ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

今週一番言いたかったこと

2011-01-07 22:38:41 | Weblog
今週、一番言いたくても言えなかったのは、プチ和服評。

仕事はじめの日、会社の若いお嬢さん(この表現にイヤミはないつもり)が、振り袖を着てきた。
赤くて、ひらひらしていた。
すごく正しい日本の会社だと思った瞬間、ものすごい違和感におそわれた。

足音が大き過ぎる。
一瞬、ブーツを履いているのではないかと思った。
でもちゃんと、足袋に下駄だ。

頭だけを見ていると、動きは洋服を着ているときと同じ。
上下左右に揺れながら歩く。
それは、基本的に和服の動きとは違う。

立ち居振る舞いが洋服のママで着物を着ると、
まるで・・・、
横溝正史原作の2時間ドラマに出てくる気のふれたお嬢様のようだ。
「むざんやな冑の下のきりぎりす」という芭蕉の句とともに、
「獄門島」のシーンがフラッシュバックのように目の前に浮かんだ。

などと、言いたいことが、爆発的にこみ上げてきたのだけど、
知らないお嬢さんにそんなことを言うのは失礼だし、
まず、私も和服を着こなせないので、偉そうなことは言えない。

むかしは、というのは、私が成人したころは、
ちゃんと和服を着こなせる年配の方がいたので、
着こなしが悪いと、すごく辛辣な指摘をうけたものだった。

でもいまや、そんなことを言ってくれる人はいないばかりか、
みんなの意識にある和服も、コスプレのひとつに近くなった。
萌えキャラが短い丈の和服を着ているのを見るのと同じくらいな感じだ。
いっそのこと長刀でも持って、「日本鬼子(ひのもとおにこ)」とでも
名乗ってほしいくらいな気分になった。

着る人の自由だし、誰も着ないよりは、着る人がいるほうがいいと思うけれど、
なんだかさびしい。
和服なんて、少しの身長差や体格差を吸収できるものなんだから、
学校教育で、着付けを教えたらいいのに。
みんなでわいわい言いながら、着まわししたら、きっと楽しい授業になる。