三太郎一家・福猫はどの子!PART7(完結編)

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譲渡した猫を引き取るとき

2018-11-06 11:08:55 | 動物愛護精神とは
私は猫を譲渡する場合、誓約書にサインをいただきます。


1、譲渡した猫を共に生きる同伴者として最後まで責任を持って愛育すること。
2、万が一、譲渡した猫に止む得ない事情が起き、飼うことができなくなった場合は、
  福田に相談の上、処置します。
3、猫を他人に譲渡する場合は、福田の了解を得ます。
4、猫の不妊手術は必ず行うこと。
以上の件が守られない場合は、猫の所有権は福田に戻ります。

まぁ簡単な誓約書です。この文章だと、譲渡した猫が戻る確率は高いですね。
飼育ができなくなったら、猫は必ず返してね!と言う内容ですから。
で、これまで多くの猫を譲渡しましたが、戻った猫はいません。
トライアル(お試し飼い)で、戻る猫は多くありますが、正式譲渡後の戻しはありませんでした。
正式譲渡までに、飼い主希望の方と最低でも3回は会います。互いの猫に関する価値観を確かめ合い、
「この人なら大丈夫」と言う確信を持ってから譲渡するためです。



3回とは

1、猫希望の方と猫とのお見合い。ここで希望者の方と、かなり深く猫の話をします。
  2〜3時間はざらです。最高8時間。昼食夕食を一緒にしました。私とのお見合いかな(笑)
  猫を飼うことで、飼い主さんは猫に対して何を希望するのかを見極めます。
  家族として?癒しとして?人生のパートナー?不幸な生い立ちの猫を幸せにする?
  私は質問魔です。もちろん家族構成、職業、年齢を聞くのは当たり前のことです。
  今は私の子供となった保護猫を譲渡するのですから。

2、猫希望の方の家を家庭訪問します。原則、猫は連れていきません。ここでもかなり深く話をします。
  目的は住居が猫を飼うことに適しているかどうかの確認です。脱走防止対策をお願いします。
  先住猫さんが居る場合は長居をして、その猫を観察します。先住猫さんの性格を把握して、
  譲渡する猫と相性が合うかどうかを見極めるためです。ここでダメと判断すれば、トライアルをお断りします。
  それは長年の勘で決めます。「とりあえずトライアルしてみましょうか」はしません。
  先住猫がいない家庭でも、お断りしたことは多くあります。逆に煩い福田を拒否される方もいました。 
  当然です。お見合いですから、価値観、相性が合わなければ壊れて当然。

3、家庭訪問において、「この家なら大丈夫」と判定すれば、次はトライアル。1ケ月程度は、飼育の練習をしてもらいます。
  期間は猫により異なります。成猫の場合、2〜3ケ月は普通です。飼い主希望の方の飼育に関する悩み相談は24時間、
  受付ます。メールでも電話でも。保護猫がその家に慣れるまで見守ります。

トライアルが成功した上で正式譲渡に進みます。誓約書にサインをしてもらいます。
これが終わると私は、譲渡した猫のことは忘れます。心配しません。
私の選んだ飼い主さんに全てを任せて、猫のこと忘れるのです。
そして次の保護猫の譲渡に集中してきました。まぁここまで、自分の譲渡する方法に自信を持つには、
何度か苦い経験をしたからです。失敗や後悔のつく譲渡も有りましたよ。



最近、譲渡した猫の引き取りのお願いを2件受けました。
1件は、子猫の時に2匹を譲渡した先で、離婚による理由で、引き取りを希望されました。
もう1件は、一人暮らしの飼い主さんが重い病気となり、猫の将来を考えての引き取り依頼でした。
2件とも簡単なメールでの引き取り依頼でしたが、多くの理由は聞かず、簡単に依頼を受けました。
私が選んだ飼い主さんが、理由があって苦渋の決断をされているのです。引き取ります。
結果は2件とも、飼い主さんが考え直して飼育を続行されることなり、引き取りは中止となりました。
ほらね。私が選んだ飼い主さんでしょ。考え直すのです。猫は家族です。家族と簡単に別離できるわけがありません。
よかった〜でも、私は何時でも待機しています。譲渡した猫に何かが起きれば、引き取りたい。
だって元は家族として暮らした猫だからです。皆、我が子です。




オマケです。
トライアルまで進んで、飼い主さんの希望に添えない猫たちの、戻された!(◎_◎;)理由ベスト5!

