに駐車しているのでしょう。
周りの赤い車も実はみんなリンゴで、これだけ魔法が解けちゃったとか?



○ 鶏頭場(けいとば)の池

青池に行く途中にある池。
変わった名前は、池が鶏の頭のような形をしているから。
青い青池よりもずっと凝った名前です。



木をかき分け、湖畔に降りてみました。静かにたゆたう湖面。
すべて世は 事もなし。



○ 青い青池

鶏頭場の池の先にある青池へ向かいました。
ここを訪れるのは二度目ですが、数年前に来た時は夕方で日が陰っており、あまりいい色は見られませんでした。
今度はどうかな…。
ドキドキしながら、のぞきこみます。

うわあ、きれい。






見とれて声も出ません。
しばし澄んだ湖を覗き込み、輝く青色を目に焼き付けました。

○ ハードな白神山地

道の途中にあった、白神山地の地図を眺めます。
この辺りは十二湖といわれる湖群で、白神山地の入り口近くにありますが、厳密には敷地内ではありません。

世界遺産のブナ林を一度訪れてみたいものですが、なかなか機会がありません。
山の中でアクセスルートが悪く、しょっちゅう通行止めになっているためです。
途中のビジターセンターまでは車で行けても、そこから先は本格的な山歩きになり、登山家か慣れたキノコ採りしか先に進めないのだそう。
高尾山とはレベルが違いますね。

こちらの人でもなかなか行けないという白神山地。
難しそうなので、今回もやめておくことにしました。

ふと白神ラインのことを思い出して、聞いてみました。
「この辺には、通るのに大変な道があるんですよね」
「県道28号線でしょう。あそこは未舗装で、普通車では通ってはいけない道。四駆でないとムリですね」
前に友人とグーグルマップで見つけて(先に行けるの?途中でなくなるんじゃない?)と気になった道。
一般の地元民はまず使わないながら、酷道マニアには有名なんだそうです。

○ キョロロと青池ソフト



十二湖ビジターセンター、キョロロへ。
有名な青い青池ソフトは、売られていませんでした。
なくなっちゃったのかしらと気になって聞いてみたところ、ここではなく深浦駅で売られているのだそう。
「駅まで行く?」と代表。
いえ、私の心はチリンチリンアイスにありますから、青池ソフトにはぐっと目をつぶります。

○ かつてのサンタランド

バブリーな面影の残るリゾート施設、ウェスパ椿山。
かつてここにサンタランドがあったことは知りませんでした。
「じゃあ、サンタランドの名残を探そう」とぐるりと一周。
敷地内にはまだサンタの像がところどころにありました。



○ 知られざるリンゴの真実

「質問です。りんご園の地面にビニールがかけられているのはなぜか?」と代表。
「日射のため」「当たりー」
おしりも赤くするためだそうです。

「次の質問。りんごに袋をかけるのはなぜか?」
みんなで考えます。
「虫から守るため?」「違ーう」
えっ、わかりません。

「日差しを避けて蜜を増やさないようにするためです」
蜜はある方が甘くておいしいのに、増やさないって、どういうこと?

「年中流通できるように、保管用にするためです」
知りませんでした。わざわざ手間をかけて一つ一つ袋に入れて育てている様子を見て、さぞ品質の高いリンゴが収穫されるのだろうと思っていました。
真逆で、おいしくないリンゴになるようにしているためだったなんて。
たしかに今では、一年中リンゴが食べられますね。

本当ならば秋から冬にかけてがもぎたてリンゴの季節ですが、春でも夏でもリンゴを食べたいという消費者のニーズのために、りんご農家はクオリティより保存力重視で妥協したものを作るようになったというわけですか。

