最終回文庫 ◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されない不具合があります。ご容赦ください。

私の絵本コレクション *ドーレア夫妻(2) 『オーラのたび』

2014年08月24日 | 絵本






(夫)エドガー(1898~1986)と(妻)イングリ(1904~1980)はミュンヘンの美術学校で出会い、1925年に結婚。1929年にアメリカに移住。アメリカ児童文学の育ての親と言われるアン・キャロル・ムーア女史の勧めで絵本を共作するようになり、1932年にデビュー作ともいえる、この "OLA" が生まれました。



カバーが付いていますが、下部に痛みがあったのでしょう。
10ミリほど切り取られていて、寸法が足りなくなっています。


所蔵本は刊記が無く、おそらく1960年代の図書館用の廉価版の除籍本で、表紙は布装で表紙と同じ絵柄が印刷されています。





邦訳は『オーラのたび』吉田新一/訳 福音館書店刊 1983年初版。カバーは元々ありません。
所蔵本は1986年第4刷。




原書と比べると、スミ版のリトグラフの調子が若干つぶれ気味で、のっぺりした感じになっているのが残念です。















私の絵本コレクション *ドーレア夫妻(1) 『トロールものがたり』

2014年08月24日 | 絵本





絵本のコレクションの中で、最初に取り上げるのは、ドーレア夫妻の作品です。

翻訳された作品もかなりあり、いくつか紹介していこうと思います。まず "TROLLS" から……。


"TROLLS" 1972年初版。所蔵本は図書館版で除籍されたものですが、状態はさほど悪くありません。




巻末の説明によると、この本の中のモノクロの絵は印刷技術のうちで最も古い方法のひとつ、リトグラフで刷られ、カラーの絵はアセテート板を使い、スミ版の絵を基本に各原色を重ねて色を出す近代的方法で印刷され、活字はスタンリー・モリソンによってロンドン・タイムズのために設計されたタイムズローマン体14ポイントを使用しているということです。


邦訳『トロールものがたり』は1978年にほるぷ出版から、2001年に童話館出版から出版されています。

『トロールものがたり』ほるぷ出版 1978年の表紙。著者名表記が「ドーレア」ではなく「ダウレア」になっています。






『トロールものがたり』童話館出版 2001年の表紙。





はるぷ出版版は原書の印刷方法に近いもので印刷されていて、網点がありません。
童話館版は、ほるぷ出版版の復刊といっていますが、4色分解による印刷で、網点があります。

同じ図柄を見てみると……

まずは、ほるぷ出版版。






童話館版。






そして原書。





画面ではその違いはわからないと思います。