伊万里においては鳥文様の品はは数多く見られます。
その中でも鷺や鳳凰(想像上の生き物ですが)、鶴などは時代を問わず多く見られるように思います。そんなこともあって、伊万里の収集を続けていると意識しなくても鳥を描いた品がテキトーに集まります。
そこで今回から3~4回にわたり、鳥の文様が絵が描かれた品を紹介したいと思います。
まず一回目は、「染付梅鳥文変形皿」です。
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柴コレの1-155と同手の品で、1655~60年代という表記になっています。寛文期というか古九谷様式の時代によくみられる横16cmほどの変形皿で
この成形がされた品は後の時代では見かけないように思います。
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何やら猛禽類なのは間違いない目つきの良くない鳥が描かれていますが、そこは寛文期の品ですんで、それほど写実的という訳ではありません。
とはいえ、図柄全体はそれなりに絵画的な意匠になっており、書画の意匠を真似て描いたなんてこともあるのかも知れませんね。
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落款はこの時代に良く見られる一般的なものですが、裏面も梅が描いてあるあたりが、様式化される以前のスタイルであるとも言えるでしょうか。
鳥文は初期伊万里の時代から登場しますが、ウチにある鳥文の品の中では一番古手の品がこの変形皿です。
ワタシの場合は染付の品が中心になってしまいました。
この品、内側が立体的なメリハリのついた造形になってるんですよね~
何がモチーフになったのかは判りませんが、やはり絵柄と共にこの造形も魅力のあるもののように感じます。
この品の場合はセオリーを無視して猛禽類になっていますが
初期伊万里にも鷹の文様がありますから、そういった意味では影響が残っていた時代なのかも知れませんね。
安心して見ていられますよね。
この変形皿は、何をかたどったんでしょうか。ハマグリでもなさそうですしね、、、。
なかなかない皿ですよね。
存在感がありますね。
この変形皿を考えた人は渋い。
鶯ではなく、少々凄みのある鳥の存在感もなかなかのものです。
私のところにも、梅に鶯の大皿(幕末伊万里)があったのですが、人にあげました。月並みな品でしたから(^^;