本当に利を得ているのは、身を粉にして働くリンゴ農家ではなく、保存用の巨大な冷蔵庫を持つ中間卸業者だということも知りました。

教えてもらわなければ気がつかない事実。
なかなかショッキングな話に、みんな考え込みました。

○ ふかうら雪人参



ランチはセイリングで。向かいと隣は「ふかうら雪人参ビーフシチュー」。
この辺りは、甘い雪下ニンジンが有名です。



私はオリジナルカレーにしました。生卵とチーズをトッピングしてベイグドしたもの。
おいしくないわけがありません。



お店のお土産コーナーには、商品化されたふかうら雪人参ビーフシチューが売られていました。
前に青池に行った時、ウェスパ椿山でふかうら雪人参ソフトを食べたことを思い出します。
ニンジンのアイスクリームは初めてでしたが、甘くてぺろりでした。



○ 壁のチラシ

みんながいる奥の部屋に戻る時、店主のいるカウンターにおもしろいチラシが貼っているのを発見。
「最強毛豆決定戦!」
つぶやくと、そばにいたお客さんの耳にも届いたらしく、
「あれ、こんなのやるんだ。これなに?」と身を乗り出してチラシをのぞきました。
すると店主が代表を指して「あそこにいる彼が主催しているんですよ」と言いました。



なんと!代表、あなたが立役者だったんですか!
出された毛豆をいただきながらも、よくわかっていませんでした。
今回の旅、まだまだもっと毛豆に近いものになりそうです。
その3に続きます。



りんご王国おためし暮らし 3-1

2016-10-04 | 東北
2日目からの続きです。

○ ドライブ日和

この日は代表にドライブに連れて行ってもらえることになりました。
メンバーは、デグチ先輩、tomさん、そしてヒヤマさんと私。
大きな車で出かけます。

若手の農業振興に携わっている代表から、毛豆の差し入れ。
初日に食べてから、すっかりそのおいしさの虜になっている私たちは、みんなで喜びます。



枝豆とは似て非なる毛豆。今が旬です。
来週、毛豆選手権が行われるため、代表のところは今毛豆づくしなんだとか。
ん?毛豆選手権?
一瞬気に留めながらも「いただきまーす」
モグモグ食べながらドライブ出発。
天気が良い日で、岩木山がくっきり。

○ おばけひょうたん



まずは、大きなひょうたんがなっている畑へ。
いくらなんでも大きすぎやしません?規格外サイズにびっくり。
もうこれ、ドサクサにハロウィンで使ってもいいのでは?
大きな実がなるのは南方のイメージですが、土壌がいいんでしょうね。

リンゴ園は街のあちらこちらに見られます。
白いのは袋をかけているリンゴ。紅白に見えて、おめでたい気分。



○ 岩木山神社

それから津軽国一宮の岩木山神社へ。
滞在中に一人でも来ようと思っていた場所です。
感激しているそばで、デグチ先輩は、ポケモンGO上級者の本領を発揮中。
たくさん捕まえられたと、会心の笑みを浮かべていました。



子供の時に前を通ったことはありますが、神域に入ったのはこれが初めて。
創建780年。1,200年以上の歴史を物語る長い参道には大きな古杉が立ち並び、木々のいい香りが漂っています。



境内には足湯もありました。
古い石段を少しずつ上がりながら、拝殿へ向かいます。
途中の水も不思議なほどに澄んでいて、きれい。



門の前には狛犬がにらみを利かせていました。りりしい!



角がある狛犬です。あれ、トンボがとまってる。


「ぬぬぬ、わしの角の上におるふとどき者は誰じゃ~」

楼門をくぐります。



○ かくれんぼ狛犬

この神社で一番興奮したのが、ここ。
狛犬マニアとして、出会いを切望していたのが、このかくれんぼ中のような二体なんです。
日本に狛犬多しといえど、この二体のような生き生きした躍動感にはなかなかお目にかかれません。感激ー!

