3日目からの続きです。
● リガの朝
窓の外は曇り空。天気はいまいちで、少し雨も降っているみたい。
まあ、ザーザー雨ではないのでよしとします。
目の前はリガ駅。電車がゆっくりと、着いたり出たりしています。
朝食を食べにホテルのカフェテリアへ。
シンプルで品があって、すてき。「THE TRAVELLER」というのはお店の名前。
TRAVELERもTRAVELLERも、どちらもトラベラー、旅行者という意味です。
以前、久保田さんという人が、留学先での自己紹介の時に
「マイネームイズKUBOTTA、ダブルT、プリーズ!」と言っていたのを、思い出しました。
名前を呼ぶとき、ちゃんと「TTA」と発音しないと直されたっけ。
くるくる回るソーセージ。
見ていて楽しくなりました。
これ、うちにほしいなー。一人じゃこんなに食べられないけど…。
● アーミーといっしょ
エレベーターで、迷彩服の人とすれ違いました。
(あれ、今のは軍服?いえいえ、それっぽい柄の部屋着でしょう)と思いながらカフェテリアに入ると、同じ服の人が大勢食事をとっていました。
はじめ見た人の腕章に「US Army」の文字と星条旗のアップリケがついていたので、みんなアメリカ陸軍部隊なんだと思ったら、ドイツ国旗を付けたジャーマンアーミーもいました。
彼らはどうしてラトヴィアにいるのでしょうか。
米独共闘?敵はどこ?
朝食の席で一緒になったということは、彼らはこのホテルに泊まっていたんですね。
席のほとんどを彼らが占めており、私たちのような一般客(?)はほんの少数。
なんだか彼らの宿舎に、私たちがお邪魔しているみたいです。
みんな大柄で迫力がありましたが、静かな声で会話をしながら、おだやかに食事をとっていました。
天井からは、無数の紙が下がっています。中には日本語で縦に書かれたものもありました。
読んでみると「雲おりおり 人に休むる 月にかな」(●は判読曖昧)と書かれていました。
これは俳句かな? 上手なのかそうでないのかわからなーい。
日本から遠く離れた場所にあるホテルの天井から、若干意味不明の日本語が下がっているのは、なかなかシュールで不思議でした。
食事を済ませたアーミーたちは、リュック一つしょって観光バスのような大型バスに乗って、何処かへ去っていきました。
あれ、軍用バスじゃないの?まさか観光に来ているの?
よくわかりませんでしたが、ピリピリしたムードはなかったので、戦争がらみの危険事態ではなさそう。
私たちも朝食をいただきます。
● ホテルの部屋でエスプレッソ
食事をとってから部屋に戻り、ネスカフェのコーヒーマシンを使ってみました。
う~ん、いい香りが、部屋に漂います。
ホテルの部屋で窓際のエスプレッソ。いいですね~。(飲めないけど)
● みぞれ模様で防寒対策
この日の気温は2度。天気予報はみぞれ。
2度でみぞれって・・・。この旅で一番ハードそうな天候です。
エスプレッソで気合を入れてから、ヒートテックとカイロ、ウールの服で、お互いフル装備の防寒を始めます。
モコモコになって準備オッケー!
外に出てみると、みぞれは降っていません。
それでも身を切るような冷たい空気に驚きながら、出てきたばかりのメルキュールホテルを振り返ります。
夜のネオンがまたたいていなくても、十分に大きな建物。
大通りを渡った向こう側から、ようやく全景が撮れました。
● バルトの真珠で貴婦人
この日は朝から、町の散策をします。
「バルト海の真珠」とも「バルトの貴婦人」とも呼ばれる美しいラトビアの街、リガ旧市街。
どれだけ美しいのか、その表現から期待値は高まるばかりでワクワクします。
まず向かったのは、ユーゲントシュティール建築物がたくさん建っている界隈。
そこにたどり着く前に、さっそくひとつ、ホテルの近くに発見しました。
うーん、ドラマチックな彫刻です。
● 日本料理店「カブキ」
すぐそばには、日本料理店「歌舞伎」がありました。
ベントウランチを出しているようです。
とんがり屋根でかわいい、ヴェールマネス庭園の入り口。
まだ新しそうですが、こんなにドラマチックな建物もあります。
建物がロマンチックなんですよね。
● 救世主って誰だろう
くもり空の下、金色に輝くドームをもつロシア正教会がありました。
荘厳な建物に引かれて、中に入ってみることにします。
救世主生誕大聖堂という教会。
庭園に立つ騎士の銅像を見て「あれが救世主かな?」とモコ。
「ううん、キリストのことだよ」と言うと「あ、そっか!この国を助けた人かと思った~」
バトルヒーローを連想したのね。
確かに、国を救った英雄かと思いますね。
日本でいうと、さしづめ元寇を防いだ北条時宗?
