気がつけばそろそろ月末。
5月がおわるまえに、駆けこみでこの話題を。
今月、久しぶりにワラビを購入した。
ワラビ科のシダ植物であるワラビは、
全国の日あたりのよい山野にはえる。
4月~7月にでる若芽は、あく抜きしてから
和えものや煮物などに食用される。
はじめて能登半島の突端・珠洲市にいったころ
美味しさに驚愕したもののひとつがワラビと葉ワサビ。
どちらも、珠洲にいれば
さいわい潤沢に食べることができたけれど、
湘南では、食文化の違いもあってかなかなか叶わなかった。
その後、ワラビはこちらでも八百屋さんで売っていることもあると知り、
旬に一度は購入して楽しんだ。
ただ、発がん性物質もふくむというワラビは
山菜のなかでも特にあく抜きが欠かせない。
時間におわれるときには到底そこまでできないため
ここ数年は不本意ながら遠ざかっていた。
今年にいたって一念発起して注文した、一束のワラビ。
どうやって食べようか?
なにはともあれ、まずは、あく抜きをして下ごしらえ。
1)バットにワラビを並べ、重層をまんべんなく振る。
(灰があるなら灰でじゅうぶん)
2)沸騰した湯をそれにかける。重層をかけたワラビが浸るように。
3)そのまま一晩おく。
4)流水でワラビを洗って重層をとりさり、きれいな水にかえる。
5)ワラビを茹でてから各種調理へ(茹ですぎると面白くないので注意)。
食べたいワラビ料理はいろいろあるけれど
今回は「自分で調理できるもの」という制約つき。
そこで、次の3点メニューにしぼった。
*ワラビの酢醤油
*ワラビの煮物
*ワラビの味噌汁
ワラビの酢醤油は、
あく抜きして茹でたワラビを切り、酢醤油をかけるだけ。
簡単シンプルなのに十分おいしい、という素敵な一品。
写真でみると、こんな感じ。
ワラビを煮物にするなら
蕗(ふき)・筍(たけのこ)・昆布・椎茸とともに煮る。
これが、珠洲でおしえてもらった「基本」。
なので、食材が手にはいる限り、わたしはそうしている。
今年はさいわい、祖母からもらって茹でておいた筍と、
いただきもののドンコの干し椎茸と北海道の昆布がある。
蕗は、(今回は手抜きのため)スジとりしないで済みそうな
ほそい蕗をつんできた。下茹でするものはして、
鰹節と昆布の出汁で煮こむ。いい匂いがあたりにひろがる。
ワラビの味噌汁は、茹でたワラビを味噌汁の具にするだけ。
簡単なのに美味しい、料理人を選ばないレシピ。
ただ、これはある意味、ぜいたくな味噌汁なのだと思う。
珠洲では、ワラビがゴロゴロしている味噌汁を飲んでいたのに、
たった1束のワラビでは、味噌汁の具にまでまわせる分はわずか。
それでもなお、ワラビ料理3種をひととおり食すのだから、
「ワラビをたべたぞー!」との満足感はおのずとじわり高まる。
運よく京都のおみやげがあったので、食後はそれで一服。
生八つ橋も学生時代から大好きな品。おもわず笑みが漏れる。
食材に恵まれた食卓は、こんなにも美味しくて、嬉しい。
しかも、気力回復に大役立ち。明日はきっと、もっと元気だ。
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