  


周りのみんなに気づかれないよう、さりげなく三方からのショットを撮ります。
でもみんなも、めいめいに撮影していました。
撮りたくなりますよね~。

  


ずっと見たかった狛犬を見られて大満足。



○ ローマ風呂に勇者の剣

おっと、浮かれて参拝を忘れるところでしたよ。
参拝前に、ローマ風呂のような大きな手水舎で手を清めます。て、手を洗いたいんだけど・・・



ひしゃくの絵が長ーい!さらに大きくて重ーい!
これはもう武器になりそう。



山の水で手を清めてから、参拝。
岩木山の神様、滞在中はよろしくお願いします。



美しい建物の装飾。「北門鎮護」の扁額。
木鼻は獏でした。



○ カランカランアイス

入り口まで戻ると、アイスクリームの売り子さんがいました。
私の好きな、チリンチリンアイスだわ。
あれ、でもよく見ると、カランカランアイスって書いてる。
チリンチリン。カランカラン。はて?



代表に「弘前ではそう呼ぶんですか?」と尋ねたら、「あの人だけじゃないかな」とのこと。
食べたかったのですが、これからくねくねカーブの岩木山越えに入ると聞いて、車に酔わないようにやめておきました。

○ 嶽きみの里

次は嶽(だけ)を通りかかりました。嶽温泉、そして嶽きみの里!
その二つで成り立っているような街で、この町にはきみ御殿がたくさんあるそうです。
「出回っている嶽きみと実際の出荷量を比べると、あまりにも合わないので、ほとんどが類似品の違うものだよ」
代表は農業関係にも詳しい人です。
この町で売られているものは間違いないため、本物を食べるチャンスです。



生のほか、その場で食べるようにゆできみと焼ききみも売られていました。
生を買って行ってゆでるより、ここは茹でたての一番おいしいのを食べたーい!
ということで、さっそくいただききまーす。



甘~い。なんという素材のおいしさ。
夢中でいただきます。

大きな天然マイタケも売られていました。
さっきのひょうたんといい、これもびっくりビッグ。
よっぽど栄養がいいんでしょう。



○ あとはだり

売り文句の意味がわからないおせんべい発見。「あとはだりする」ってなに?
「後は、ダリ」でも「あとずさり」でもなく、「後を引く」ってことかな?
代表に聞けばすぐにわかりますが、ここはあえて自分で考えるぞ!
でもやっぱり謎は解けませんでした。



結局イトコのマミちゃんに教えてもらいました。
言葉の響きから「鳥肌が立つ(くらいおいしい)味」かと思ったら、正解は「おかわりしたくなる味」だとのことです。
ネイティブじゃないとわからない~。

○ 縄文人とマタギ

嶽温泉郷には、縄文人の宿やマタギの宿などがありました。
1万年くらいの時代を超えて、縄文人とマタギが今ではご近所同士のようです。





きみを食べながら「世界一の桜並木」を通りました。
リンゴの栽培技術をもって桜を花咲かせることができる、こちらの方々。
桜だから、日本一=世界一ということでしょう。
今は、緑の並木道でした。

山肌には、くねくねと曲がった線がくっきりと見えます。
津軽いわきスカイラインです。
絶景を楽しめるそうですが、酔いそーう。

それから山超えをしました。本当にカーブが多くて、車酔いが心配になりました。
誘惑にあらがえずに、その場で嶽きみ食べちゃったし。でも何とか大丈夫でした。

○ かかしの里

山越えをして、鰺ヶ沢町中村地区のかかしの里に寄りました。
大きい!こんな巨大なかかし、見たことありません。
小柄なtomさんは、さながらガリバーの国に入り込んだリリパット。肩に乗れちゃいますね。



住民による手作り感満載のかかしが、歩道に並んでいました。
「嫁の姉」というようなタイトルもあります。
誰?そしてなぜそのタイトルでかかしを作ろうと?