彼が眠っているのは、鎌倉の円覚寺。
このきらびやかな教会と、あのワビサビいっぱいのお寺では、何もかも違っているなあ。
なんて考えながらラトヴィア国立美術館まで歩いて行った辺りで、とつぜん雨がぱらついてきました。慌てて傘を差します。
降るとなったらあっという間。地面に水たまりができ始めました。
お願い、降らないでー!
旅人の願いです。
その声が天に届いたのか、ふっと雨はやみました。
多分この日は、降ったりやんだりなんでしょう。
空模様を気にしながら、先を急ぎます。
● ユーゲントシュティール
とうとうユーゲントシュティール建築群に着きました。
ユーゲントシュティールって、なんのことかわかりますか?
ドイツ語に疎い私は、学校で習ったような気がする「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」とごっちゃになってしまいます。
「ユーゲントシュティール (Jugendstil) 」とは、「青春様式」という意味ですが、ドイツ版「アール・ヌーヴォー」のことをいいます。
19世紀末期〜20世紀初頭に開花した、動植物や女性のシルエットなどをモチーフとした、柔らかい曲線の多い動きのある優美なデザイン。すてきですね。
どの建物も大きな集合住宅で、日本ではついぞ見かけないような大きさ。
「マドレーヌ」の絵本に描かれたパリの寄宿舎を思い出しました。
絵を見る限りでは平たい建物だと思っていましたが、実際に見ると、奥行きがあってどっしりしています。
上階のバルコニーでは、バーナーをつけて桟の修理か何かをしていました。
バーナーの炎が下から見えました
エレガント!
1903年エイゼンシュタイン作の。アルベルタ通り8共同住宅。
メドゥーサのような堂々とした女性に見下ろされて、ちょっとたじろぎます。
ゴージャス!
上からドラゴンが見下ろすマンションの入口。
狛犬のような魔除けでしょう。ハリーポッターの世界のようです。
入ってはいけない人がドアを開けようとしたら、ドラゴンが火を噴いて追い払ったりして。
こちらもまたすごし。1906年エイゼンシュタイン作のボグスラフスキー共同住宅。
繊細で、飾り付けられたデコレーションケーキのようです。
よく見えませんが、入り口には女性の顔をしたスフィンクスが両側に置かれています。
巨大な顔、細かい幾何学模様、獅子、不死鳥。
今にも動き出しそうな生命感あふれるデザイン。
この界隈にある建物18棟を設計したのは、ラトヴィアの建築家、ミハイル・エイゼンシュテイン(1867-1921)。
建築された当時は、住民や他の芸術家などに「気の狂ったケーキ屋」と酷評されたとのこと。
批判をする人の目にも、やっぱりケーキのように見えたんですね。
なぜそんな批判を受けなくてはいけなかったんだろう?と思いますが、芸術としてはすばらしく美しいものの、実際にここに住むとなると、銅像の存在感の大きさが気になって、あまりくつろげないのかもしれません。
窓を開けると、悲愴な顔をした女性の大きな顔があったりするわけでしょうからね。
こうした大きな建物には、トンネルのような通路があり、抜けると中庭に出ます。
そこにあるのは、時が止まったままのヨーロッパ。
世界遺産であるリガの旧市街は、アール・ヌーヴォー建築の宝庫。
このエリアだけではなく、市内の建造物の約4割がユーゲントシュティール建築だというリガ。
町の優美さをお分かりいただけるかと思います。
これまで訪れた中ではフランスのナントのアールヌーヴォー建築が一番印象的でしたが、ここにはそれをしのぐものがあります。
美しさを越えて、恐ろしさまで引き出してしまっているようで、建物の秘めた力にとり込まれそう。
物言わぬ屋敷の迫力に圧倒され続けます。
どの建物もびっしりと装飾に覆われており、迫力満点で、もう胸がいっぱい。
アールヌーヴォーの美をとことん満喫できました。
● 日本料理店「ヤクザ」
巨大な建物の全貌をファインダーに収めたくて、通りの向こうに渡ってどんどん後ずさりします。
背中に当たったのは、日本料理店でした。
先ほどの「カブキ」といい、ここでは日本料理が人気なんでしょうか。
しかーし、お店の名前は「YAKUZA」。ヤクザって、本気ー?