1、若いご夫婦。夫が猫初心者。「猫のウンチが臭い」。(動物を飼う資格はないですね。すぐに猫撤収!)

2、先住猫がいたため、成猫兄弟猫2匹をケージ飼いでトライアル。兄弟は穏やかな良い性格。ケージの中のトイレを
  使用後、必要以上に掻き回して砂が飛ぶ。それをさせないために躾として叱りつけている。
  (速攻猫撤収!この兄弟、子猫の時に保護され保護主が昼間仕事に行くため、長時間長期に渡り
  狭いケージで飼育された。子猫を閉じ込めて飼育すると、遊びが足りなくて、トイレで遊ぶようになります。砂や
  ウンチをおもちゃにするようになるのです。この2匹、今は私の家で自由に暮らしていますが、トイレ問題は皆無。
  ただし2匹とも白血病となりました。戻ってきて良かった。)

3、新婚さんに、人慣れしていないオス猫をトライアル。少しずつ慣れていく段階で、夫が不満を出す。
  奥さんには慣れるが夫には威嚇。夫が「可愛いくないから嫌だ」と発言。
  (すぐに撤収。替わりに人慣れ抜群の子猫2匹をだす。めでたしめでたしとなる。で、戻った猫は
  口内の炎症の病となり若くして死亡。私が看取れて良かった。出戻る猫には戻りたい理由がある。)

4、鳴き続けて煩い。眠れない。(この理由は多いです。保護猫の飼育は基本、多頭飼い。猫がいる中で育った猫は、
  孤独になると仲間を呼んで鳴きます。これは仕方ないこと。飼い主が可愛がり、一匹でも寂しくないような飼育をすれば、  
  そのうち鳴かなくなる。その努力は大変です。最低でも1週間は鳴き続けますから。根性ないと無理。)

5、先住猫が体調を崩す。ごはんを食べない。吐く。元気がない。(飼い主さんは基本、先住猫を愛しています。1ケ月もすれば
  新しい猫に慣れていくのですが、それまで辛抱できないのが溺愛型飼い主さん。説明しても無駄な方にはトライアルは中止。          アドバイスを聞いてくれる方には続行。努力して先住猫と新猫が仲良しになった時の喜びは、飼い主さんが一番分かっています。)

多頭飼い希望の猫好きさんの夢は、猫団子かな?
うちの猫は人より猫が好きですよ。猫同士が支え合って暮らしています。
その可愛い姿を眺めるのが、多頭飼い者の醍醐味です。


あ〜最後に私の中の鉄則を教えます。

1、紹介者のある譲渡は気をつけること。

2、猫を飼った経験があるから大丈夫と言う人には気をつけること。

3、譲渡希望の方から寄付をもらわないこと。寄付いただくのは正式譲渡後にする。

10年も前の話です。猫ボラ界では有名な方の紹介で、子猫希望の家族が事務所に来ました。
夫婦と年頃の姉妹。姉妹の一人はなんと小型犬を抱っこされており、お母様の手には
なんとキャリーバッグ。私は目が点になり、娘さんには外で待っていただくことにしました。
お母様は挨拶もそこそこで、遊んでいる保護子猫の部屋で仁王立ち。
大きな声で「これが可愛い!私はあれにするわ!」
私の説明は聞いておりません。「猫はずっと飼っているから大丈夫!プロだから。」と
言いきる言動に私は呆れてしまい、丁重にお帰りをしていただきました。
世の中には、常識のない人もいるのです。びっくりしますよ。鉄則はその辺から生まれてくるのです。
あ〜他の鉄則(小さな決まり)は数多くあるのですが、詳細に書くと悪口となるので、
知りたい方(譲渡活動されてる方)には、お出でいただけば直接にお教えます。
あーその場合、あなた様の面接もありますよ(笑)





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