○ エヴァじゃなかった

あ、エヴァンゲリオンのリリスだ。
と思ったら「リオの神様」と書いていました。コルコバードのキリストかあ。



今度こそ、エヴァの使徒!
「いえ、エイリアンですよ」エヴァTシャツのデグチ先輩に、やんわり訂正されます。
あれ~、よくわかってないみたい。



代表がエイリアンの両手をつかんで格闘しようとした様子が、私にはワルツを踊っているように見えました。



その2に続きます。

りんご王国おためし暮らし 2

2016-10-03 | 東北
1日目からの続きです。

○ 早起きの朝

2日目の朝は6時に起きました。

この日は津軽半島の十三湖のそばにある市浦の、し~うらんどという温水健康施設に行ってきます。
市浦はアクセス不便な場所にあり、車がないと行くのはほぼ無理ですが、月に2回、青森駅前からシャトルバスが出ています。
それがちょうどこの日だったため、事前に予約を入れておきました。

逆算すると、6時半に最寄りのバス停に来る始発バスに乗らないと、青森9時発のバスに間に合いません。
ひええ、そんなに早起きしないといけないの?
弘前駅行のバスも、弘前-青森の電車も、1時間に1、2本しかないため、待ち時間が予想以上にかかるのです。
青森と弘前は、近いようで遠いんですね。

でも頑張って起きなくては。
昨夜、車で送ってくれたスドウさんが「市浦まで大変だし、連絡くれたら車出すから」と親切にも言ってくれたのです。
そんなことは申し訳なさすぎてできません!なんとか自力で行ってまいります。

眠い目をこすりながら1Fに降りました。
誰も起きていないと思いきや、デグチ先輩がぼーっとソファに座っていたので、びっくり。
「おはようございます。早いですね」
「ほとんど寝ていないんですよ」
飲むと眠れなくなる体質なんだとか。それはたいへん。
バス停の場所がよくわからないでいる後輩に、かすれた声で説明してくれました。
その後起きてきたヒヤマさんと、2人に見送られて出かけました。

○ SL銀河青函DC号

バスと電車を使って、青森駅に8時に到着。
集合の1時間前に着き、時間が余ってどうしようと思っていたけれど、昼食を買ったり散歩をしたりしていると、サクサクと時間はたっていきます。



駅に「SL銀河青函DC号運行(運行区間 青森-弘前)」のポスターが貼ってありました。
(なにこれ!気になるわ。チケット買おうかな)とみどりの窓口に聞いてみると「いやいやお客さん、販売直後1時間で、あっという間に売り切れちゃったよ」とのこと。
そうですか~、そうですよね~。
それほど鉄子じゃない私でも足を留めるくらいですから、本物の鉄っちゃんたちは、本気で券を取ったことでしょう。

釜石線で運行しているSL銀河の特別運行バージョンで、津軽平野をSLが走るのは5年ぶりになるそうです。
だったらなおさら、青森の鉄分高い方々は、のがさなかったでしょう。
そういえば、弘前駅にプラレールがありました。
名前がロマンチック。銀河鉄道みたい。

○ 早めの出発

デグチ先輩にならってポケモンGOを動かしてみたところ、青森駅前でピカチューが2匹登場しました。
しばしポケモンと戯れて、8時40分くらいに(少し早いけれど、バス待ちしよう)と乗り場に行くと、すでにマイクロバスが停まっていました。

中には乗客がびっしり。(間違ったのかな)と思いましたが、車体には「し~うらんど」の文字が入っています。
皆さん、集合が早いわー。



私が乗りこむとすぐに、バスは発車しました。
15分も早いスタートですが、全員そろったからでしょう。
余裕を持ったつもりが、最後だったなんて。

見回すと、乗客はおじいさま・おばあさまばかり。
老人会ツアーのような濃密な空間に入ってしまいました。
毎回参加する常連さんばかりだそうで、完全なアウェイ感にちぢこまりますが、「このバス乗るの初めて?」「どこから来たの?」とみなさんいろいろと話しかけてくれました。

○ 置いてきぼり発生

じきに、誰かの携帯が鳴りました。
「あら○○さん?どうしたの?」甲高い声が小さなバスの中に響きます。
「えっ、なんですってー?」
電話を切り、その人は「置いていかれちゃった人がいるわ」と叫びました。