なぜこのネーミング?日本人の感性じゃなさそう。経営者はほかのアジア人なのかもしれません。
あるいは日本の任侠映画ファンとか。
お店の様子が気になりますが、お店の中からこわい人がにらんでいたらこわいので、こそっと眺めました。
お昼はやっていないようです。残念。
ガラス張りの壁に貼られたポスターの絵は、店名と違ってファンシー調でかわいいです。
お寿司が二刀流のところが、ヤクザなのかしら?
● 巨大な猿
全ての建築を眺め終わり、お次は近くにある旧市街へと向かいます。
途中のロシア大使館の入り口にはSPが立っており、ものものしい空気でした。
バルト三国とロシアは歴史的に微妙な関係なので、問題がないよう気を配っているのでしょう。
道路向かいには巨大な銅像がありました。
後ろから近付いて、振り返って見ると、猿の宇宙飛行士?
公園内を歩く通行人を見ると、大きさの違いがわかるでしょう。
● 神戸からの時計
交差点には時計塔が立っていました。
ラトビア共和国の独立祝いとして、1993年に姉妹都市の神戸から送られた時計塔。
神戸とリガは姉妹都市だそうです。
時計はセイコー社のものでした。
ちなみに神戸はほかに、タリン、ヴィリニュスとも姉妹都市。
バルト三国と仲良しなんですね。
この羽色をした野鳥をよく見かけました。
地面をピョンピョン跳んでは、餌を探しています。
仕草がなんかかわいい感じ。こちらのカラスの仲間でしょうか?
外を歩き続けて、すっかり冷え切ってしまった私たち。
寒さに震えながら運河を越えました。
眠っているように静かな水面。絵になる、静かな光景です。
その2に続きます。
● リガの朝
窓の外は曇り空。天気はいまいちで、少し雨も降っているみたい。
まあ、ザーザー雨ではないのでよしとします。
目の前はリガ駅。電車がゆっくりと、着いたり出たりしています。
朝食を食べにホテルのカフェテリアへ。
シンプルで品があって、すてき。「THE TRAVELLER」というのはお店の名前。
TRAVELERもTRAVELLERも、どちらもトラベラー、旅行者という意味です。
以前、久保田さんという人が、留学先での自己紹介の時に
「マイネームイズKUBOTTA、ダブルT、プリーズ!」と言っていたのを、思い出しました。
名前を呼ぶとき、ちゃんと「TTA」と発音しないと直されたっけ。
くるくる回るソーセージ。
見ていて楽しくなりました。
これ、うちにほしいなー。一人じゃこんなに食べられないけど…。
● アーミーといっしょ
エレベーターで、迷彩服の人とすれ違いました。
(あれ、今のは軍服?いえいえ、それっぽい柄の部屋着でしょう)と思いながらカフェテリアに入ると、同じ服の人が大勢食事をとっていました。
はじめ見た人の腕章に「US Army」の文字と星条旗のアップリケがついていたので、みんなアメリカ陸軍部隊なんだと思ったら、ドイツ国旗を付けたジャーマンアーミーもいました。
彼らはどうしてラトヴィアにいるのでしょうか。
米独共闘?敵はどこ?
朝食の席で一緒になったということは、彼らはこのホテルに泊まっていたんですね。
席のほとんどを彼らが占めており、私たちのような一般客(?)はほんの少数。
なんだか彼らの宿舎に、私たちがお邪魔しているみたいです。
みんな大柄で迫力がありましたが、静かな声で会話をしながら、おだやかに食事をとっていました。
天井からは、無数の紙が下がっています。中には日本語で縦に書かれたものもありました。
読んでみると「雲おりおり 人に休むる 月にかな」(●は判読曖昧)と書かれていました。
これは俳句かな? 上手なのかそうでないのかわからなーい。
日本から遠く離れた場所にあるホテルの天井から、若干意味不明の日本語が下がっているのは、なかなかシュールで不思議でした。
食事を済ませたアーミーたちは、リュック一つしょって観光バスのような大型バスに乗って、何処かへ去っていきました。
あれ、軍用バスじゃないの?まさか観光に来ているの?
