今日4月8日はお釈迦さまがお生まれになられた日と言われています。
このお祝いを「花まつり」や「灌仏会(かんぶつえ)と言います。
お釈迦さまはお生まれになられてすぐ7歩歩まれ、天と地を指し示して「天上天下唯我独尊」と言われました。
そのとき、天界の竜王が甘露の雨を降らせたという言い伝えが残されています。
この伝承について知り合いのお坊さんが面白いことを書いていたので、転載させていただきますね。
これは生まれてすぐに歩いて話せる健康で丈夫な赤ちゃんということではありません。
生まれながらに迷いの世界である六趣(天・人・修羅・地獄・餓鬼・畜生)を超えた存在ということです。
そして天上天下唯我独尊とは中学生が特攻服へ書くときに思うような「俺って偉いんだぜ」というようなことではありません。
「世界には私という命は一つだけ。だから尊いんだ」という全ての命に向けて、それぞれの命がそれぞれに尊い命であることをお示し頂いていることであります。
ユーモアを交えながら、とても分かりやすく伝えてくださっています。
さて、花まつりということで、境内で咲き誇っている枝垂れ桜の見納め写真を掲載しちゃいましょう。
2年前の台風で太い枝が幾つも折れ、昨年は枯れつつある枝を切りました。
隣が宅地となり、地下水が抜かれ、土地も痩せていく一方です。
正直、この桜はもう昔のように満開になることはないのかもしれないと覚悟していました。
それもまた、お釈迦さまが悟られた諸行無常の理と悲しく思いながらも受け入れていました。
しかし、今年は再び立派な姿を見せてくれました。
散りゆくこと、枯れゆくことも無常です。
でも息を吹き返したように咲くこともまた無常です。
さまざまな無常に一喜一憂し続けることが人生のように思います。
そして泰然と受け入れられないからこそ苦しみが生じます。
だからこそ「天上天下唯我独尊」の命のありかたを、きちんと見据える目を育てていくご縁にあう大切さを感じました。