かなり久しぶりに古伊万里を購入しました
ウチの品の中では数の少ない色絵古九谷の小皿です。
「無花果に鳳凰文五寸深皿」
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赤、黄、緑。紫、これに色絵の青が入れば立派な五彩手なんですが、青は色絵ではなく染付というのが特徴的です。
色使い、絵付けを見た印象は古九谷様式といえますが、一部に過渡期的な特徴が見られます
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鳳凰の左下に描かれた紅葉文を見て下さい
柿右衛門様式の特長である、輪郭線を黒で描く絵付けがされています
絵付けに染付けが併用されている点も、古九谷様式というよりは染錦手の柿右衛門のような印象があります
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見込中央部の絵付けは、古九谷様式らしい色使いと厚塗りな絵付けです
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落款は角福で、裏文様は寛文~延宝期にみられタイプのものです
古九谷様式から柿右衛門様式へ移行していく時代に作られた品で、過渡期的な面白さがある品ではと、勝手に思っています。
個人的にはこの品の存在は10年近く前から知っており、古美術〇川さんのHPで売りに出ていたのですが
当時は値段がそこそこ高く、完品はおろか傷物すら買えなかったものでした。
今回、若干の傷物とはいえ、手ごろな値段で入手できたのは「待ては海路の日和あり」みたいな感じでしょうか。