よくわかりませんでしたが、ピリピリしたムードはなかったので、戦争がらみの危険事態ではなさそう。
私たちも朝食をいただきます。
● ホテルの部屋でエスプレッソ
食事をとってから部屋に戻り、ネスカフェのコーヒーマシンを使ってみました。
う~ん、いい香りが、部屋に漂います。
ホテルの部屋で窓際のエスプレッソ。いいですね~。(飲めないけど)
● みぞれ模様で防寒対策
この日の気温は2度。天気予報はみぞれ。
2度でみぞれって・・・。この旅で一番ハードそうな天候です。
エスプレッソで気合を入れてから、ヒートテックとカイロ、ウールの服で、お互いフル装備の防寒を始めます。
モコモコになって準備オッケー!
外に出てみると、みぞれは降っていません。
それでも身を切るような冷たい空気に驚きながら、出てきたばかりのメルキュールホテルを振り返ります。
夜のネオンがまたたいていなくても、十分に大きな建物。
大通りを渡った向こう側から、ようやく全景が撮れました。
● バルトの真珠で貴婦人
この日は朝から、町の散策をします。
「バルト海の真珠」とも「バルトの貴婦人」とも呼ばれる美しいラトビアの街、リガ旧市街。
どれだけ美しいのか、その表現から期待値は高まるばかりでワクワクします。
まず向かったのは、ユーゲントシュティール建築物がたくさん建っている界隈。
そこにたどり着く前に、さっそくひとつ、ホテルの近くに発見しました。
うーん、ドラマチックな彫刻です。
● 日本料理店「カブキ」
すぐそばには、日本料理店「歌舞伎」がありました。
ベントウランチを出しているようです。
とんがり屋根でかわいい、ヴェールマネス庭園の入り口。
まだ新しそうですが、こんなにドラマチックな建物もあります。
建物がロマンチックなんですよね。
● 救世主って誰だろう
くもり空の下、金色に輝くドームをもつロシア正教会がありました。
荘厳な建物に引かれて、中に入ってみることにします。
救世主生誕大聖堂という教会。
庭園に立つ騎士の銅像を見て「あれが救世主かな?」とモコ。
「ううん、キリストのことだよ」と言うと「あ、そっか!この国を助けた人かと思った~」
バトルヒーローを連想したのね。
確かに、国を救った英雄かと思いますね。
日本でいうと、さしづめ元寇を防いだ北条時宗?
彼が眠っているのは、鎌倉の円覚寺。
このきらびやかな教会と、あのワビサビいっぱいのお寺では、何もかも違っているなあ。
なんて考えながらラトヴィア国立美術館まで歩いて行った辺りで、とつぜん雨がぱらついてきました。慌てて傘を差します。
降るとなったらあっという間。地面に水たまりができ始めました。
お願い、降らないでー!
旅人の願いです。
その声が天に届いたのか、ふっと雨はやみました。
多分この日は、降ったりやんだりなんでしょう。
空模様を気にしながら、先を急ぎます。
● ユーゲントシュティール
とうとうユーゲントシュティール建築群に着きました。
ユーゲントシュティールって、なんのことかわかりますか?
ドイツ語に疎い私は、学校で習ったような気がする「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」とごっちゃになってしまいます。
「ユーゲントシュティール (Jugendstil) 」とは、「青春様式」という意味ですが、ドイツ版「アール・ヌーヴォー」のことをいいます。
19世紀末期〜20世紀初頭に開花した、動植物や女性のシルエットなどをモチーフとした、柔らかい曲線の多い動きのある優美なデザイン。すてきですね。
どの建物も大きな集合住宅で、日本ではついぞ見かけないような大きさ。
「マドレーヌ」の絵本に描かれたパリの寄宿舎を思い出しました。
絵を見る限りでは平たい建物だと思っていましたが、実際に見ると、奥行きがあってどっしりしています。
上階のバルコニーでは、バーナーをつけて桟の修理か何かをしていました。
バーナーの炎が下から見えました
エレガント!