みんな、蜂の巣をつついたように騒ぎ出します。
「全員そろったって言ったじゃない」「ちゃんとリストを確認して」
点呼をした人がのんびりと言いました。
「あら、この人、見落としていたわ」

スタッフかと思いきや、自発的に点呼係をやっている乗客のおばあさまでした。
一人漏れているのに気づかずに、全員集合したと運転手さんに伝え、バスが早めに出たようです。

結局元の場所まで戻って、置いてきぼりの人を拾い、再びバスは出発しました。
なんというのどかな話でしょう。

○ 眠らせてもらえない

寝不足解消のため、バスの道中は眠っていくつもりでしたが、ひとり新参者の私にみなさん興味津々。
周りからひっきりなしに質問が飛んできます。
一段落したと思ってうとうとすると、肩や腕をぽんぽん叩かれて耳元に話しかけられます。
お願い、眠らせてくださいなー。

人家の全く見られない山の中を通って行きます。家どころか、電線も通っていないようなところ。
太平洋側から日本海に出るのに、距離があるのです。

○ 十三湊の語り部

ようやく日本海側に出た十三湖の辺りで、笠木のある大きな二重鳥居を発見。
山王坊日吉神社。大津の神様が、こんな北の地でも奉られているんですね。
かつては、東北一の宗教地帯だったそうです。



「この辺りには、昔福島城という立派なお城があったけれど、ある日突然大津波が来て、すべてを流してしまったんだよ。それからしばらくは、お城の金銀財宝があちこちから堀り出されたそうだよ」と隣のおばあさんが教えてくれました。
贅沢な、マンツーマン語り部状態。(でも眠い)

○ し~うらんど海遊館

2時間近くバスに揺られて、し~うらんど海遊館に到着。
以前、イトコにも同じルートで連れてきてもらいました。
時間のかかる大変な行程だったと、改めて感謝します。



久しぶりのしーうらんど。なつかしいわ。
ここは、海水を使ったタラソテラピー施設。
タラソ好きの私は、かつて近くのバンガローにイトコと10日間近く滞在して、毎日通っていました。
ほかの場所にあるタラソにも行きましたが、やっぱりここが好き。

朝、行先を伝えたら「なんか聞いたことある。愛知の方にもなかったかな」と言ったデグチ先輩。
蒲郡にありますよ。


公式HPより

きれいな海のそばにしか作れないタラソ施設。
海水の恵みをたっぷり浴びられます。

○ 村のタラソテラピー作戦

都心の近くでは房総にオシャレなタラソ施設がありますが、ここは美容目的ではありません。
雪が深い市浦村(当時)で、引きこもりがちな住民に運動の機会を与えるために、村が作った運動施設です。
それが功を奏して、村の医療費支出が劇的に減ったため、成功例として、ほかの自治体が視察に訪れているようです。


公式HPより

到着したのは11時。これから帰りのバスが出る15時までの約4時間を過ごします。
ジェットスパのような大きなプール。
ミスト状の海水が充満した部屋に横になるエアロゾルも体験。
起きていられない気持ちよさで、ぐっすり寝入りました。

○ 帰りのバス

帰りのバスは3時ジャスト。行きのバスが時間より早く出たので、置いて行かれまいとみんな急ぎ気味。
行きと同じメンバーと一緒に帰ります。
久しぶりのタラソ体験で、身体がすっかりリラックスしました。

○ 十三湖のほとり



道の駅「十三湖高原トーサムグリーンパーク」そばを通りました。
すぐそばの草原には、黒毛牛が放牧されています。
前にここでおいしい限定牛ステーキを食べたことを思い出しました。(シュール)



