クリーブランドと聞けばクリーブランド管弦楽団を思い出す人も多いはず。
1918年にクリーブランド市民のグループによって創設された同楽団は
アメリカ5大オーケストラのひとつに育ったばかりか、
世界屈指のオーケストラのひとつ、と呼ばれている。
世界各地へ公演旅行に出かけてもいるが、
冬は、1931年開設のセヴェランス・ホールで、
夏は、ブラッサム・ミュージック・センター(通称ブラッサム)でと、
クリーブランドを拠点に活動している。
「よし、ブラッサムへ行こう!」
ある週末の夕べ、ピクニックセットをもって出かけた。
これはメインゲート前の看板。
2009年夏のブラッサムのパンフレットは、これ。
クリーブランド管弦楽団の母体であるミュージカル・アート協会のこと、
ブラッサムの夏の公演のこと、クリーブランド管弦楽団のこと、
今年のブラッサムの公演のこと、同管弦楽団への支援方法のこと、
来シーズンのこと…と、62ページにぎっしりの内容。
もちろん、この夏のブラッサムの公演予定も。
週末ごとに、ほかにもいろんな曲を演奏するようだ。
この日の演目は、シューマンのピアノ・コンチェルトと
チャイコフスキーのシンフォニー5番。
ブラッサムは、母体である非営利のミュージカル・アート協会が
約800万ドルかけて1966年から計画・建設し、1968年にオープン。
国立公園に囲まれた丘陵地帯にある、面積800エーカーの施設だ。
これが施設案内マップ。
中央上部にみえるダークの大きな三角形は「パビリオン」。
5700人を収容する、屋根つきの座席エリア。
ダーク三角形の底辺に面した広めのグリーン部分が
わたしが目指した芝生席エリア。
収容力13500人の広いスペースで、ピクニックセットをもちこみ
飲み食いしながら音楽を楽しむことができる。
ちなみに、マップの下方にみえる
大きめの白い四角は、すべて駐車場。とにかく広いのだ。
午後8時の開演に間にあわなかったので、入り口近くの芝生のうえに
椅子を広げた。わたしの席からみたステージは、こんな感じ。
パビリオンの屋根の下、奥の方の、照明で明るい部分がステージ。
…遠い…。
でも、演奏はバッチリ聴こえる。
しかも、屋外のみずみずしい空気のなか、
もってきたスナックをつまみ、ワインやビールなんかも飲みながら。
この気軽さは、子ども連れやグループにも最適。
本格ディナーを楽しみたい人には、
演奏の前と後にオープンするレストランも、施設内にある。
気軽に楽しみたい人も、本格的に楽しみたい人も、満足できる。
なんとも爽快で、贅沢な時間。
なのに料金は、気軽コースの場合、シーズン回数券を使えば
大人1名1回あたり11ドル(13ドルだったかな?)。
なぜこんなことが可能なんだ? と思って
パンフレットを走り読みしたところ、
・地域に根ざしている
・寄付集めを熱心にしている
・地元大学と連携をしている
などが、その要因として見出せそう。
クリーブランド管弦楽団の夏のホーム。
日が暮れる午後9時すぎには蛍が飛びかう芝生の上で
世界屈指の管弦楽をきけば、思いがけず頭が動きだす。
なんだか奥が深そう…。
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