Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

1人だったらやらないけれど

2006-06-07 00:05:56 | 以前のシゴト
職場で夜から勉強会。
ワークショップを開発する2人と。
前回に続いてSeymour Papertの『マインドストーム』を読み進め、それに関連したAlan Kayの論文を読み、ディスカッション。

本やペーパーから得られる情報・知識はありがたいし、それをみんなでシェアして共通認識にしていくというのはすごくいい。開発チームと研究チームで話をシェアできたこともよかった。debug (debugability)、reflection、programming、creativity、craftingなどなど、ひっかかるキーワードから話がひろがる。

勉強したい人がいて、一緒にそれができるというのがすごく心強い。

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Knowledge is only part of understanding. Genuine understanding comes from hands-on experiece.
-Seymour Papert

It is not what is in front of us that counts in our books, televisions and computers but what gets into our heads and why we want to learn it.
-Alan C. Kay

ほんとそうだ。

この線路をおりたら

2006-06-04 00:33:21 | 日常
■YouTubeで!
すっごく久しぶりに聴く曲。夜中のせいもあってか懐かしさがこみあげてくる。


小沢健二 「ある光」

YouTubeで聴けます(ビデオクリップ)。
この曲を聴いてた頃は、自分が教師になること、アメリカに行くこと、また京都に住んで今みたいな仕事をすること、夢にも思わないお気楽な大学生。でも色んなエモーションを抱えて聴いてたな。

「この線路をおりたら…」のところからのメロディと詩がとても好きだった。淡々と、何度もくり返されるフレーズ。言葉が耳に残る。
久しぶりに聴いてあの頃の風が吹いたみたいな感じ。

technologyとfeelings

2006-06-03 21:43:23 | 以前のシゴト
昨日の異文化間教育学会プレワークショップでの感想。


参加された研究者の方が、自分の専門分野で問題になっていることをクリケットで表現してみようという内容のワークショップだった。クリケットはMITで開発された表現力と学びを高めるためのこども用コンストラクションキット。クリケットという小さなコンピュータにプログラミングし自由に動きを考え、身の回りの素材(布、パスタ、鈴、羽、落花生、ビーズ、クリップ、ボンボン、色紙etc.etc..)を付け足して「動くおもちゃ」のようなものが誰でも作れる。

自分の抱えている問題をクリケットの動きに託すー、というのがおもしろい。出てくる問題がどうしたってアクティブでポジティブになる。

例えば、カウンセリングは言葉やジャーナルをとおして、遊戯療法はおもちゃや作品を(例:箱庭などの)とおして人は自分の頭の中にある問題を表現する。けれど昨日見たのは、クリケットをとおしてという表現方法。静的な問題描写にならない。常にアクティブ。素材の性質から、見た目もポップな色合いの装飾がつく。

参加者は一生懸命に人間的思考をコンピュータのLOGO言語に変換し、クリケットの動きに自分の問題を代弁させようとする。personal experiencesをLOGO言語という数学的コンセプトと動きに結びつけている。はみ出してしまう思いや、「こんなつもりじゃないのに」というがっかりや期待はずれの体験は、「じゃあ自分は一体なにを表現したかったのだろうか」というさらなる思考に導いているよう。

思い通りにいかないクリケット。試行錯誤しながら作るプロセスの中で、自分の考えている問題と実際に出てきた動きをどんどん再構成させ、最終的になんらかの作品に落ち着く。

昨日のワークショップでは、なぜそれを作ったのか、というリフレクションにだいぶ時間をかけ、写真を用いながらつい1時間前、30分前の制作過程を振り返って行く。その時の参加者達のよくしゃべること、しゃべること!一瞬、カウンセリングかなにかのセッションにいるような錯覚を覚えてしまうほど、気持ちの内側・試行錯誤のプロセスを自分の問題を交えながら語っていたのが印象的。

個人的にクリケットの新たな可能性を感じたワークショップでした。

実験的なマインド

2006-06-01 08:27:23 | 日常
今日は夜に、今週末行われる関西大学での異文化間教育学会の準備が入っているため、午後から出勤。

7月に香港で開かれるChild Developmentに関するシンポジウムで、昨年からずっと関わらせて頂いたプロジェクトを発表する機会に恵まれました。メイン発表者は先生たち。私はアシストするという立場。今は事前に提出するペーパーやプレゼンテーションの準備、+事務手続き。

昨年すでにやったこと(終わったこと)をまとめて発表する、というなら簡単なのですが。。。
そこで甘んじないのが今お世話になっている先生達。なにか新しいトピックを注入しよう、フレッシュなコンセプトを混ぜ込もう、という実験的マインドが常にある。シンポジウムで一方的に話してもおもしろくない、せっかく海外の色々な研究者が集まるのだからインタラクティブなセッションをして自分たちもなにかオミヤゲ(=さらに新しい発見)を持ち帰りたい、そういう気持ちを持って臨む。

「こうしてまとめてしまえばいい」
「(章立てをして)こうで、こうで、最後にこう書いて終わり、でいいのでは?」
という無難な提案も、耳に届いているのだかいないのだか。
みんなが「それだ!」というふうに反応するツボのようなものがどこかにあって、それが見つかるまでいろいろな文献・情報をあたる。

今はそれがまだ見つかっていない。

最終締め切りは今週末。
いつものことながら先生達はこういうドキドキ感や焦燥感さえ楽しんでいるように見える。

実験的マインド (experimental mind)を持っている人は、日常のいろいろな出来事や情報を常に「学び」に変換することのできる人だなぁとつくづく思う。

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MOMA!