十三湖はしじみがおいしいところ。
私は宍道湖よりもこちらを推しています。
ここと小川原湖のしじみは種類が違い、十三湖の方が粒が大きくておいしいんだそう。



○ 奥津軽いまべつ駅

10年前にはなかった、青森・北海道新幹線の線路も見えました。
奥津軽いまべつ駅への標識を見て「この辺りの最寄駅ですね」と言ったら「あれは全然使えないから、あってもしようがないのよ」と。



青函トンネルそばの新しい駅は、乗客にほぼ使われていない気がします。
北海道新幹線ができたものの「北海道には車でフェリーに乗っていく」という声が大半でした。
やっぱり車社会だからでしょうか。

行きのバスの中は、女子高生グループと変わらないような賑やかさでしたが、プール帰りともなると、さすがにみんなうとうとして静か。
おばあちゃまたちも、がんばったものね。
私も行きのようにひっきりなしに起こされることなく、存分に眠りを堪能しました。

○ イトコたちとの再会

青森駅前に到着。皆さまとごきげんようを交わして、いそいそと移動します。
駅前公園ではジャズライブが行われている、気持ちのいい夕方。



イトコのマミちゃんとマキちゃんに再会しました。
会いたかったわー!
小さい時からの仲良しイトコですが、青森と横浜は決して近くはなく、3人で会うのは数年ぶりです。

○ りんご箱

アウガの地下にある「りんご箱」という居酒屋へ行きました。



名前の通り、テーブルとイスがリンゴ箱でできています。
素朴な木の感じがいいですね。リンゴをひと箱頼んだら、段ボール箱ではなく木箱で届かないかな。



座ってみたかったのですが、久しぶりの逢瀬をじっくり楽しみたくて、普通のテーブル席にしました。

○ 顔だけねぶた

ステージ周辺には、ねぶたの顔が飾られています。
時々こうした顔だけ展示はありますが、見るたびになんかもやもやするんですよね。
アリスのチェシャ猫みたい。
風になびいて勇ましさを表現する髪の毛ですが、どう見ても多すぎです。
「ねぶたって、スキンヘッドかフサフサか、どっちかだね」
そうつぶやいたら、2人は一瞬ぽかんとして、それから「なに考えてるの?」と笑いました。

○ 青森グルメ

十和田のバラ焼き、八戸せんべい汁、嶽きみの天ぷらなど、津軽の料理が出てきます。
「昨日、いかめんち食べたよ。おいしかったー。あれって弘前の食べ物なの?」
「ああ、いがめんち。こっちでも食べるけど、弘前になるのかなあ?」
"いが"ってにごるんでしたね。









飲み放題を頼んだのに、一人は車で来て、もう一人は願かけ中でお酒断ちしているところ。
え~、とすると、一番飲めない私がなにか頼まないと、形にならないかな?
一杯のアルコールで、すぐいい気分になりました。

○ 津軽三味線ライブ

近況を伝えあってあれこれ話し込んでいると、7時ごろに津軽三味線のライブが始まりました。
演奏者は女性一人ですが、声も三味線の音もよく通って大迫力。
私たちの会話が歌にかき消されて、よく聞き取れないほどでした。



首だけねぶたが演奏者を凝視してる…怖くないのかしら…。
私だったら怖くて今夜は眠れないわ~。



○ 遠い帰り道

2人に会えて胸いっぱい。もっとゆっくりしたかったのですが、帰りの道の遠さがちらちら頭をよぎります。
8時台にお別れした時は、まだ普通の時間。それから弘前行の電車に乗りましたが、夜は鈍行しかないため、結構かかりました。
終バスはとっくの昔に終わっています。
7時台が最後だなんて、早すぎるわ~。

ヒヤマさんも青森にいたらしく「弘前に着きましたが、終バスないので歩いて帰ります」と連絡が来ました。
その1時間ほど後に着いた私も、同じくハウスを目指します。

タクシーなら簡単ですが、「住むように暮らす」がコンセプトなので、距離感を覚えるためにも歩いてみようと思います。
いろいろと青森グルメを食べて、おなかもいっぱいだし。