1903年エイゼンシュタイン作の。アルベルタ通り8共同住宅。
メドゥーサのような堂々とした女性に見下ろされて、ちょっとたじろぎます。
ゴージャス!
上からドラゴンが見下ろすマンションの入口。
狛犬のような魔除けでしょう。ハリーポッターの世界のようです。
入ってはいけない人がドアを開けようとしたら、ドラゴンが火を噴いて追い払ったりして。
こちらもまたすごし。1906年エイゼンシュタイン作のボグスラフスキー共同住宅。
繊細で、飾り付けられたデコレーションケーキのようです。
よく見えませんが、入り口には女性の顔をしたスフィンクスが両側に置かれています。
巨大な顔、細かい幾何学模様、獅子、不死鳥。
今にも動き出しそうな生命感あふれるデザイン。
この界隈にある建物18棟を設計したのは、ラトヴィアの建築家、ミハイル・エイゼンシュテイン(1867-1921)。
建築された当時は、住民や他の芸術家などに「気の狂ったケーキ屋」と酷評されたとのこと。
批判をする人の目にも、やっぱりケーキのように見えたんですね。
なぜそんな批判を受けなくてはいけなかったんだろう?と思いますが、芸術としてはすばらしく美しいものの、実際にここに住むとなると、銅像の存在感の大きさが気になって、あまりくつろげないのかもしれません。
窓を開けると、悲愴な顔をした女性の大きな顔があったりするわけでしょうからね。
こうした大きな建物には、トンネルのような通路があり、抜けると中庭に出ます。
そこにあるのは、時が止まったままのヨーロッパ。
世界遺産であるリガの旧市街は、アール・ヌーヴォー建築の宝庫。
このエリアだけではなく、市内の建造物の約4割がユーゲントシュティール建築だというリガ。
町の優美さをお分かりいただけるかと思います。
これまで訪れた中ではフランスのナントのアールヌーヴォー建築が一番印象的でしたが、ここにはそれをしのぐものがあります。
美しさを越えて、恐ろしさまで引き出してしまっているようで、建物の秘めた力にとり込まれそう。
物言わぬ屋敷の迫力に圧倒され続けます。
どの建物もびっしりと装飾に覆われており、迫力満点で、もう胸がいっぱい。
アールヌーヴォーの美をとことん満喫できました。
● 日本料理店「ヤクザ」
巨大な建物の全貌をファインダーに収めたくて、通りの向こうに渡ってどんどん後ずさりします。
背中に当たったのは、日本料理店でした。
先ほどの「カブキ」といい、ここでは日本料理が人気なんでしょうか。
しかーし、お店の名前は「YAKUZA」。ヤクザって、本気ー?
なぜこのネーミング?日本人の感性じゃなさそう。経営者はほかのアジア人なのかもしれません。
あるいは日本の任侠映画ファンとか。
お店の様子が気になりますが、お店の中からこわい人がにらんでいたらこわいので、こそっと眺めました。
お昼はやっていないようです。残念。
ガラス張りの壁に貼られたポスターの絵は、店名と違ってファンシー調でかわいいです。
お寿司が二刀流のところが、ヤクザなのかしら?
● 巨大な猿
全ての建築を眺め終わり、お次は近くにある旧市街へと向かいます。
途中のロシア大使館の入り口にはSPが立っており、ものものしい空気でした。
バルト三国とロシアは歴史的に微妙な関係なので、問題がないよう気を配っているのでしょう。
道路向かいには巨大な銅像がありました。
後ろから近付いて、振り返って見ると、猿の宇宙飛行士?
公園内を歩く通行人を見ると、大きさの違いがわかるでしょう。
● 神戸からの時計
交差点には時計塔が立っていました。
ラトビア共和国の独立祝いとして、1993年に姉妹都市の神戸から送られた時計塔。
神戸とリガは姉妹都市だそうです。
時計はセイコー社のものでした。
ちなみに神戸はほかに、タリン、ヴィリニュスとも姉妹都市。
バルト三国と仲良しなんですね。
この羽色をした野鳥をよく見かけました。
地面をピョンピョン跳んでは、餌を探しています。
仕草がなんかかわいい感じ。こちらのカラスの仲間でしょうか?
外を歩き続けて、すっかり冷え切ってしまった私たち。
寒さに震えながら運河を越えました。
眠っているように静かな水面。絵になる、静かな光景です。
その2に続きます。