○ 交番で道を聞く

ハウスの場所がはっきりしないため、交番へ向かいました。
住所はわかりませんが、バス停の名前ならわかります。
「県営住宅のバス停にはどう行けばいいですか」
「もうそこを通るバスはありませんよ」
「そこから今滞在しているところに行きたいので」
「その辺に宿泊施設はないですよね。住所を教えて下さい」
「それがちょっとわからなくて」

あやふやなので、あやしい人のようになってしまいましたが、昨日弘前に来たばかりだと言ったら、警官は「あ、そうなの」と慈愛に満ちた表情に変わりました。
「歩くと1時間くらいかかるけど、いいの?」
「はい、道を覚えたいので」

小学生にも分かるような丁寧さで教えてもらいました。
地図をもらえてよかったなあと思いながら見ると、それは「ねぷた運行時の交通規制区域地図」でした。
お祭り後も在庫があったんですね。でもこの地図があって助かります。

地図を片手に、11時前になんとか帰宅。やはり歩くと1時間くらいかかりました。
大通り沿いだったのに、都心よりも光が少なく暗めの道。
結構歩いた感があるのは、目立つ建物がない、静かな住宅街だったからでしょう。

○ この日の報告会

リビングには一足先に帰っていたヒヤマさんが、バランスボールに乗っていました。
ほかの先輩方は、先に寝ているよう。

弘前二日目をどう過ごしたか、お互い報告し合います。
彼はまず、土手町で焼き上がった巨大アップルパイを食べ、それから青森に移動して県立美術館に向かい、奈良美智さんのあおもり犬に会い、念願の(!)味噌カレー牛乳ラーメンを食べてきたそうです。

「おー、例のラーメンいっちゃいましたか。この名前、覚えられませんよねー」
「味噌とカレーと牛乳の順番がわからなくなるー」
「バターって言葉をつい入れちゃう」
よそもんにはレベルが高く、そして存在感のある名前。
「実際、食べてみるとおいしいんですよねー♪」「ねー♪」

私も前に食べたことがあります。
結構好きな味ですが、カミングアウトすると周りに引かれる気がして、普段は黙っています。
実際このB級グルメをスルーする人も多いので、わざわざ食べにいった勇者を前に、盛り上がりました。
青森県の食べものかと思っていましたが、弘前では見かけません。どうやら青森市だけのようです。

○ 弘前のたこ焼き

テーブルの上にはたこ焼きが置いてありました。



たこ焼き?青森で?どうして?
「あ、それ、食べてみて下さい」と言われて、一つ頂きました。



ううっ!!謎の衝撃が走ります。
「これ・・・たこ焼き?」
「なんかこっちのたこ焼きらしいですよ」

衝撃の理由がわかりました。甘いんです。
甘いタコ焼きって、予想外。食べるの初めて。
首をかしげていたら「外側、卵なんですよね」と教えてもらいました。
わあ、初めての味。

ハタと気づいて、ヒヤマさんに目を向けます。
「これ、大阪人としてどう思います?アリですか?認めませんか?」
粉もん王国の民の逆鱗に触れてやいないかしら。
「確かにこれはたこ焼きではないけれど、まあ"弘前のたこ焼き"ってことですね」
おお~、寛容であります。

よく見ると「弘前名物 たこのつぼ焼き」と書かれていました。
つぼ焼きですって?うーむ、江の島で食べるさざえのつぼ焼きとは、まるで別物だけど。

これを見ながら、ヒヤマさんは浪花のたこ焼き、私は江の島のサザエのつぼ焼きを思い浮かべ、(いやいや、ベツモノだから)と頭を振って自分を納得させる感じ。
悩ましくもけっこうおいしいローカルフードでした。

早起きし、長い時間をかけて乗り継いで市浦まで行き、プールに入って駅からハウスまで延々歩いた日。
かなりクタクタの2日目の夜は更けていきました。
3日目に続きます。